更新日2018/07/03
真柏の作業暦
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
生育状況 | 休眠期 |
芽出し |
休眠期 |
|||||||||
管理場所 | ムロ |
ムロ出し | 日なた |
|||||||||
灌 水 (回数/日数) |
1/2日 |
1~2/日 |
2~3/日 |
1~2/日 |
1/2日 |
|||||||
施 肥 | 置き肥 |
置き肥 |
||||||||||
芽摘み | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
針金かけ | ||||||||||||
ジン・シャリ入れ | ||||||||||||
植え替え |
真柏はヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉樹。
海岸沿いの崖上や砂地などの日当たりのいい場所に多く自生する樹ですが、盆栽で使われるのは高山性の真柏で、葉性がよく幹模様も素晴らしい新潟県の糸魚川真柏は世界的にも有名です。
強い曲付けにも耐えるのでいろいろな樹形に作ることができ、ジンやシャリ、葉の細かさ、幹肌の美しさなど魅力が沢山。
山採り素材はほとんど取り尽くされてしまいましたが、挿木繁殖が可能で、個人で作り育てる楽しみがあります。
年間を通じて日当たりと風通しのよい場所で育てます。
夏の強い日差しにあてても大丈夫ですが、小さいものは半日陰のほうが安心。
空気の綺麗な場所を好むので夕方に葉水をすると葉色が良くなります。
特にジンやシャリを入れたもので水吸いの細いものなどは冬の乾燥した空気には弱いので、保護が必要です。
ほとんどの植物は中性~弱酸性の土を好むのに対して、真柏はアルカリ性土質を好み、自生地でも石灰岩質の所でよく生育します。
用土は赤玉土を主体に桐生砂や川砂を4~5割混合し水はけよくしましょう。石灰砂を少量混ぜるといいようです。
乾燥には強いですが松柏類の中でもより水を好むので、多めがいいでしょう。
杉葉がでた場合は特に水切れに注意し、よく日に当ててください。
春は1日1~2回、夏場は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安として、表土が乾いたら灌水するようにしてください。
真夏は朝夕に葉水を与えると害虫がつくにくく、葉色も美しくなります。
5月下旬~6月頃と、9月~10月の間に油かすなどの固形肥料を月1回ほど与えます。
春の早いうちから肥料を与えると力がついて杉葉がでることがあるので、時期は遅めがよいです。
杉葉がでた場合は戻るまで肥料を中止してください。
滅多に病気や害虫に被害にあうことはありませんが、樹勢が弱っているものや管理場所が良くないものはハダニやアブラムシが付くことがあります。
予防のために殺虫剤を定期的に散布するのも悪くないですが、真柏は葉水が好きで害虫予防にもなるので、朝夕に霧吹きなどで積極的に葉水をあげてください。
また、冬期は石灰硫黄合剤などの殺菌殺虫薬でしっかり消毒することも大事。サンヨールやオルトランCなど代替薬もありますが、高濃度で散布出来る休眠前は石灰硫黄合剤がとても効果的です。
真柏の芽は成長期の間伸びてくるので、そのたびに摘んで間延びを防ぎながら小枝を増やします。
芽摘みやフトコロの伸びた葉を摘むことで元芽が動いてより小さく作ることができます。
真柏は春から9月頃まで次々と新芽を伸ばしてくるので、間延びを押えて各枝を充実させるためには芽摘みが欠かせない作業になります。 全国に産地がある真柏の葉性は様々で...
成長期の間は芽摘みに終始しますが、芽摘みだけではだんだん枝葉が混み合い、枝先が団子状に固まって理想の樹姿を維持することができません。
そこで2~3年に1度は追い込み剪定をして枝を透かし、全体の輪郭をすっきりさせてください。
黒松や五葉松などど並んで一般的に培養され、愛好家の間で不動の人気を誇るシンパクは、手入れの方法がよく研究されています。ここでは剪定の基本から、若木と完成樹の剪...
真柏は枝が柔らかいので大胆な整形にも挑戦できます。
作業の適期は秋~休眠期間中。枝透かし後に枝先を軽く矯正するのはいつでもいいですが、太枝を強く曲げるなら2月頃がベストです。
ただし冬に強く曲げたものはしっかり保護してください。
神や舎利入れの方法には、単に樹皮を剥いで仕上げる方法と、さらに彫刻などの整形を施して仕上げる方法があります。
生きた幹枝を神や舎利にする場合は、樹液の流動開始後の3月中旬~4月中旬頃が適期。この頃になると樹皮に水分を含んでくるので、手で簡単に剥ぐことができます。
自然の中で自生している樹木には、枝や幹の一部が枯れて白骨化したものが見られます。 これらは強風や落雷などで枝幹が引き裂かれて風化したもので、盆栽界ではこの朽ちた部...
真柏は細根の生長がよくすぐに根詰まりするので若木で2~3年に1回のペースで植え替えをします。小さいものは1~2年に1回を目安にしてください。
作業の適期は春先~梅雨時期か、秋口(9月頃)。
厳寒期や真夏以外ならいつでも植え替えはできますが、強い剪定や針金矯正と同時に行うと杉葉が出るので注意してください。
「松柏」の松に並ぶ柏(カシワ)とはヒノキの仲間のことで、古くから日本人の生活に密接なものとして親しまれ、神社の御神木としても崇敬されてきました。この「柏」に「真」の字を付...
都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。
アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。
現在、盆栽世界にて「キミのMonthlyお手入れ講座」連載中です。
更新履歴
最近のコメント
おすすめ文献