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更新日:2018/10/19
五葉松の作業暦
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
生育状況 | 休眠期 |
成長期 |
休眠期 |
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管理場所 | 軒下など |
ムロ出し | 日なた |
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灌 水 (回数/日数) |
1/2~3日 |
1/日 |
1~2/日 |
1/日 |
1/2~3日 |
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施 肥 | 置き肥 |
置き肥 |
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針金かけ | ||||||||||||
剪定 | 太枝 |
不要枝 |
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植え替え | ||||||||||||
その他 | 芽摘み |
古葉取り | 古葉取り |
五葉松はマツ科マツ属の常緑針葉高木。別名「姫小松(ヒメコマツ)」。
日本各地の高山帯に自生している松の仲間で、柔らかい幹枝と短い葉性が魅力です。
五葉の数だけ品種があると言われるように産地によっていろいろな変種があり、その気候風土にあった管理が理想的です。
五葉松は「夜露で育つ」と言われるほどですから、水は辛めにし葉水を与えるとよいです。
五葉松の多くは高山性で、本来は涼しい場所に自生しています。
暑さには強いですが、あまり日差しが強いと根が傷み枯れてしまうことも。
小さいサイズの樹は特に雑木と同じと考えて、日差しの強くなる5月以降は半日陰や日よけの下で管理してください。
乾燥した場所に自生している五葉松は「空気で育てる」と言われるほど、松柏類の中でも特に水は控えめ。
ただし、辛目の培養は初心者では失敗の元になりやすいので、天城砂などの多孔質の土や水はけのいい川砂などで植え付けるなど用土を工夫すれば通常の水やりでも問題ありません。
これらの土は見た目では乾き具合がわかりにくいので、硬質赤玉を混ぜてつかってください。
通常は1日1回で、夏は朝夕1~2回、肥大成長期の秋には2回、冬は2~3日に1回が目安に乾き具合をみて調整してください。
夏は蒸れで根を傷めることがあるので、できるだけ水は乾き気味でにして朝夕の葉水をお勧めします。
五葉松はあまり肥料は必要ありませんが、施肥によって葉が短くなり全体に締まった樹になります。
梅雨と夏場を除いた4月~11月の間に油かすなどの固形肥料を控えめに与えてください。
春の多肥は枝葉が徒長しやすくなるので、春は控えめにして秋肥を多めにしましょう。
週に1~2度、希釈したハイポネックスで葉水をすると葉色がよくなり、元気に育ちます。
五葉松には伸びる力の強いロウソク芽とあまり伸びないコンペイトウ芽の2種類があります。
4月以降になって新芽が伸びてきたら、伸びの強いロウソク芽を元から摘み、後から伸びるコンペイトウ芽も残したい長さで芽摘みをして全体の枝のバランスを取ります。
五葉松は元々葉が短いので、短葉を目指した芽摘みというよりも枝の長さを調節したり、各枝の力の平均化を目的として行います。芽摘みをしないと葉が混み過ぎてトラブルの原……
今年伸びた新葉を残し、元に付いている前年葉を付け根の付近で全て切り取る
前年あるいは前々年に伸びた葉を元から鋏で切り取る作業で、葉すかしともいいます。
新葉の組織がしっかり固まった頃に行う作業で、ハカマの部分がポロポロと落ちる頃になると作業可能です。内部をスッキリさせて日当たりと風通しを良くするのが狙いで、7月頃に行うと土用芽を呼ぶこともできます。
愛培者の中には、10月に入ってから行う場合もあり、葉量を少なくして翌年の芽の勢いを抑える効果も期待できます。
五葉松は枝が柔らかで思い切ったな針金整枝にも挑戦できる樹種です。
時期に決まりはありませんが、本格的な整枝は芽出し前か秋が最適です。厳寒期に行うと負担がかかりますから、適期中に行うのが大事です。
五葉松の植え替えは通常若木で3年に1回ですが、小品になるほど根詰まりしますので、鉢底穴を確認し根鉢の様子をみて植え替えします。
植え替え時にあまり強く根を剪定すると枯れてしまうことがあるので、古根を整理するくらいにしておきましょう。強い根はそれを活かして根上がりにしたり、鉢中に巻き込むように植え付けてください。
植え替えでは根を剪定するので負担が大きいものです。
秋口に行うこともありますが、生育活動が始まる時期なら根の負担や回復が早いので、芽が動きだす前の春に行ったほうが安全です。
都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。
アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。
現在、盆栽世界にて「キミのMonthlyお手入れ講座」連載中です。
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