
キミの盆栽びより > 盆栽がほしい
更新日:2019/07/23
盆栽は盆栽園で気に入ったものを買ったり苗木業者から通販で買ったりできます。
愛好会に入っていれば盆栽仲間から譲ってもらうこともあるかもしれませんし、展示会の即売で思いがけない掘り出し物に出会うこともあるかもしれません。
盆栽選びは個人の好みも大事ですが、盆栽として見所のある素材を見極める力が試されます。
最初のうちはどれを選ぶべきか悩みますが、決め手を知れば失敗も少なくなると思います。
このページの目次
盆栽の楽しさは培養と樹作りにあるのではないかと私は思います。
コレクション的な楽しみ方もありますが、樹形の出来上がってしまっている樹はその姿を維持することが主な作業。
完成樹はお手本として気に入ったものを数鉢持っておくくらいにしておいて、「苗木」をメインに探してください。
比較的値段の高い完成樹に比べて、苗木は値段も数百円からと手頃。
縁のあった苗木たちですから、これから始まる貴方の盆栽道の先生であり相棒だと思って愛情をもって引き受け、早く素材の域を脱するように手入れしてください。
一番大事なことは「枯らさないこと」ですが、失敗してもそれが努力の結果なら悲しむことはありません。そこから学び、次に繋げることが大切です。
よい素材(苗木)を見つけることはよい盆栽を作る上で一番重要なところかもしれません。
技術とセンスをもつ経験者でない限り、見込みのない樹を銘木にしようとしても徒労に終わってしまいますから、盆栽を買う時のポイントを押さえておきましょう。
ミニ盆栽のモミジは小さく葉形の整った品種が人気(写真は舞姫)
太り難い縮緬葛は、多少上部が暴れていても太幹の素材があれば取木の好素材に
盆栽苗木の作られ方は何種類かあって、見ただけでもどういう作られ方をしたものなのかを知ることができます。
それぞれに長所や特徴があり、今後の作り方にも関係することなのでどういう違いがあるかを理解しておいてください。
苔玉にしてある実生の山モミジ
真柏の苗は全て挿木繁殖
一才桜の接木苗。台木と枝の接木部分には傷があるので処理をする
取木はすぐに太幹の完成に違い素材が出来る
盆栽や苗木は通販でも買えますが、実際に見て買った方が間違いありません。
全国各地の盆栽園や園芸店には道具や各種薬剤類も売っていて、育て方や手入れの仕方を直接聞くことができるので安心です。
盆栽園は園主が不在の場合があったり一般客を積極的に受入れていない園もあるので、事前にHPや電話等で確認して出かけましょう。
ホームセンターの盆栽コーナー
また近年の盆栽ブームもあって、盆栽は街中でも手に入れる機会が増えています。
ショップには雑貨と並んでインテリア感覚の豆盆栽や苔玉が並んでいたり、ホームセンターにも盆栽コーナーが設けてあるところがあって、雑木や松、花物素材、山野草など意外に品揃え豊富です。
ただし曲付けされているもののほとんどは、曲げが甘かったり単調な螺旋状のものであったりしてやり直しが必要。
盆栽としてはまだまだ手入れが必要なものばかりの印象ですが、雑木や松、花物素材、山野草など意外に品揃え豊富です。
日本全国に盆栽園がたくさんあります。盆栽を見せてもらったり、木作りの相談ができたり、盆栽や用土、鉢、盆栽道具などを購入できる盆栽園も数多くあります。現在、全国の……
大宮盆栽祭りの売り場の様子
愛好会が各地で開催する展示会は、実際に展示を見て学ぶことができるとても貴重な機会。
毎年多くの愛好家で賑わう大宮盆栽村の大盆栽まつり(5月:さいたま観光国際協会大盆栽まつり実行委員会)では全国から沢山の業者が軒を連ね、道具や鉢、完成品から素材ものまでいろいろな樹が揃っています。
その他上野の国風盆栽展(2月:日本盆栽協会)や秋雅展(11月:全日本小品盆栽協会)、京都の雅風展(1月:全日本小品盆栽協会)など大きな展示会でも全国の業者がお店を出しているので展示と一緒に買い物も楽しめます。
また、各地の愛好会が主催する展示会の即売コーナーには会員の方の樹や道具等が格安で売っていて、思いがけない掘り出し物に出会うチャンスです。
愛好会や協会各支部の展示会は春と秋の年2回開かれる所が多いので、日程をチェックして積極的に出向きましょう。
YAHOO!JAPANの「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」のほか、「楽天市場」「amazon」などの大手通販サイトには苗木業者や盆栽関連の店舗も多数出店しています。
ヤフオク!は他の愛好家もよく利用していて、私は樹や銘鉢の出品をチェックしています。Yahoo!ショッピングでは面白い苗木や山野草を見つけることができます。用土や薬剤などの消耗品は主に楽天やamazonの店舗でよく買っています。
また、盆栽園や関連商品の取扱い店の中には、ホームページ上で商品をネット販売しているところも多くあります。道具類では「兼進」や「喜久和」の他、昌国の鋏を取り扱っている盆栽園もあります。
実生や挿木は初心者でも挑戦できる方法で、取木や接木も難しいことはありません。
中でも実生は種を入手しやすく、モミジや楓、欅(ケヤキ)、椿、銀杏などの種は公園や庭に落ちているものから採取できます。
木通(アケビ)の種
また盆栽園や園芸店、インターネットでもいろいろな種類の種を入手できるので、親木の性や発芽率を確認して選ぶようにしましょう。
実生苗はそのまま播いてしまうと真っ直ぐに伸びてしまうので、網伏せをして自然な曲を付けたり、軸切り挿し芽ができるようになればさらにいい素材ができます。
最初から小さい鉢で培養できるので小さいながらも根元が自然に太り、保ち込む程に良さが増すというもの。
「実生の樹は寿命が長い」という話はあながち迷信ではなく、種子の栄養分が初期成長を促進するため発根後の生育がよく、根を先に作る盆栽作りにとって重要な点です。
昔は「山取り」といって自然に生えている植物を掘り出して盆栽仕立てにされることも多く、厳しい環境や足場の悪い地形に生きている樹は、愛好家にとって魅力的なものでした。
現在は法律上の問題や自然保護の観点から野外での勝手な採取は難しくなっていて、優れた自然の風景地をや資源を保護するための規制への理解とマナーの遵守が求められています。
野外採取は楽しいものですが、全ての土地には必ず所有者がいて、般道路の脇に生えている草や苔もそこを管理している国や自治体の所有物です。
自分が所有している土地もしくは、土地の所有者から許可を得た場合以外での無断採取は厳密には違法行為。
例え地面に落ちている種を拾う場合でも原則勝手に持ち帰ってはいけません。
野外で種や苗を採取したい時は、必ず許可を得ること。例えば神社に落ちているモミジの種が欲しいときは、神職さんに声をかけて種を貰ってもいいか聞きましょう。
土地の所有者はあまり関心がない人が多いので、快く許可してくれることが多いです。種を播いて盆栽にすると言うと、きっと喜んで分けてくれます。
枝を切ったり、枝から種をもぎ取ったり、樹を掘り出す様な行為は遠慮すること。
マナーのある行動で野外採取を楽しみましょう。
都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。
アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。
現在、盆栽世界にて「キミのMonthlyお手入れ講座」連載中です。
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