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盆栽とは?

更新日:2016/10/22

きらく会の総合展示より(2016年:東京上野)

みなさんが思っている盆栽の姿はいろいろだと思います。

私は最初、『サザエさん』で波平さんがかわいがっている松の盆栽がそうだと思っていました(波平さんの棚には梅や米栂、金豆のようなものも)。

でも松だけが盆栽ではなく、ミモザやオリーブ、ローズマリーなど海外から来た樹種や多肉植物なども盆栽仕立てにして飾ったり、楽しむことができます。

そういってしまうと室内に置かれるような観葉植物も盆栽に入ってしまいそうですが、それは盆栽とは言わないのは何となくお解りになると思います。

では盆栽とそうでないものの違いはなんなのでしょうか。

1. 盆栽と観葉植物の定義

盆栽と観葉植物との違いは、まずその盆(器)の大きさにあると思います。

盆栽は昔「鉢物(ハチモノ)」と呼ばれていた時代があり、整枝技術がまだ進歩していない当時は、単に掘り出した樹を鉢にいれて観賞されていました。

鉢植えや園芸は、より沢山の花や実を付けるために徐々に大きな鉢に植え替えることが多いのですが、盆栽は長い年月の中で極小へと向かう面白さを見出し、より小さく浅い鉢へと徐々に樹と鉢のバランスを合わせていきます。

鉢植えと盆栽

園芸店で売られている鉢植え(左)と、盆栽仕立て(右)のネムノキ

小さくとも枝振りや幹肌が長い歳月を物語る盆栽は、たとえ実1つ花一輪でも風情があり、鉢と樹の大きさや合わせ方によって引き出される魅力が全く違ってきます。

温室管理の観葉植物や、シクラメン、胡蝶蘭などの花を楽しむ鉢物は、そのものの美しさを観賞されることはあっても、そこから四季や自然の風景を連想しようとする人はいません。

園芸や鉢植えは単に植物の花香や葉色など表層的な美しさを鑑賞しますが、盆栽はそれを自然の寸尺として盆上に収めて表現しようとするもの。

枝の出方や流れ、幹模様、樹の古さを表現するのはもちろんですが、鉢と樹の調和、飾り方でもその真が問われます。

今や世界的に人気がある盆栽ですが、日本的な美意識や絵心、個人の感性がなくてはいい盆栽を創ることはできないのです。

盆栽の条件

大きさの調和が取れている

幹と枝、枝と葉、鉢と植物の大きさに調和を取ることは大切な条件の1つです。

大きな木を縮小して作るのですから、それに付く葉も小さくなければバランスがとれません。

実物盆栽では、それに付く果実もやたら大きくては調和がとれないし、細い枝が折れたり樹勢を弱めてしまいます。

芽摘みや葉刈りなどを繰り返しながら、小さい鉢で持ち込めば葉や節が小さくなる植物もありますが、数年を要しますし、技術的な問題もあります。

盆樹には姫性や矮性と言われる小さい品種があり、小葉性のモミジを始めとする雑木類、五葉松、小実の薔薇や紅紫檀、一才木通(アケビ)など小さい性の素材を上手に見つけて培養したほうが近道です。

「らしさ」がある

植物それぞれの個性も無視できません。

松は松らしく、モミジはモミジらしく作ることが大切で、この「らしい」ということが盆栽の樹形作りの基本です。

例えば杉や檜は大地からまっすぐに延びる性質を持っているので、無理に曲線美を持たせようとしてもその樹らしさを失ってしまいます。

また本来あるべき形を無理に曲げてしまうと、生育が悪くなり枯死に繋がることも。

盆栽を始めるには、まず自然の中で生きる植物の姿をじっくり観察し、それをお手本にするつもりで挑みましょう。

自然の風景美を備えている

盆栽は自然の縮図を表現しようとしていることはこれまでにお話しましたが、そのためには盆栽そのものが自然の風景美を備えていなければなりません。

その植物独特の幹模様や流れ、古木感、枝ぶりの美しさ、大地にしっかりと張った根張りの力強さ、樹と鉢の合わせ方など全体が調和して初めて盆栽としての魅力が現れます。

また盆栽そのものだけでなく、数点並べて飾った時に自然の風景が連想されるような配置や工夫が必要です。

飾り方には決まりがありますが、決まりだけに囚われない飾り手の感性や演出力も大切だと思います。

2. 自然と盆栽

高山に自生する樹の姿:Nature of Bonsai(写真掲載協力)

自然の風景に目を凝らしてみると、同じ種類の植物でも環境によって姿かたちが違っていることに気がつきます。

同じ松でも、風の当たらない平地に生えているものはまっすぐのびのびと成長。一方、風当たりの強い海岸沿いや、高山の松は激しく傾いて今にも倒れそうに生えていたり、極端に枝数が少なかったりします。

植物はその生育環境によって姿を変え、なんとか生き延びようと努力しているのです。

盆栽はこのような姿を映し出して、見る人にその環境を想像させようとするもの。

人はその姿を習って人工的に手を加えて盆栽を作りますが、人知を超える不自然さで立つ老樹や、真似しようのない複雑に捻転した自然の老樹を目の前にしたとき愕然とします。

盆栽が忠実に自然を再現することには限界があり、自然そのものには成り得ないのです。

盆栽とは、自然の一部を切り取って簡素化したり、省略や誇張したりすることによって自然を連想させる世界です。

その見せ方は盆栽そのものであったり、配置であったり。合わせる鉢、見る角度、使う道具1つ1つにも意味があります。

これらが調和して一体となった盆栽は、山野の優美さや岸壁に生える波風の荒々しさ、荒野の虚しさや朽ち果てていくものの美しさを表し、観る人をまるで大自然の中に佇んでいるような気持ちにさせてくれます。

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コメント

かず藤田 さん 2019年02月11日13時13分
植物全般、中でも盆栽種々のサイトで数多く、きみさんサイトを見つけるごとにホッとしています。
きみさんに聞きたいこと百選。の中で
…ヒョウタンチク?…なんですが
五年前に竹の性分もわからぬまま
高さ15センチ、節間3センチの丸々、名の通りひょうたんのような竹が3本の盆栽を連れてきました。
その後その3本は徐々に枯れて新しく伸びた…幹?茎?…は、間延びした節、スラリとした1センチに満たない25から30センチの今現在です。
スラリが七本、しろつぼくなったぽっちゃりが2本の盆栽です。
ヒョウタンチクにする方法があればお教えください。
きみ さん 2019年02月11日13時29分
かず藤田 さんへ
すみません、たぶん記事のページがどんどん増えてしまうので検索していると勝手に上位にきてしまうみたいで。。
それでそのヒョウタンチクという植物ですが、わたしは存じ上げません。
ヒョウタンの様な竹ですか。見てみたいですけどね。
かず藤田 さん 2019年02月11日13時47分
ごく最近スマホデビューしました。
恥ずかしながら写真の送り方がわからないので今お勉強してます。
で、うまく送れることができたら、いっぱいきみさんに観ていただこうと思っています。
ご迷惑かと思います。
かず藤田 さん 2019年02月11日14時58分
私が勝手に思い込んでる…ヒョウタンチクの正体です。
きみ さん 2019年02月11日18時45分
かず藤田さん

ん~?みてもわかりません笑
そういう品種があるのでしょうね~
しゅっと伸びてるのは古くなれば「ひょうたん」みたいに節が太ってくるのでしょうけど。
面白いので鉢植えとして育てるといいでしょうね。
かず藤田 さん 2019年02月12日01時05分
拙い写真をお見せしました。
てもこれはこれで景色の一部になっているので世話をやきます。
かず藤田 さん 2019年02月16日08時56分
またまた、お邪魔します。
やまあじさい…藍姫、の事なのですが
家に3年前に高さ20センチできました。今は高さ30センチ、根元2、5センチです。それと昨年花後挿し木にした10センチ程の7株の子木がおります。皆鉢の中です。
それでリミットこのやまあじさいはどれ位小さく作れるのか、そのための諸条件をアドレスお願い致します。できれば、今の青色の花を毎年見ることとして考えているのですが。
尚、場所は岡山県南部です。
きみ さん 2019年02月16日15時30分
かず藤田さんへ
小さく作りたいなら5~10cmくらいにはなると思いますよそのくらいなら花も咲きます。
ただ小さくするとなんとなく調子わるくなりやすいような気がします。
植え替えは毎年。水切れや葉焼けすると花芽つかなくなってしまいます。
かず藤田 さん 2019年02月16日16時21分
すみません?⤵⤵
アドバイスのつもりがアドレスになっていました
よろしくアドバイスをお願い致します。。
かず藤田 さん 2019年02月16日19時36分
ご迷惑をおかけしました。
10センチを目指してやってみます。
ありがとうございました。

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

動植物好きの猫飼いです。歴代猫は『アロ』『アズロ』。現在は雄のアビシニアンと一緒です。

ほとんど籠って盆栽いじってますが、盆栽教室やミニ盆栽屋「てのひら盆栽しんとう」も定期的に企画、出店しています。

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