松柏類の育て方

投稿日:2011/03/22 更新日:2020/12/10

松柏類の育て方

松柏類とはマツやスギ、シンパクなど常緑の針葉樹を総称していますが、落葉するカラマツやラクウショウも含んでいて、日本の景色を表すには欠かせないものの代表です。

四季を通じて緑を失わず、寿命が長いことから長寿のシンボルとして親しまれてきました。

各地の気候風土に適応していて変種も多く、丈夫で培養しやすい点も魅力です。

生育は他の落葉樹に比べて遅いので、見られる姿になるには時間が必要ですが、月日が経つほど古色を帯び、長く見ていても飽きない魅力を持っています。

松柏類の基本的な管理

管理場所

松柏樹種のほとんどは日当たりのいい場所を好む陽樹ですから、管理場所は朝から一日中よく陽の当たる風通しのよい場所が理想です。

特にクロマツやシンパク、トショウなどの樹種はよく陽に当てることで樹勢も上がり、締った盆栽になります。

同じマツ科でも、北国に自生が見られるエゾマツ(トウヒ属)やトドマツ(モミ属)、針葉樹林を代表するヒノキ科のヒノキ、高山性のゴヨウマツなどは、光の要求量が比較的低い半陰樹に分類されますが、盆栽として作る以上はある程度の日照が重要です。

日当たりと風通しを確保することにより枝葉が締まり、枯れやすい下枝を守ったりフトコロに芽を持たせたりする効果もありますから、強光を嫌うものは夏の間陽よけを設置するなど、置き場所を工夫してください。

寒さに強い樹種がほとんどですが、トショウやスギなどやや寒がるものや、秋に強い整枝をしたもの、小さい樹などは霜や乾燥した風が当たらないように早めに保護してあげてください。

休眠期間中は日照がなくても一向に構いませんが、常緑樹は休眠期でも多少活動していますから、日中は日だまりが出来るような場所におくと良いでしょう。

日照を好む樹種(陽樹)

クロマツ

松柏樹種の中でも最陽樹のクロマツ

特に日照を好む樹種で、夏も朝から日没まで直射日光の当たる場所が好ましいです。ただしミニサイズの樹や樹勢の落ちたものは、夏の日差しで鉢が高温になることにより根を傷めますから、日よけを設置して西日に当たらないようにしてください。

陽樹にはサツキやザクロ、ツツジ、柑橘類などの暖地性のものの他、ウメやボケ、カキなどがあり、松柏類ではクロマツ、アカマツ、ニシキマツ、シンパク、トショウ、カラマツなどが該当します。

半日陰を好む樹種(半陰樹)

エゾマツ

半日陰を好むエゾマツは水も大好き

強い光の当たらない明るい場所を好む性質で、陽樹と陰樹の中間くらいの環境を好むものは中庸樹(ちゅうようじゅ)と言います。半陰樹・中庸樹は環境への適応性があり、日陰で育てていたものでも徐々に明るい場所に慣すことで棚場環境に順応して生育します。

半陰樹・中庸樹にはツバキやウバメガシ、唐カエデ、ヤマブキなどがあり、松柏類ではスギやヒノキ、サワラ、ゴヨウマツ、エゾマツ、トドマツなどがあります。

耐陰性が強く、薄暗い場所でも育つ樹種(陰樹)

イチイ

イチイは陰樹ですが、日当たりのいい場所でもよく育ちます

陽樹林に遮られて光が入らないような土地でも育つ性質で、光の要求量が比較的低いものを指します。

日陰でも元気に育ちますが、日照が苦手という訳ではなく、陽樹の隙間の明るい場所で旺盛な生育を見せ、遷移を経て極相林を形成します。

代表的な陰樹にはサザンカやブナ、アジサイ、ヒサカキなどがありますが、松柏類ではイチイやコメツガなどがそれに当たります。

灌水

松柏類は水を好みますが、しっかり乾かすことも大事です。

特にゴヨウマツは過水により根が傷みやすいので、灌水頻度は控え目にした方が良いでしょう。

水をやったらすっと鉢底から抜けるように排水よく植え付け、乾いてから水をやるようにしてください。

春は1日1~2回、夏~秋は1日2~3回、 冬は1日1回程度を目安にしてください。

施肥

昔は水や肥料をほとんど与えない「痩せ作り」が良いと考えられていましたが、仕立て段階では多肥多水の方がよくできますし、葉色も濃くなります。

油かすなどの緩効性の有機固形肥料を基本に、春(4月~6月頃)と秋(9月~10月頃)の2回をメインに施肥してください。

梅雨や長雨が続く時期と、真夏は一旦中止するか、ごく薄めた水肥を補助的に与えても良いです。

肥料は少なめでも日当たりが良ければそれなりに育ちますが、芽切りや葉すかしなど2番芽を出させるような場合は、樹勢が付いていないといけないので事前の十分な肥培が必要です。

完成樹に近づくほど肥料は控え目にして、枝の徒長を抑え、樹勢を維持する培養に切り替えてゆきます。

松柏類の樹種別の育て方

コメント

安芸の国人 さん 2020年09月22日05時52分
きみさんおはようございます。
いつも大変お世話になっております。
この日曜日に香川県鬼無に行って黒松の千寿丸という多芽で小葉の性質を持つ素材を入手しました。
普通の黒松の手入れの仕方との違いがあれば、教えて下さい。
きみ さん 2020年09月22日10時25分
安芸の国人 さんへ

千寿丸というのは八房のクロマツですよね。高松の盆栽園で見出されたものと聞いています。
培養法は普通のクロマツと同じでいいと思います。
八房のものは枝が出来やすいですが全部は使えないですし
枝葉が込みやすいので、これから葉すかし枝抜きはした方がいいでしょうね。
ぼんさいおじさん さん 2021年08月21日09時08分
黒松盆栽の置肥料 市販の油粕固形肥料を使用していますが、住宅地域のため匂いが気になります。匂いの無い、代わりの肥料はありませんか。
きみ さん 2021年08月21日11時16分
ぼんさいおじさん さんへ

わたしがメインに使っている有機肥料は、東商油かす、グリーンキング、バイオゴールドです。この3つはほとんど匂いもなく虫もよらないので使いやすいと思います。
マルタの玉肥も時々使いますが、多少臭うし蛆もわきやすいですね。
東商はわりとリーズナブルでネットでも買えますから、それから始めてみてはどうでしょうか?
先ほど秋肥の動画UPしました、肥料の紹介をしているので参考になればぜひみてみてください!

秋肥の紹介
ぼんさいおじさん さん 2021年09月04日15時05分
黒松盆栽の置肥料について、アト゛ハ゛イスありがとうございました。
東商油かす、バイオゴールドを使用してみます。