トショウ(杜松)はヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉樹。
日本や朝鮮の丘陵地や海岸の砂地、雑木林や高山などに分布がありましたが、戦後からの人気上昇に伴ってほとんど取り尽くされ、最近では山取り素材は枯渇状態になっています。
トショウには立ち性の他に、横臥性や這い性のものがあり、葉性にもそれぞれに個体差が見られますが、いずれも尖った針型の葉形をしています。山トショウといわれるネズ(ネズミサシ)は葉が硬く、先端が鋭く尖っていて触ると痛いですが、這い性のハイネズや八房種はあまり痛くないので手入れがしやすく人気の品種です。
挿木繁殖が簡単で、仕立ての段階からのしつけ次第で様々な樹形に作ることができ、シャリやジンを抱えた姿も見どころの1つ。
痩せ地にも自生していた樹種ですが、盆栽として仕立てる場合は肥培管理が必須で、成長期は水と肥料をしっかり与えて力を付け、フトコロ芽を活かしてコンパクトに作るようにします。
C o n t e n t s
- トショウの培養の基本(管理場所、灌水、施肥)
- トショウの増やし方
- トショウの適期作業
- トショウの病害虫と対策
- 関連ページ
杜松の管理場所
年間を通じて日当たりと風通しのよい場所で育てます。
水さえ切らさなければ強い日差しも平気です。
冬の乾燥や寒さには弱いので、早めにムロ入れの準備を始めてください。
特にジンやシャリを入れたもので水吸いの細いものなどはしっかり保護が必要です。
杜松の灌水
水を好むので多めに与えます。
春は1日1~2回、夏は2~3回、秋は1日1~2回、冬は2日に1回が目安。
特に冬の間は乾燥に注意してください。
杜松の施肥
樹勢を維持するためにしっかり施肥することが大事です。
梅雨と夏場を除いた4月~10月の間に油かすなどの固形肥料を多めに与えて下さい。
病気・害虫
樹勢が弱っているものはハダニや、幹にテッポウムシが付くことがあります。
新芽の頃には定期的に殺虫剤を散布し、幹は歯ブラシなどでいつも綺麗な状態にしておくのが理想です。
杜松の作り方
芽摘み・古葉取り(5月~9月)
杜松の芽は成長期の間伸びてくるので、伸びるたびに細かく摘むやり方もありますが、一度伸ばしてから芽摘みを行う方が力がつき元から芽がよく吹いてきます。
5月下旬~6月頃になって伸びてきた新芽は、輪郭線に沿って切り戻します。
枝によっては1本からいくつも芽が伸びてきているので、強く出ている芽から摘んでください。
また枝が込みやすく内部が蒸れやすい杜松は古葉取りも大切な作業。
前年枝から生えている葉を取ることで枝元に新しい芽が作られるので芽摘みと同時に行ってください。

杜松は芽吹きが旺盛で、葉も込みやすいので樹形の維持には小まめな芽摘みが欠かせない樹種です。 枝先だけでなく摘んだ箇所や古枝からも芽を...
剪定(5月~9月)
杜松は芽吹きや胴吹きが旺盛で、枝の込みやすい樹種なので剪定が欠かせません。
毎年芽摘みを繰り返していると、年々枝が茂り、内部の環境(風通しや採光、蒸れ)が悪くなります。
小枝を透かさないと影になった下枝が枯れ込み、フトコロ芽も弱ってしまうので芽摘と剪定は平行して行ってください。
適期は5月~9月の間。寒さに弱いので、剪定は芽が活動している間に限ります。
秋以降の剪定は傷口から虫や病気が入って枝枯れの原因になるので避けてください。
太枝や頂部の枝は剪定するばかりでなく、削ってジンやシャリにすれば趣が増します。

杜松は芽吹きや胴吹きのいい樹種なので、樹形作りのための剪定や芽摘みは欠かせない作業の1つです。 杜松の剪定は暖かい時期に行うのがよ...
針金かけ(5月~9月)
杜松は枝が古くなると固くなって整形しにくくなるので、若い枝は早めにクセを付けておく必要があります。
芽摘みや剪定同様に、針金かけも成長期の間に行うのが基本。
小枝や不要枝を透かし、古葉を取った後なら全体の枝振りが見えやすくなるので作業がしやすいです。
植替え(5月~6月)
寒さに弱い杜松は植え替えも外気温が上がってから行ってください。
時期は5月~6月くらい。一時成長が弱まる真夏は避けましょう。
9月にも作業は可能ですが、冬越しに注意が必要になるのでお勧めしません。
作業間隔は通常若木で2~3年に1回ですが、小品になるほど根詰まりしますので鉢底穴を確認し根鉢の様子をみて植え替えしてください。
ただし杜松は植え替え後に調子を崩し、そのまま枯れることもあるので注意が必要。一部では突然枯死もよくあると言われる杜松ですが、その原因の多くは無理な根処理が影響している可能性が高いです。
根の強剪定はその後の生育に影響するので、根鉢の外側を整理し古土を更新する程度にしておいた方がよいでしょう。
また植え替え後はよく乾きますから、数日日陰で養生し、水切れには充分注意してください。
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