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真柏(シンパク)の剪定

更新日:2019/08/23

真柏の剪定

真柏は強い針金整枝にもよく耐え、胴吹きもするので変化に富んだいろいろな樹形に仕立てることができます。

黒松や五葉松などど並んで一般的に培養され、愛好家の間で不動の人気を誇る真柏は手入れの方法がよく研究されています。

ここでは剪定の基本から若木と完成樹の剪定、葉すかしなどの方法を紹介します。

1. 不要枝の剪定(2月~3月、秋)

真柏の樹形を作る剪定でまず大事なことは要らない枝を整理することです。

優良な種木には沢山の枝がついていますが、最初に思い切った剪定をしないとその後の樹形作りに支障がでます。

樹形の出来上がった樹でも、芽摘みだけ繰り返しているだけでは次第に団子状に固まってしまうので、2~3年に1度は混み過ぎた枝や不要な枝を整理してください。

剪定の適期は樹液の移動が緩やかになる2月~3月頃と11月~12月頃。軽い剪定なら時期は問いません。

大体の役枝を残し、下向き枝や上向き枝、枝分れ近くの枝など不要と判断できるものから剪定して全体をコンパクトにまとめてください。残しておいた枝も、改めて見直すとやはり不要であったり、あるいは敢えて残してジンにできるものもあります。

真柏の整枝

芽摘みだけ繰り返していると左のように枝先がこんもりと団子状になってくるので
2~3年に1度は不要枝の剪定と葉すかしをする

予備枝を残す考えも正解ですが、いつまでも残しておいても枝筋がはっきりせず、他の枝が充実しないので、是非適期のうちに思い切った剪定をしてください。

剪定後に乱れた枝は針金で整枝し、長めに残した不要枝はジンにしておきましょう。

不要な枝を無くすことで幹筋がはっきり見え、その後の整枝の構想が練りやすくなります。

ただ、あまり強い剪定をすると杉葉がでてしまうので、樹形が定まらないうちは段階的に切るのも手です。杉葉を出さないためには、剪定と強い針金かけ、植え替えなど樹の負担になることを一緒にやらないことです。

真柏の若木の剪定

真柏の素材

真柏は比較的成長が遅いので、素材を選ぶ際はある程度枝数があり、1~2作で基本樹形が出来上がるようなものが理想です。

幹が必要な太さまで太っていて、幹模様や枝配りに面白みがあり、芽摘みまでされている段階であればいうことはありません。

真柏は松柏類の中でも直立性の強い樹種で、若木のうちは枝を走らせて幹を太らせているため、根元近くから伸びた枝が間延びしているものが多く見られます。

このような若木ではまず基本となる樹形を決め、不要枝の剪定から始めてください。

きつい針金掛けも可能な樹種なので、ある程度は自由な樹形にすることができますが、針金に頼り過ぎるとどうしても自分の好みに偏った樹形ばかりになりがちです。

元の種木の姿をよく観察し、その姿を活かした樹形作りを心がけることで多様な樹形が構想できるようになります。

真柏の完成樹の剪定

真柏は成長が遅く、完成樹や老樹になればさらに枝の伸びも落ち着いてくるので、樹形は乱れにくくなります。

しかし完成樹でも真柏の芽は春から秋まで伸びてくるので、その間の芽摘みは欠かせない作業です。

そして芽摘みを繰り返していると次第に枝が混み合い、各枝が団子状になってしまうので、完成樹でも2~3年に1度は枝すかしをする必要があります。

数年の培養で、次第に伸びすぎた枝は手前の小枝の部分で切り戻し、全体を扇状にまとめます。

間延びした枝は手前に胴吹き芽があればそこで切り詰めて作り直すことができます。

2. 葉すかし

真柏の葉すかし

剪定の後に欠かせない作業に葉すかしがあります。

真柏の葉の出方をよく観察すると、枝から水平に展開する葉の他に、上向きに伸びる葉や下向きに伸びる葉などいろいろな方向に付いているのがわかります。

また日照条件の違いで枝の充実度に差があり、頂芽に見られるような葉がよく分岐した枝や、懐部分によくある1本だけ長く伸びる弱い葉、分岐しても数本だけのものなどがあります。

葉すかしは、この中から不要な枝や葉を丁寧に切り取る作業で、整枝とセットで行います。

葉すかしにより葉数が極端に減りかなりさみしい姿になるかもしれませんが、各枝の風通しと採光条件がよくなってフトコロの芽が動き出します。

葉すかしの効果

真柏の胴吹き芽

真柏の枝の元についたフトコロ芽

剪定や葉すかしは、枝葉の数を減らすことで新しい芽を呼ぶ効果があります。

間延びした枝の元に芽がでた時は、その芽を活かしてさらにコンパクトに作り直してください。

ただし欲しい場所に芽がでたからといって、すぐに太枝を切り落としてしまうと吸い上げが途切れて枯れてしまうことも。

時間をかけて徐々に処理したい枝を切り詰めて樹勢を抑え、芽が育ってから太枝を切り離すのが鉄則です。

葉すかしの手順

下向き枝、上向き枝、長すぎる枝の整理

真柏の枝棚

盆栽には「枝棚(えだたな)」という枝作りの特徴があり、各枝がそれぞれ小さなブロックのように分れています。

枝棚は、枝が水平に分岐しながら扇状にこんもりと広がる姿を現していて、各枝はまとまりながら全体に調和がなければいけません。

枝棚作り(枝割り)の上でのポイントは、まず枝を横から見て、下向きに伸びている枝(葉)は最初に取ってしまいます。

下向き枝を取らないでいると、各枝が丸く厚い団子状になって枝が水平に広がらず、美点の一つとなる枝棚がハッキリ見えてきません。

上向き枝も基本的には取ってしまいますが、芽摘みで伸びを抑えたり、周囲に枝がない場合は針金で向きを修正して利用することが出来ます。

芽摘みをせず長くなりすぎた枝は、不要なら元から切るか短く切り詰めておいてください。

下向き枝と上向き枝

小枝の整理

次に、各枝を1つ1つ確認しながら、枝先が二叉二叉に分岐するように流れを見ながら余計な葉を透かします。

枝筋をハッキリさせるように意識しながら、枝分れ近くから伸びている葉を元から摘み取ってください。紐葉の状態なら、鋏を使わず指やピンセットで簡単に取ることができます。

真柏の葉すかし

枝筋が見えるよう、一枝一枝丁寧に葉すかしをする

懐部分でよく見る、間延びしたヒョロヒョロの枝や分岐のない伸びた葉は、将来枝にはなれないので基本的には元から取ってしまいます。

近くに枝がなく、将来枝として使いたい場合は短く切り詰めて残しておいてください。

これを全体に行うと、透かした葉の間から枝筋や幹模様が見えるようになりかなりさっぱりとした全体像が見えて来るはずです。

3. その他の手入れ

古葉取り(8~9月)

真柏の古葉

真柏の古葉(黄色の葉)

各枝が充実してくると、懐部分の風通しや光が当たらなくなり、小枝の基部分についている葉の色が黄色く枯れていきます。

この黄変した葉は塒(とや)と言われ、たいていは新陳代謝に依るものなので心配はいりません。

このような古葉は簡単に落ちるので、そのままにせず気がついたら取るようにしてください。元から丁寧に取ることで風通しや採光もよくなり、全体がすっきりして幹筋もよく見えるようになります。

実施時期は8月~9月頃ですが、時期に限らず古葉がでたら定期的に掃除してください。

杉葉の対応

真柏の杉葉

残った杉葉(左)と、先端が紐葉に戻りつつある葉(右)

真柏は強い剪定や整枝、同時期の植え替えなどにより枝が若返り、先の尖った杉葉(すぎは)が生じることがあります。

性にもよりますが、春あまり早い時期に肥料を与えると枝に力が付いて杉葉になることもあるので、6月頃から施肥を開始するという愛培家もいます。

杉葉の出ている間は整枝や植え替えなどの負担になるような手入れは中止し、施肥も止めて、日当たり良く水切れのないように管理しておけば数年のうちに自然に元に戻ります。

ただし、杉葉自体が紐葉に戻るわけではなく、枝先の成長点が紐葉になっていくのである程度の間延びは避けられません。

剪定や芽摘みも基本的にはしない方がいいのですが、間延びを出来るだけ抑えるためにも枝先を軽く芽摘みして伸びを止めておきましょう。

杉葉の出た箇所はそのまま固まってトゲトゲが残るので、茶色くなったら鋏でトゲを切り取っておいてください。

コメント

桜 未来 さん 2016年07月16日09時18分
?盆栽大好き?? 32歳 女性 シンパクの苗木がなかなかてに入りません!
代わりに、カイズカイブキではシンパクの盆栽のようにカイズカイブキでは作れないでしょか??
きみ さん 2016年07月16日10時16分
桜 未来さん
コメントありがとうございます。携帯の絵文字は反映されないみたい。
イブキもシンパクの仲間ですから同じように盆栽にできると思いますよ。
いたるところに植えられているので、わたしもやってみようかな~と思ってました。
ただアレって剪定でスギ葉が出やすいですよね。葉もあまり小葉でない
でも挿木や取木簡単なのでいい教材になりそうです。
シンパクは素材でも割と高いですよね、昔はもっと高かったそうですが
手入れするとすぐよくなったりするので、人気なんですよね
中村知愛 さん 2019年11月08日17時56分
現在82歳です。92歳まで生きることにして真柏盆栽を始めます。
気長に取り組もうと思って苗作りからはしめ、目下育て方や管理の仕方を勉強中です。
盆栽びよりは、大変分かりやすく、助かります。
きみ さん 2019年11月08日20時19分
中村知愛さんへ
恐れ多くも、励みになるコメントありがとうございました。
これからも日々努力しますので、末永くよろしくお願いします。

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

動植物好きの猫飼いです。歴代猫は『アロ』『アズロ』。現在は雄のアビシニアンと一緒です。

ほとんど籠って盆栽いじってますが、盆栽教室やミニ盆栽屋「てのひら盆栽しんとう」も定期的に企画、出店しています。

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