ゴヨウマツ(五葉松)の育て方

投稿日:2018/10/19 更新日:2021/09/01

五葉松の育て方

ゴヨウマツ(五葉松、学名:Pinus parviflora)はマツ科マツ属の常緑針葉高木。別名「ヒメコマツ(姫小松)」。

日本各地の山地帯~亜高山帯に分布している高山性の植物で、古木感のある幹肌や発達した根の芸、短く詰まった葉性が魅力です。

岩場の急斜面や崖など過酷な環境に自生しているため、自生樹には多様な樹形が見られます。その幹枝の柔軟さは針金かけにも強く、シンパクと並んで整枝のしがいのある代表的な樹種です。

1. ゴヨウマツの種類

ゴヨウマツは海抜100mの丘陵帯から2500mの高山帯付近までに自生する高山性の陽樹ですが、耐陰性もあり、乾燥にも強い丈夫な性質を備えています。

傾斜地や尾根筋の崖などに自生が見られますが、高山帯に自生するハイマツとの自然交配種や変異種も多く、同じ自生地でも葉性や枝打ちなどに個体差が大きいため「ゴヨウの数だけ葉性がある」と言われています。

ゴヨウマツの葉性

ゴヨウマツと言っても、葉が真っ直ぐで緑が深い個体もあれば、黄緑色で細くヨレがあるものなど様々にあります。

ゴヨウマツは北方地方に自生する北ゴヨウマツと、四国・中国地方に自生する南ゴヨウマツの2つに大別されます。北ゴヨウマツの葉色は濃緑色で葉裏の白い筋(気孔帯)が目立ち、葉身もやや長く男性的であるのに対して、南ゴヨウマツの葉色は淡緑色で葉はやや短く、葉束も少し開いた状態で女性的であると言われます。

有名な産地も多く、福島県吾妻山の「吾妻ゴヨウ」や、那須岳一帯(栃木県~福島県)の「那須ゴヨウ」、「石鎚ゴヨウ」や「赤石ゴヨウ」に代表される「四国ゴヨウマツ」などが有名で、「瑞祥(ずいしょう)」や「明星(みょうじょう)」「八紘(はっこう)」「玉翠(ぎょくすい)」などの八房種も数多くあります。

ただ、葉色や葉の大きさ、厚みや捻れの有無など葉性は産地によってはっきり区別できるものではなく、同じ親木からの実生でも様々な性質のものができます。

盆栽で好まれる産地はありますが、素材を購入する際は産地だけで判断しないで、自分の目で見て、捻れが少なく厚みがあり、葉の短い葉性のものを選ぶようにしてください。

一般に、クロマツの様な芽切りができないゴヨウマツは、培養を工夫しても元々ある葉の性質はなかなか変えられませんから、銘木を目指すなら葉性の良さで選ぶことが大切だと思います。

2. ゴヨウマツの培養の基本

ゴヨウマツの管理場所

ゴヨウマツの分布が見られる亜高山~高山帯の気候は、気圧が高いため気温が低く、また昼間と夜間の寒暖差が大きく霧が発生しやすいのが特徴です。わずかな岩の隙間に根を張って這うように生えている樹が多く、水の少ない環境に適応し逞しく生きています。

日中は強い日差しが照りつけ、風も非常に強い場所で生きているとても剛健な樹ですが、これを環境の異なる平地で育てようとする場合は置き場所に注意が必要になります。

十分な日照は短く締った葉を作るために欠かせない条件ですが、日照を好むからといって真夏に全く遮光をしていないと、今度は水の管理が難しくなり、樹を弱らせる原因となります。特にミニサイズのものや暑さに弱い北方系の種類は雑木と同じと考えて、梅雨明け頃からは日除けの下で管理したほうが安心です。

過水を嫌うゴヨウマツは風通しの良さも重要です。風通しの悪い場所におくと空気が停滞し、蒸散作用や呼吸に障害が起こることがあります。風通しの悪さは病害虫発生の原因にもなるので、樹の間隔を空けたり、高台に固定したりして風通しよくしておきましょう。

適した管理場所は、産地や生産地によっても異なりますし、樹齢やサイズ(鉢の大きさ)、前の培養者がどのような管理をしていたかにも大きく影響します。それぞれの樹の性質を理解して置き場所を工夫することが大切です。

ゴヨウマツの灌水

ゴヨウマツは辛めの灌水

乾燥した場所に自生しているゴヨウマツは「空気で育てる」「夜露で育つ」と言われ、松柏類の中でも特に水を辛めにする必要があります。

初心者がゴヨウマツを枯らす1番の原因は水のやり過ぎで、まだ土が湿っている状態で水をかけるとみるみる根が弱り、葉色も悪くなって気付いたときには回復が難しくなってしまいます。

辛めの灌水は肌荒れを早めて古色感を出したり、葉を短く締ったものにするために重要な部分なのですが、間隔がつかめないうちはつい水を多くしてしまいがちです。

辛めの灌水というのは、水やりの頻度を指していて、1回に与える水を少なくするという意味ではありません。灌水する時は鉢穴から水が流れ落ちるまでたっぷり与え、この「灌水→水抜き」を2~3回行うようにしてください。

通常は1日1回程度が目安ですが、土が乾いていなければさらに半日待つ我慢も必要。夏場は特に根を傷めやすいので、多少乾いていても気温が高い日中の灌水は極力控え、気温の下がる朝夕に水やりできるのが理想です。

もちろん、乾き過ぎているようなら時間帯を気にせず水やりしなければどうしようもありませんが、やるなら朝、もしくは夕方と、水やりのタイミングに樹を慣すことも大切です。

夏場や風のある日など乾きやすい季節でも1回か2回、冬は3~4日に1回(ムロ内)を目安に、できるだけ乾かしてから水をやるようにしてください。水やり直後の鉢の重さと、乾いた状態でどのくらい軽くなるかを覚えておくのもいいと思います。

梅雨時期や雨続きの場合は、棚下に避難させておく配慮も必要です。しっかりと乾いている時間を作ることで、根がしっかり張るようになります。

水の管理に慣れない間は、水はけの良い用土を工夫すれば多少水が多くても培養は可能です。

浅鉢は意外と水が停滞して乾きませんので、中深の仕立て鉢にしっかりゴロ土を入れ、小粒~極小粒の硬質赤玉を主体にして、桐生砂を3割くらい混ぜて使うといいでしょう。

用土の配合は地域によって異なり、砂だけで培養するところもあれば赤玉単用であったり、桐生多めであったり、粗めの鹿沼土をたっぷり使うところもありますが、基本は赤玉と桐生砂で十分だと思います。

また、ゴヨウマツは霧深い場所に自生する樹なので、葉水も効果的です。ごく薄めた液肥や活性剤を葉水として与えてもよく、葉色がとてもよくなります。ただしやり過ぎは葉が長くなる原因になるので週に1~2回程度にしておきましょう。

ゴヨウマツの施肥

痩せ作りで管理する人もありますが、充実した枝や葉色の維持には肥料は不可欠です。肥大を目的としている養成段階のものほど、しっかり肥培したほうがよく出来ますから、生長段階に合わせて肥料を加減してください。

肥料の量は、クロマツよりやや控え目に、チッ素主体でリン酸やカリウムのバランスのとれた油かす肥料などの緩効性の肥料を使ってください。

春肥は芽出し前後の4月中旬頃から始めますが、春に肥料を置きすぎると枝葉の徒長や樹勢の乱れの原因になるので、梅雨明け頃まで無肥料にする愛好家もいます。

その分秋肥が重要で、秋の肥大や耐寒性向上、翌年の芽出しに繋げるためにも充分に養分を蓄えさせる必要があります。春肥の2~3割増しくらいを目安に、8月下旬後頃から11月頃までしっかり肥料を効かせてください。

秋はリン酸分も充実した秋肥向きのものを選び、冬越しの力を蓄えさせましょう。

肥料をどのくらい置くかは仕立て段階でも違います。肥大を目的とした養成木は多めに、樹形と樹勢の維持が優先される完成樹では少なめにするなど、目的に応じた肥培を心がけてください。

3. ゴヨウマツの病害虫と対策

ゴヨウマツに発生する病害虫はそんなに多くありません。

時々アブラムシや葉ダニ、コナカイガラムシなどが付くようですが、樹勢がついていて、定期的な消毒と培養環境の整備がきちんとできていれば深刻化することはほとんどありません。

病気には、葉フルイ病やスス病、サビ病などが発生することがありますが、病気を引き起こす元はやはり置き場所や水やりに問題があるケースが多いようです。

特に病気は一度かかると治療が難しく、回復に相当の時間がかかりますから、定期消毒はもちろん、日頃の培養の見直しもしてください。

マツ類の病気に有効な殺菌剤には、銅水和剤(キノンドーなど)やマンゼブ剤(ジマンダイゼン)などの保護雑菌剤があります。

また、休眠期(12月~2月頃)は浸透性の強い石灰硫黄合剤も使えますから、ムロ入れ前と寒中(2月頃)の最低2回は消毒を行い、越冬病害虫をしっかり駆除しておきましょう。

石灰硫黄合剤は一般家庭ではなかなか扱いにくい農薬ですが、葉フルイ病の防除薬としても確かな効果があります。

カイガラムシ駆除なら、マシン油を小筆などで直接塗ってください。直接塗ることでカイガラムシが呼吸できなくなり死滅します。樹全体に噴霧すると薬害(呼吸阻害)が起こることがあるので、マシン油は接触剤として使いましょう。

4. ゴヨウマツの適期作業

ゴヨウマツの作業暦

3月 4月 5月 6月
冬期保護
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
植替え
 
 
芽摘み
 
 
 
 
 
 
針金かけ
 
 
 
 
中芽切り
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
 
接木
 
 
春肥
 
 
 
 
 
 
 
7月 8月 9月 10月
 
 
 
植替え
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
 
 
 
針金かけ
 
 
 
 
 
 
古葉取り①
 
 
 
 
古葉取り②
 
 
 
 
 
 
 
 
秋肥
 
 
 
 
 
 
 
11月 12月 1月 2月
 
 
 
冬期保護
 
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
剪定
針金かけ
 
 
 
 
 
 
 
 
針金かけ
古葉取り②
 
 
 
 
 
 
 

植替え(春、休眠期)

ゴヨウマツの植替えは、春、夏、休眠期と、できる時期が年に数回あり、自生地や生育段階によって適した時期が異なります。

よく言われる植替えの最適期は新芽が動き出す3月中旬~4月上旬頃。

春の植替えは新芽が開いてから行うとそのまま枯れてしまうことがありますから、すでに芽が動いてしまったものは次の適期に回してください。

一昔前は夏の植替えが成績がいいと言われていましたが、近年の温暖化の影響で、夏の植替えに耐えられないケースも多くなっているので、敢えて夏に行う必要はなくなってきています。

また、一部の生産者の間では新葉が固まってくる5月(GW明け~)頃の植替えを勧めるところもあり、太根を切っても枝枯れや枯死もなくいい成績が上がっているようです。

休眠期(11月~2月)の植替えも比較的安全に行えますが、厳しい寒さに当てないように注意が必要です。

ゴヨウマツは根を切られるのを嫌うというのが前提にあります。

根の生長が遅く回復にも数年を要するので、植替えの頻度は養成木で3年に1回、完成樹で4~5年に1回を目安にしてください。

雑木のような根処理をすると必ず失敗しますから、根の状態をよく観察して無理のない植替えをする必要があります。根を切ることばかり考えるのではなく、植え付け角度を変えてみたり、幹として活かせそうな根は根上がりにしてみたりして、「できるだけ残す」ことも検討してみてください。

根量が充分な若木なら1/3~半分ほど整理できますが、走り根ばかりで細根の少ないものは、切らずにおくか、根分かれの部分で切るようにしましょう。

菌根菌の存在も大事ですから、根鉢はあまり崩さないでください。水通りが悪いようなら部分的に崩してもOKですが、古土を落としすぎると作業後の樹勢に悪影響が出やすいです。

植替えは数年に一度しか見られない根の状態を確認するチャンスでもあります。その時に処理すべき根はできるだけ切りますが、無謀な植替えは避けることが枯らさないコツです。

芽摘み(4月中旬~5月)

ゴヨウマツには伸びる力の強いロウソク芽とあまり伸びないコンペイトウ芽の2種類があります。

芽摘みをするのは長く伸びるロウソク芽で、新芽が伸びてトゲ状の葉がまだ開かない4月中旬~5月頃の間に、必要な長さを残して指で折り取るように摘んでください。

新芽は一度に出揃うことはないので、伸びた所から順次摘んでいきますが、芽の勢いは仕立て段階や各枝の勢いによっても異なるので、力を押さえたい芽は短めに、弱い枝は芽摘みを見送るか中芽切りをして、全体の力を平均的にもってくようにしましょう。

上の写真のように、ロウソク芽と一緒に伸びの弱い芽が一箇所から複数出ている場合は、そのままだと枝元がゴツくなってしまうので、真ん中の強い芽は元から掻き取り、弱い芽を2芽ほど残して2叉の枝になるようにするのが基本フォームです。

樹冠部分の枝の場合は、3芽残しで頭を作ってもOKです。

場合によっては真ん中の強い芽を敢えて残して、弱い芽に力が移動しないようにすることもあります。

ゴヨウマツの芽摘み

一箇所からミドリが1本しか出ていない場合は、必要な長さ(1/2~1/3くらい)を残して指で折り取るように芽摘みしてください。

八房性の芽

八房ゴヨウマツの新芽。ほとんどミドリが伸びないまま新葉が固まります

八房性のものはロウソク芽はほぼ発生せず、コンペイトウ芽もほとんど伸びてきませんから、基本的には芽摘みをする必要はありません。

枝葉が込んで来たら古葉取りや切り透かしをする程度で手入れは済んでしまいます。

「瑞祥」や「玉翆」「八紘」など、一部の八房ゴヨウマツは芽切りも可能で、7月頃にマツの芽切りのように新梢を元から摘んで2番芽を吹かせることもできます。

中芽切り(6月~7月)

芽摘みが遅れてしまったものや、樹勢を付けるために芽を伸ばしていたものは、新葉がややほころんできた頃に新芽の軸の途中で芽を切る「中芽(ちゅうめ・なかめ)切り」という方法があります。

適期は初夏頃ですが、芽の伸びは枝によって違いますから、強く伸びてきたものから順に行って大丈夫です。将来葉になるトゲ状の突起を残すように、適当な長さを残してミドリを切除してください。手でも構いませんが、芽切り用の刃付きピンセットがあると残す葉を痛める心配がなくお勧めです。

中芽切りには、枝の間伸びを止め、年内に翌年の芽を準備させる効果が期待できます。摘んだ位置がその年に伸びる枝の長さですから、全体のバランスを見ながら芽摘みを補佐する意味合いで行うようにしましょう。

基本的に伸びの弱いコンペイトウ芽は芽摘みをするほど伸びませんが、後半になるといくらか芽が伸びてきて、そのままでは節が長くなることもあります。また、ミドリがほどんど伸びない八房種でも、放っておくと新梢が間伸びした印象になる場合があるので、間伸びを防ぐ目的で強く伸びてくる新芽だけ部分的に中芽切りする場合もあります。

中芽切りは必須作業ではありません。

数本伸びてくる強い芽の近くに、枝として利用できそうな弱い芽が準備されている場合は、弱い芽の勢いを抑えておく目的で、敢えて強い芽を残しておく(最終的には切る)方法もあります。

五葉松は樹勢がよければ胴吹きもしますから、先を見ながら判断しましょう。

ゴヨウマツの中芽切り

古葉取り(①7月、②9月~11月)

五葉松の古葉取り

今年伸びた新葉を残し、元に付いている前年葉を付け根の付近で全て切り取る

ゴヨウマツは夏を過ぎた頃から古葉(昨年葉や一昨年葉)がところどころ赤茶けて自然に落ちてきます。

何もしなくても自然に葉は落ちるものですが、夏場の風通しや日当たりをよくするためにも、できるだ早いうちに古葉を取って培養条件をよくしてあげる必要があります。

古葉取りは新葉の組織がしっかり固まった頃に行う作業で、ハカマの部分がポロポロと落ちる頃になると作業可能です。なにもしけければ8月頃まで一昨年の葉を付けたままですが、7月頃に行えば土用芽を呼ぶこともできます。

古葉取りのやり方は、前年枝あるいは前々年枝についた古葉を元部分からハサミで切り取ります。慣れた人は指の腹で元から抜き取ることもありますが、力の加減を間違うと樹皮を痛めてしまう危険があるのでハサミを使った方が安全です。

7月に古葉取りができなかったものや、樹勢を付けるために葉を残しておいたものは、秋(9月~11月頃)に行う場合もあり、葉量を少なくして翌年の芽の勢いを抑える効果が期待できます。

剪定(2月下旬~3月、9月~11月)

ゴヨウマツは一箇所から複数の枝がでやすいため、剪定をしないでいると車枝になって枝元がゴツくなってしまいます。

そのため、不要な枝を早めに見極めて各枝が2叉となるように整理することが基本で、全体のバランスや将来の樹形構想を視野にいれた剪定が重要です。

適期は芽出し前の2月下旬~3月と、秋から休眠に入る前の9月~11月頃。この時期以外にも剪定は可能ですが、本格的な剪定は適期に行ったほうが負担が少なく、回復も早くなります。

ただし、太りを優先する養成木と、維持が重要になる完成木では剪定の目的や種類が異なるので、必要に応じた剪定ができるように仕立て段階別のポイントを抑えておきましょう。

養成木の剪定

幹枝の太りを優先させるような苗木の場合は、剪定する枝は最小限にとどめてできるだけ樹勢を付けさせる必要があります。ただし車枝やカエル枝のように放置しておくと幹が変に太ってしまうような忌み枝は、優先的に整理しておいてください。

ある程度目的の太さまで達したものは、いよいよ樹形作りのための剪定に入ります。

根張りや幹模様、枝の付き方などをよく観察して、将来の樹形やそのために残すべき役枝をあらかた決め、不要な枝を段階的に整理していきましょう。

ゴヨウマツの種木は流通も多く、樹の数だけ個性があります。種木の段階ではかなりの枝が付いているはずですが、ひと目で必要な枝と必要でない枝を見分けて枝を落としていくのは難しく、また樹への負担も大きくなります。

最初の年は残しておいても都合の悪い忌み枝(車枝やカエル枝、カンヌキ枝など)を処理するくらいにしておいて、2年目、3年目と段階的に不要な枝を剪定していくと太りを得つつ、樹形作りも進めることができます。

また、将来的には不要であっても、枝を太らせるためには必要であったり、代わりになる枝ができるまでは残しておくべき枝もあります。

忌み枝だからといって無闇に切ると、枝が寂しくなってあとのリカバリーが効かなくなることも考えられますから、針金で矯正の効きそうなものはできるだけ残しておきましょう。

完成木の剪定

完成に近いものは枝の整理もほとんど終わっているはずなので、あとは細かい枝の追い込み剪定や切り戻し剪定などでバランスの悪い部分を直していきましょう。

ゴヨウマツは成長が遅いので、いちど基本の樹形をつくってしまえば、芽摘みや切り戻し剪定くらいで形が維持できてしまいます。

逆に、老木に強い剪定をすると樹勢と落としたり、芽づまり(葉が弱く芽は動かない枝)を起こしたりして立て直すのに苦労することになります。

太枝を切る場合は元から切らずに敢えて長めに残してジンにしても良いでしょう。

針金かけ(2月下旬~3月、9月~11月)

ゴヨウマツは枝が柔らかく、曲げられることによく耐えるので、思い切った針金整枝に挑戦できます。

風が強く足場が不安定な高山の岩場などでは、複雑な曲がりや迫力のある根上がり、厳しい懸崖など様々な樹形が見られるので、樹の個性をよく見て基本の幹模様を付けることから始めてください。

成長も遅いので一度幹模様が決まれば形も崩れにくく、あとは小枝の整枝くらいで形が維持できてしまいます。

針金かけの適期は芽出し前か秋~休眠前で、剪定と合わせて行うと作業も捗ります。小枝の軽い矯正くらいならいつでも可能ですが厳寒期に行うと負担がかかりますから、適期中に行うようにしましょう。

針金は幹太りの早い養成木でも2~3年はかけておかないとなかなかクセがつきません。食い込みが気になるようなら一度外し、クセが付いていなければ掛け直してください。幹が固まれば小枝や中枝を中心に整枝をして仕上げていきます。

針金かけは樹にとってかなりの負担になります。強い針金かけと植替えを同時に行うと、樹が弱って枯れることもあるので絶対にしないでください。植替え後は回復にかなりの時間がかかるので、幹曲げなど強い整枝をしたものは1~2年養生して、元気になってから植替えをするようにしましょう。

5. 関連ページ

ゴヨウマツ(五葉松)の魅力

ゴヨウマツは「御用を待つ」という語呂から、仕事が舞い込む縁起物として祝いの席などに飾られました。柔らかい幹や枝は針金整枝にもよく耐えるので、様々な樹形に作ること……