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金豆(キンズ)の育て方

投稿日:2018/03/19 更新日:2020/04/27

金豆はミカン科キンカン属の常緑低木。雌雄同株、両性花。

実が小さく園芸品種としては「豆キンカン」とも呼ばれ、庭木にも利用されています。

金豆やブッシュカン、柚須など柑橘類の多くは暖地性の植物で、寒さに弱く、他の実物樹種に比べて芽が動き始めるのが遅い樹種。

温かい時期からは本格的な整枝が可能で、芽吹きもいいのでポイントを知れば作りやすい樹種です。

金豆の培養の基本

金豆の管理場所

日照に強い樹ですから、日当たりと風通しのよい場所で育てます。

春から秋まではよく日の当たる風通しのいい場所で管理してください。

暖地性の植物なので寒さには弱いといわれますが、霜や乾風に当てなければ軒下管理でも越冬できます。

ただし冬期保護が遅くなると芽出しが遅れる原因になるので注意。小さいものは早めに発砲ケースにいれるなどの対策が必要です。

金豆の灌水

金豆は水をとても好み、少しの水切れで樹勢を落とすことがあります。

盆栽では「水は乾いたらやる」が基本ですが、金豆の場合は多少まだ水気がある段階で水やりするくらいがいいのです。

ただし水はけのいい用土での培養が前提で、雨水に長く当たると根腐れしやすい傾向があるので、梅雨時は棚下に避難させるなどの対処が必要です。

春の新芽が展開し出す頃からは1日1~2回で、夏は1日3~4回、冬は1日1回を目安にしてください。

金豆の施肥

金豆は肥料を好む性格で、葉刈りや芽摘みなど小枝を作る段階のものには特にしっかり効かせることが大事です。肥料が少なかったり水切れしたりすると葉が黄変して樹勢が落ちてしまいます。

梅雨時期を除く5月から10月の間は継続的に施肥してください。開花~結実中に施肥を続けても問題ありません。

油かす肥料が基本ですが、リン酸分やカリウムの配合の多いものも補助的に使ってください。

金豆の増やし方

金豆の実生

春に蒔いた種は、根上がりにする方法や、翌年の春まで網伏せしておくと自然な模様が付く

発根がいいので挿木や取木、根伏せなどで簡単に増やすことができます。

一から実生で作るのもよく、網戸ネットなどを使った網伏せで曲を付ける方法や、深めの容器に粗い砕石や砂利を入れて根に模様をつけ、根上がりに仕立てることができます。

実生の場合は実がなるまで6~8年ほどかかりますが、幹模様の多様な素材が沢山できるので挑戦してみてください。

実を採取したら果肉をよく洗い落とし、取り蒔きしましょう。3月頃に蒔けば6月頃には芽を出します。

金豆の病害虫対策

梅雨前後の高温多湿時には黒星病や赤星病、炭疽病、スス病、かいよう病などの菌やウィルス性の病気にかかりやすくなります。

特に金豆は雨上がりに調子を崩しやすく、「金豆は雨に当ててはいけない」と言われていて、長雨時は棚下に避難させるのが定石となっています。

カビ菌やウィルス病は一度かかると治療が厄介ですから、予防が重要。直接水がかからない場所に避難させるのはもちろん、トップジンMやダコニール、ベンレートなどの殺菌剤を事前に定期散布してください。

また、害虫には柑橘類の葉を好むアゲハ蝶の幼虫や、エカキムシ(ハモグリガの幼虫)などが発生するので、補殺するか浸透性の殺虫剤を定期的に散布し防除しておきましょう。

金豆の適期作業

金豆の作業暦

3月 4月 5月 6月
 
冬期保護
 
 
 
ムロ出し
 
植替え
 
 
 
 
花芽分化
 
 
 
葉刈り
 
芽摘み・芽おさえ
 
 
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
 
 
 
針金かけ 
 
 
 
 
施肥
 
 
 
 
7月 8月 9月 10月
開花・自然交配
 
 
 
 
 
 
 
 
芽摘み・芽おさえ
 
 
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
針金かけ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
施肥
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
11月 12月 1月 2月
冬期保護
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 軽剪定
 
 
 
 
 
 
 
 

芽出し前の葉刈り(4月中旬~5月上旬)

金豆の芽出し前の葉刈り

金豆は寒さを嫌う性格で、活動を始めるのも5月頃から。

遅いものでは6月になってやっと芽動きが始まることもありますが、芽出しがあまり遅くなると後の生育に影響がでることもあるので、4月から5月上旬頃に葉刈りをして新芽の活動を促してください。

金豆の葉柄は短いので、葉刈りは葉柄ギリギリの所で鋏で一枚ずつ切り取りっておきましょう。

植替え(5月~6月)

外気温が暖かくなる5月に入ってからの植え替えが安全です。

走り根や太根を切る場合は、切り口にトップジンを塗って消毒しておいてください。

本来移植を好まない樹種なので、適期を守り、一様に切らずに出来るだけ分岐のところで切り詰めるようにしてください。

芽摘み、芽押さえ(5月中旬~9月中旬)

金豆の枝は樹冠部ほど勢いが強く、直線的に伸びてくるので、強い枝ばかり伸びる場合は先端だけ摘んで抑制し、芽押さえをして他の枝にも力が回るようにしてください。

小枝を増やしたい場合は、まず樹冠から飛び出す新梢が5~7cm程伸びた時点で2節で摘みます。

勢いのあるものは成長期に2~3回の芽摘みが可能で、小枝を増やすと同時にフトコロ芽を動かす効果が期待できます。

枝として伸ばしたい場合は芽おさえだけして、太さを得てから2~3節の所まで切り戻し剪定をしてください。

維持が目的の完成樹の場合はやや早めの段階で芽摘みを。輪郭線から出た芽を元から摘んで抑制をかけつつ、樹形を維持しましょう。

剪定(5月下旬~9月)

本剪定は生育期に。休眠期は観賞前の軽い剪定整枝なら可能

金豆は成長期に思い切った剪定整枝が可能で、太枝の剪定や古枝の針金矯正などは温かい時期なら肉巻きよく、回復も早まります。

金豆の芽当たりは葉やトゲの元にあり、芽当たりがあればどこでも追い込むことが可能。よく肥培し樹勢の乗ったものは、葉刈りを伴わせた剪定をするとより効率的で、2番芽の促進にも繋がります。

ただし、いくら肥培したものでも葉刈りや剪定を繰り返すと枝が秋までに伸びきらず小枝が弱ってしまうので、葉刈りを伴う剪定は8月一杯でで終わらせておいた方が安心です。

基本的に金豆の剪定整枝は温かい時期に行いますが、観賞に備えての軽い整枝なら休眠期でも可能です。

ただししっかり保護していることが前提で、無理な矯正や強い切り込みができませんから注意してください。

針金かけ(6月~9月)

若木のうちに基本の樹形作りを。枝の矯正は生育期にしっかりと

金豆は枝が古くなると針金での矯正が難しくなるので、若木の段階で基本の幹模様を作っておく必要があります。新梢がまだ柔らかいうちに芽摘みや芽おさえで幹枝の骨格を作り、小枝作りに移りましょう。

特に主幹となる部分の模様付けが大事なので、温かい時期にしっかり針金をかけておくことがポイント。

実生苗の場合は早めに強めの曲を付けて数年枝を伸ばして幹を太らせ、取木をすると腰の低い樹形に仕立てることができます。

金豆は生長期の間は枝が伸びるので少し長めに針金を切っておき、余分な部分を残しておけば、伸びた部分を延長して巻けるので作業がしやすいです。

新梢は特に太りが早く、かけた針金もすぐに食い込んでしまうので傷が深くなる前に外し、必要であれば掛け直してください。

開花と受粉(8月~9月)

金豆の結実したばかりの実

養成木や半完成木はまだ実が小さいうちにピンセット等で摘み、樹形作りのための力を維持

両性花なので花の数だけ結実します。

開花中は特に水切れのないように、また花に直接水をかけないように注意してください。

実持ちがよく冬の間から3月までしっかりした実を付けますが、樹勢が落ちるので観賞が終わったら早めに摘果してあげてください。

養成木や半完成木は、結実しても早めに摘み取り、枝作りのための力を付けるようにすること。完成木でも、実を付けるのは一年毎にしたほうが樹勢を維持できます。

種は取り出して果肉を綺麗に洗い落とし、春に蒔けばほぼ発芽します。

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金豆(キンズ)の魅力

金柑(キンカン)の矮性種で、別名を豆金柑(マメキンカン)、姫金柑といいます。中国南東部や香港、台湾の暖かい地域が原産で、初夏に咲く白い小花は目立ちませんが、秋か……

コメント

一禿武爺 さん 2016年12月17日18時13分
管理場所
寒さにはとても弱く保護が必要と色々な文献に書いてあります。
数年前に実生から育てた苗が15~20cmまでに成長し、小鉢管理しています。
文献どおりか半信半疑でこの季節、試験的に4年前から5鉢と寄せ植え(24本)1鉢を棚上管理、6鉢軒下管理、安全対策に9鉢を室内管理中です。
管理場所の条件は、日中0~8℃、夜間は外と軒下では0~-5℃(時に-8℃)の条件下、室内も留守中の夜間は2℃前後の環境下にあります。
この時期、霜は毎朝、散水用水桶は既に氷が張り、マイナス気温に突入し間もなく雪の季節を迎えます。
例年、棚上は積雪で0℃?維持の結果か、軒下は寒風の中でもびくともせずに何れの樹も衰えを知らずに元気です。
他の樹種(南方系)は外管理の樹は越冬することなく、1鉢、1鉢と凍死している状態です。
-5℃程度迄の温度であれば吾樹は大丈夫なようです。参考迄に!!!
きみ さん 2016年12月17日19時45分
一禿武爺さん
いつも貴重なデータ、ありがとうございます!
キンズ-5度でも大丈夫とのこと、やはり寒さより空っ風が大敵ということでしょうか
他の樹種でも気になりますが、我が家は試せるほど持っていないのでコツコツデータを集めていきたいと思います。
鈴木忠 さん 2018年02月13日09時15分
2012年に実生のキンズがいまだ花を見ません。なぜでしょうか?教えてください。
冬は一鉢は室内、もう一つは外の棚上に置いています。
きみ さん 2018年02月13日10時52分
鈴木忠さん
実生5~6年ってところでしょうか、個体差の問題もあるでしょうけど、そろそろ花芽つけても良い頃ですね
管理や剪定時期に問題がなければ時間の問題かもしれないです
わたしもキンズは数鉢しか持っていなくて、研究不足なのでなぜかははっきりわかりません。
夢一心 さん 2019年04月18日15時55分
三浦裕貴さんの動画を見て取り木をやってみようと思います。きんずの取り木はいつよるのですか。
梔子の取り木は6月初めにやったことがあります。10月に外しました。よろしく。
きみ さん 2019年04月19日07時49分
夢一心 さんへ
早いものは2月から出来ますがキンズは暖地性の植物ですので6月でいいかと思います。
川﨑 勝久 さん 2020年04月26日11時24分
現在、葉が青くなく黄色ぽくなつてます。水は十分やつているつもりです。
きみ さん 2020年04月26日20時54分
川﨑 勝久 さんへ
今はキンズはそんなものです。
冬期保護が遅かったり水切れがあると6月頃までグズグズします
葉刈りしてください
とっしー さん 2020年05月09日23時06分
すみません。金豆の事で教えて下さい。
今金豆を育てているのですが、水やりのタイミングが少し遅かったみたいで、葉がちりちりに丸まり、その後葉が落ちて枝が茶色になってきたので何本か切ったのですが、日に日に色んな枝が茶色になってきています。置き肥もし、水もあげたのですが、茶色になった枝は切った方が良いのでしょうか?切った所から、更に茶色になっていきます。

どうしたら良いのか本当に困っています。何か良い知恵をお教え下さいませ。何卒宜しくお願いいたします。
きみ さん 2020年05月10日10時25分
とっしー さんへ
水やりを失敗したということなので原因はやっぱりそれだと思いますけど、枝芯まで枯れる段階まできていたらどうしようもないなっていう感じですね...
キンズはまだこれから生育期に入るので、温かくなるにつれて新しく芽を吹くことはあると思います。
切り口からヤケがはいるので、傷口には癒合剤を塗ること、それと弱っている木に肥料あげたらいけません。葉がない状態で水やり過ぎるのもよくありません。水は好きですけど、今は乾いたらやるくらいに思ってください。
弱った木はスノコ等(水切り)を敷いた衣装ケースなどで管理すると湿度と温度が保たれていいです(蓋を閉めると熱くなりすぎるので日陰におくこと)。
とっしー さん 2020年05月10日22時11分
きみさん、返信ありがとうございます。

癒合剤は、どんなのが良いですか?すみません、癒合剤を使った事がありません。

置き肥は外した方が良いですか?

水はやり過ぎないように気を付けます。
何度もコメントをしてしまい、本当にすみません。何卒宜しくお願いいたします。
きみ さん 2020年05月11日10時00分
とっしーさんへ


癒合剤はいろいろあるのですが、殺菌効果もあるのでこれを持っていると便利だと思います。
https://amzn.to/2WJqfhB

肥料はもうおそいかもしれないですけど外してください。
酷いと手遅れなのですが、根が生きていれば吹くかもしれないでのもうすこし様子みてください。
ようじ さん 2020年05月22日11時17分
キミさん

いつも拝読し勉強させてもらってます。
ありがとうございます。

キンズで教えてください。
子供から3月頃にキンズをもらったのですが、もらったときに実ができていて今だに実がついています。

早く実を取ってあげた方が良いと思うのですがいかがでしょうか?

また、取った実をどのように保管すれば良いでしょうか?

それと、今後の手入れ方法をお教えいただけますでしょうか?

以上よろしくお願いいたします。
きみ さん 2020年05月22日13時42分
ようじ さんへ
こんにちは。実はすぐ摘果してあげてください。
ホントは年明けくらいを限界に取ります弱ってしまうので。肥料もあげてないならだいぶ体力消耗してるので、そろそろ油かす肥料とかあげてください。

保管というのは実生するための保管でしょうか。
実生なら今まだ出来るので果肉を取り出して蒔いてください(実の中は果肉もないくらい、ただ種が入っているだけなのですが)。
基本的な管理はこのページに書いているので、具体的に分からないことがあればまたメールをください。
これを盆栽にするにはまず針金掛けくらいはしないと枝真っ直ぐはちょっとつまらないかもしれないですね。
ようじ さん 2020年05月24日00時56分
キミさん

早速のアドバイスありがとうございます。
直ぐに実を摘果します。

実生の種蒔きは今でも大丈夫とのことですので撒いてみますね。

施肥と針金かけ頑張ります。

また分からないことがあればコメントよろしくお願いいたします。
とっしー さん 2020年05月24日21時15分
きみさん、返信本当にありがとうございました。

あれから直ぐに肥料を取り、茶色くなった枝のみ切りました。緑色の枝は2本しかありませんが、それで様子を見ています。

枯れの進行は抑えられたような感じです。緑の枝から、少しずつ芽吹いているような感じがします。本当にありがとうございました。

また何かありましたら、コメントいたしますので、アドバイス頂けますと有難いです。何卒宜しくお願いいたします。
とっしー さん 2020年09月09日23時47分
キミさん、以前相談させて頂いた者です。再びお礼を言いに来ました。

有難い事に金豆は復活し、蕾をつけ花を咲かせてくれました。未だ新芽も伸びてきています。

キミさんのおかげです。嬉しくて嬉しくて…。本当に本当に有難うございました。
きみ さん 2020年09月10日10時14分
とっしー さんへ
復活してよかったですね(私はなんにもしてないですが!)
芽出しは冬の保護が遅くなったりすると結構おくれるので、今元気に伸びているなら大丈夫だと思いますが、もし去年も実を付けさせたものなら今年は休ませたほうがいいかもしれません
肥料好きなのでそろそろ秋肥あげてください

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。

現在、盆栽世界にて「キミのMonthlyお手入れ講座」連載中です。

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