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黒松(クロマツ)の育て方

更新日:2019/08/25

黒松の育て方

黒松の作業暦

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
成長期
 
 
 
 
 
 
 
 
休眠期
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
 
 
 
 
 
 
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
 
 
 
2~3/日
 
1~2/日
 
1/2~3日
施 肥
置き肥
 
 
置き肥
 
 
針金かけ
 
 
 
   
 
剪定
太枝 
 
 
不要枝 
 
 
植え替え
 
 
 
 
   
その他
芽摘み
 
芽切り 芽かき 葉すかし

黒松の性質

黒松はマツ科マツ属の常緑針葉高木。別名「雄松(オマツ)」。

日本の景色を代表する樹種で、日本各地の沿岸沿いに自生しており、塩害や防風、防潮林としても利用されてきたとても丈夫な松。剛健な性質をもち全国の気候風土に適応しています。

盆栽では欠かすことの出来ない代表格の樹種で形も崩れにくく、主木として通年観賞されます。

黒松の管理場所

黒松は照葉樹でとても日光を好み、暑さや冬の寒さにも強い剛健な樹です。

年間を通じて朝から夕方まで日当たりと風通しのよい場所に置いてください。

厳寒期でも乾燥した強風を避ける程度で、特別な保護は必要ありません。

ただしミニサイズの樹や樹勢の弱っているもの、強い針金かけや太い枝を剪定したものなどは、軒下やムロに入れるなどの対策が必要です。

黒松の灌水

多少乾き気味がよく、鉢内部まで乾いてから水やりができればベストですが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

水は好きなので基本1日朝夕の2回。夏場は乾きも早いので1日2~3回を目安に灌水してください。

黒松や赤松は葉水の効果も高く、葉水を与えると皮の荒れがよく出るようです。毎日与える必要はないので、気がついたときに実行してください。

ただし松類の場合は夕方に葉水を与えると葉が長くなる原因になりますから、日中にやるのがいいでしょう。

黒松の施肥

樹勢の落ち着いた完成木はやや控えめですが、本来肥料を好む樹で、仕立て段階なら多肥多水培養をしたほうが良くできます。

春肥は4月から始め、梅雨を除く成長期の間は継続的に月1回のペースで肥料の交換をしてください。

植替えをしたものは2週間~20日程過ぎてから少量から施肥を開始。肥料は油かす単用で充分ですが、秋はリン酸やカリウムの配合を増やすのがいいでしょう。

黒松の作り方

芽摘み(4月~5月)

黒松や赤松の新芽は「ミドリ」といって産毛のような鱗片で覆われたつくしの様な状態で、伸びてきたミドリの葉がまだ開かないうちに必要な長さを残して摘みます。

芽摘みによって本来長く伸びる新梢の伸びを止め、短い枝を増やすことができます。

強い枝では1箇所から数本の芽が出てくるので、強い芽を元から摘み取って各枝の芽数を1~2つに整理。残したミドリも枝の強さによって半分~1/3くらいを目安に摘み、全体の力を平均化していきます。

芽切り、葉すかし(7月)

芽切りはほぼ完成に近い黒松や赤松、錦松の葉を短く作り上げるための方法で、これを「短葉法」といいます。

7月頃になると芽摘みをしなかったミドリの葉が開いて長く伸びてきますから、7月10日~20日頃に鋏で新芽を元から切り取り(芽切り)、前年葉を3~4対に調整します(葉すかし)。

2番芽は伸びる力が弱いので葉が短くなり、秋には枝がちょうどよく締まった樹姿を観賞することができます。

ただし芽摘みや芽切りは必ず行わなければいけないものではなく、調子を崩したものや老樹など樹勢の弱いものは芽摘みや芽切りを見送る場合があります。

芽かき(9月)

芽かきは芽切り後に吹く複数の2番芽の芽数を調整する作業です。

複数の芽をつけたままにしているとその部分が太くなってしまうため、2芽2芽になるように不要な芽を元から掻き取ります。

古葉取り(11月)

古葉取りは前年からついている古い葉を取ることで葉の量を調節する作業。

枝内部の日当たりと風通しが改善され、葉の間で越冬する害虫を付きにくくします。

また、葉量が減ることにより樹勢も抑えられるので、翌年の新芽の伸びを抑制する効果も期待できます。

針金かけ(12月~3月)

黒松を始めとする松柏類の針金かけは、厳寒期を除く休眠期から生育活動が始まる直前までに行うと負担が軽いです。

針金かけや太枝の剪定を成長期に行うと樹液が止まらず枯れ込むことがあるので時期は注意してください。

黒松は古枝でも曲付けできますが、慣れないうちは1度で曲げずに数年掛けて曲げたほうが失敗がありません。

多少割れが入っても水吸いが生きていれば平気なので、向きを定めしっかり曲げてください。

アルミ線よりも銅線のほうが大胆な曲付けができ、太線1本より細線を2重に巻いたほうが効きやすいです。

植替え(3月~4月)

黒松のミドリ

ミドリがほころんで来た頃が植替えのタイミング

植替え時期は3月~4月頃の硬く閉じていた新芽がほころび出す頃。

関東を中心とすれば春の彼岸頃が絶好期です。

黒松の新芽はソメイヨシノの開花とほぼ同時期のため、桜前線の進みに合わせて植替えするといいと言われます。

養成木の植替え

樹勢の強い養成木では、底土と周囲の土をほぐし全体を1/2くらいまで整理します。

松類は雑木と違って根の張りも遅いので、切り戻しで弱った根が元の状態に回復するだけでも1年はかかります。

2年目から樹勢が付いてくるので、3~4年目にまた植替えるを繰り返すことが樹勢を長く維持するポイント。ただし前年から吸排水の悪かったものは必ず植替える必要があります。

完成木の植替え

黒松の菌根菌

菌根菌は宿主植物の生育を助け、病原菌から守る働きをしている

樹勢の落ち着いた完成木では、植替えの間隔も4~5年に1度くらいでよくなります。

菌根菌が共生している場合は、菌根によって供給される水や栄養分(主にチッ素やリン酸)のお陰で水や肥料もさほど必要としなくなる上、芽の伸びも弱いのでほとんど手入れ入らず。

菌根菌が病原菌の侵入も防いでいるので病気にかかりにくくなり、軽い芽摘みや切り戻し、秋の古葉取りくらいで充分形や樹勢を維持できるようになります。

ですが長く植替えないでいると根詰まりで樹が弱ってしまうので、5年も6年も植替えないのも考えもの。古木ほど樹勢が落ち始めてからでは遅いので、根詰まり具合を見て植替えしてください。

完成木の植替えでは、全体の1/3くらいを限界として元土からほぐし、周囲の古土も落としてください。あまり切り込むと新根や枝が強く伸びて若返り、せっかくの古木感を失ってしまいます。 また、植替えの際に採取した菌は、植え付けの時に新しい用土に混ぜておくと効果があると言われています。

黒松や赤松は年中根動きがあり、秋の植替えも可能。8月下旬~9月中旬頃までの植替えなら年内に根が充分動き出しているので、冬の保護もさほど難しくなく、春からの成長も緩やかなので完成木の植え替えは秋の方が適していると言えます。

コメント

ようじ さん 2017年12月13日15時29分
キミさん

盆栽を始めたばかりですが、いつも勉強させて
いただいています。

1点教えて下さい。
初めて買った黒松(幼木)ですが、最近葉の先
や葉の半分近くまで黄色くなっており、枯れて
きてるのか大変心配しています。

写真を添付しましたが、この状態は枯れてきて
いるのでしょうか?
どう対処すれば良いのでしょうか?

アドバイスをよろしくお願いいたします。

なお、水やりは2~3日に1回程度でやり過ぎは
ないと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。
きみ さん 2017年12月14日11時22分
ようじさん
コメントありがとうございます!
このくらいならよくあるので心配ないとおもいます。
消毒の時期なので、それはしっかりやっておいてください。
https://bonsai.shinto-kimiko.com/kanri/kisetu/kisetu_kanri.htm

まだまだの幼木なので、1~2年は肥培ですかね。
オシャレなお店?で売ってる黒松は、見栄えがよくしてありますが鉢や土は培養に向いていないことがあります。
土の状態が気になるので、来年の植え替えは必ずやってください( ^o^)ノ
ようじ さん 2017年12月14日20時00分
きみさん

アドバイスありがとうございます。
少し安心しました。

先日、殺虫剤と殺菌剤の散布をして、今は
かなり気温が下がってきたので簡易ムロに
入れています。

来年の3月頃に植え替えをしたいと思います。

貴重なアドバイスありがとうございました。

これからもよろしくお願いいたします。
こうじ さん 2018年07月27日14時18分
返事つもお世話になったこうじです

黒松ハマってます

長く伸びた昨年の葉はいつか切るべきなのでしょうか?

芽切りなんかは解説出てますが

分からないのですおヒマな時にでも回答お願いできますか?
きみ さん 2018年07月28日17時38分
こうじ さん
黒松まはってますか。わたしもはまってます。
これは2本とも芽摘みとか芽切りはしたんですか?なんともいえませんが、古葉なら今とってもいいですよ。
芽切りした後や秋に古葉とりますが、2番芽が出揃ってから取るひともいます。
葉が多すぎなら減らすんです。2枚目の黒松は中芽切りくらいはしておいた方がいいように思います。
松柏類の芽摘みも参考にしてください。
こうじ さん 2018年07月29日18時37分
ありがとうございます

芽切りも、芽摘みもしたつもりです

アドバイス参考に、切ってみます

ありがとうございます
めぐみ さん 2019年05月03日10時46分
きみさん初めまして。オーストラリアに在住しているものです。
先日友人から挿し木から始めた松を譲り受けまして、全くの盆栽初心者の為どこから手を付けたらいいのか分からずご相談させていただきました。
下の部分がかなり伸びてしまっており、高さを低くして横に枝を張らせていくことができれば、と思っているのですが可能でしょうか?
松の種類は不明ですが、特徴から見ると黒松かな?と思っています。根を張ってきていますが不安定な為、石で支えています。
こちら季節が日本の真逆なので今は日本の10月頃の気温です。
お時間ある時にご連絡頂ければ嬉しいです。
きみ さん 2019年05月04日09時15分
めぐみ さんへ
オーストラリアから、ありがとうございます!
多分赤松だと思いますが、かなり弱っています。日当たりが悪いとこんな感じになります。
土も腐葉土?できたら水はけのいい赤玉がいいですね。水はあげすぎだと思います。

石の工夫いいですが、固定自体はちゃんとできているでしょうか。鉢にいれただけでグラグラしているようならいつまでも根つきませんから、針金を樹に巻いて、あまった針金を鉢底に通して固定するとか麻紐でグルグル巻きにするとかしないとです。

樹形はこれからいかようにもできるので、まずは樹勢を付けてあげるところからかなと思います。
マルオ さん 2019年06月15日06時21分
キミさん
始めまして、楽しく読ませてもらってます。

今年始めて黒松を種から育てているのですが、この先どのタイミングで1本づつに植替えればよいかを教えて頂けたら幸いです。
きみ さん 2019年06月15日08時18分
マルオ さんへ
かわいい黒松ですね
この草みたいな時期は軸切り挿し芽の適期ですが、数もないし下手にやるとダメになってしまうこともあるので、そのまま3本で育てて大きくなってから分けてもいいし、
今のうちに根を整理したいなら直根だけ切ってそれぞれ分けておくとかしたらいいのではないでしょうか
盆栽にしたいなら根は今のうちに作ったほうがいいですけどね
マルオ さん 2019年06月15日11時10分
キミさん
お返事ありがとうございます。

盆栽と呼べる姿にするべく、根の整理に挑戦してみます。
ぷろぺら さん 2019年10月22日15時20分
きみさん

初めまして。サイト楽しく拝見しております。

半年ほど前にミニ盆栽セットを頂戴したので
試しに植えてみたところ、現在画像のように育ちました。
(3つの種で一つの鉢、2つの種でもう一つの鉢、合計5つの種を植えました)

現在油かすを与えながら水やりをしているのですが、
果たしてこのままの鉢で育て続けていいものなのか、
あるいは一本ずつ別の鉢に植え替えるべきなのか
判断に迷っています。

お時間ある時にアドバイスいただければ嬉しいです。
宜しくお願い致します。
きみ さん 2019年10月22日21時15分
ぷろぺら さん
このような実生の松については言うべきことが沢山あるのですけど、まず黒松の培養場所は必ず外の日当たりが良いところです。
実生半年ということではありますが、葉が長くなっているのは日照不足と過水が主な原因です。
太らせたいならば個別培養がよく、鉢は通気性のいい土鉢がいいです。
土はフカフカなものは松には向きません硬質赤玉とか岩砂利のような硬く粒の揃ったものを硬く植え付けるのが生育に合っています。
苗そのものは元気そうですね。
手入れに関しては、芽摘みや葉すかしのページを見て頂くといいと思います。
先端の葉束を残して他の葉(古葉)はとってしまったほうがいいですね

ホーム > 管理の基本 > 芽摘み > 松柏類の芽摘み
ぷろぺら さん 2019年10月26日10時37分
きみさん


アドバイスいただきありがとうございます。
わけもわからず育てていましたので、個別培養に向けて
頑張ってみたいと思います!!
はか さん 2019年12月25日21時48分
きみさん

はじめまして。
とても困っていましたところ、こちらのサイトを拝見させていただき
ご連絡差し上げました。突然申し訳ありません。

母が大事に育てていた黒松が最近枯れ始めてとても不安でした。
6月ごろ育成キットを購入し、種から育てました。
最初こそどんどん成長していきましたが、
ひと月ほど前、鉢が小さかったため、写真の鉢に植え替えをしてから徐々に枯れ始めました。
最初は下の葉から枯れていったのですが、最近では上の葉も変色し始めました。
毎日水やりしていたようなので、きみさんの記事を拝見して注意を促しました。
日中は日陰に出していますが、夕方は家の中に入れて育てています。
枯れた原因は水やり以外にありますでしょうか。

母は日々元気がなくなる黒松に心を痛めており、
私もどうすればいいのか分からず不安です。
よろしければアドバイスお願いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします…!!
きみ さん 2019年12月26日11時01分
はか さんへ
写真見たところ問題ないと思います。下の茶色くなった葉は双子葉植物でいう双葉みたいなもので、成長して本葉が育つと不要になって枯れていくものです。新芽の部分は元気なので大丈夫です。
古葉が結構伸びてしまっているので、写真の丸印をしている新葉の塊以外は、鋏などで元から切って掃除してください。
所々残して、長いのは適当な長さにカットしておくといいと思います。
残しておくとそこから腋芽が育つので。
盆栽として作りたいなら他にもやっておきたいことはあるんですが、取り敢えず元気に育ててそれが楽しみになればお母さまも喜ばれますね。
はか さん 2019年12月26日20時53分
きみさん

お返事ありがとうございます!
私も母もこのまま枯れたらどうしようと不安だったので安心しました…!
アドバイス頂いたとおりに手入れして、
母と一緒に大切に育てていきます。
本当にありがとうございました!
ぶっち さん 2020年01月12日17時13分
今年も宜しくお願いします。

さて早速ですが、この春に植え替えを予定している黒松があります。
植え替え後は樹勢が落ちる為、今年は芽切りはやらないつもりです。
しかし、その分間延びし樹形が乱れてしまいます。

現在の樹形を維持するためには、どのようにしたらいいでしょうか?
きみ さん 2020年01月13日16時59分
ぶっち さんへ
どのくらい間延びするかはその後の管理や樹齢にもよるのでどうでしょう。
芽摘みで少しは伸びを止められますし、夏の土用頃になれば芽が吹いたりするのであまり心配しなくていいと思いますが...
生きているので形が崩れることはよくあるし、崩れるというかその変わり様を良しとして楽しめたらいいのではと思います。
神之宮恒宗 さん 2020年02月19日20時42分
質問よろしいですか?
黒松の種を去年の春に購入し、一年ほどたって十センチ程度になったのですが、今からでも針金はかけられるんですか?お返事いただけたら幸いです。
きみ さん 2020年02月21日08時40分
神之宮恒宗 さんへ
お返事が遅くなりすみません。
実生1年まだ細いですね、軽い矯正くらいならやって大丈夫ですよ^^
2~3年太らせてからやる人もいるし、細苗のうちに結んだり折ったりして癒着を利用して幹元を太くする方法もあります。
慣れないでしょうしまだまだこれからの苗なので、根元に一曲いれるくらいでいいと思います。
神之宮恒宗 さん 2020年02月22日12時17分
お返事ありがとうございました。参考にさせていただきます。盆栽を始めたばかりで分からないことがたくさんあるので、また何かあったら質問させていただきます。目標はこんな感じですかね。
神之宮恒宗 さん 2020年02月22日12時36分
あと、僕の名前は「かみのみや こうしゅう」です。
きみ さん 2020年02月22日13時21分
神之宮恒宗 さん
100年はかかりそうですね^^;
神之宮恒宗 さん 2020年02月22日20時01分
そうですね。今15歳なので、あと120年は生きようと思います。長々と失礼いたしました。では。
神之宮恒宗 さん 2020年02月24日12時33分
たびたび失礼します。今日公園に行ったら松ぼっくりが落ちていて、中にちゃんと種が入っていたので、植えてみようと思っているのですが、時期は今でいいんでしょうか?お返事お願いします。
きみ さん 2020年02月24日14時28分
神之宮恒宗 さんへ
ちょっと遅いですけど2月一杯まではまき時ですよ^^すぐ播いてください。
神之宮恒宗 さん 2020年02月24日15時45分
只今蒔き終えました。お返事ありがとうございました。よく分からなかったので、とても助かりました。失礼します。

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

動植物好きの猫飼いです。歴代猫は『アロ』『アズロ』。現在は雄のアビシニアンと一緒です。

ほとんど籠って盆栽いじってますが、盆栽教室やミニ盆栽屋「てのひら盆栽しんとう」も定期的に企画、出店しています。

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