イチイ(一位)の育て方

投稿日:2018年05月21日 更新日:2021/04/26

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イチイの作業カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
 
芽出し
 
 
 
 
 
 
 
休眠期
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
 
 
 
 
 
 
灌 水
(回数/日数)
1/2日
 
1~2/日
 
2~3/日
 
 
 
 
1~2/日
 
1/2日
施 肥
 
 
 
 
針金かけ
 
 
 
 
剪定
 
 
 
植え替え
 
 
芽摘み
 
 
   

イチイの性質

イチイはイチイ科イチイ属の常緑針葉高木。

とても丈夫で、「枯らす方が難しい」などと冗談も出るほど作りやすい樹です。

日本各地の深山や朝鮮半島、中国に自生している植物で、寒さに強く材が固いのでジンやシャリの芸が効きます。

鮮やかで肉厚な深緑色の葉と独特の紅い実が美しく、刈り込みに強く丈夫な性質から庭木や生け垣などにも利用されています。

イチイの管理場所

暑さ寒さにつよく、年間を通じて棚上管理で平気です。

小さいものは乾燥を防ぐためにも冬期保護したほうが安心。

イチイの灌水

水を好むのでしっかり水やりしてください。

多少乾いても大きな問題にはなりませんが、夏の水切れが原因で葉が黄変して落葉することがあるので注意。

春は1日1~2回、夏は2~3回、秋は1日1~2回、冬は2日に1回が目安で、夏場は夕方葉水を与えるとなお良いです。

イチイの施肥

若木以外は少なめにします。

梅雨と夏場を除いた4月~5月と9月~10月の間に油かすを主体にした肥料を与えてください。

骨粉を2割ほど加えてやると葉色が鮮やかになります。

イチイの作り方

芽摘み(4月下旬~6月)

イチイの芽は成長期の間伸びてくるので、そのたびに摘んで間延びを防ぎながら小枝を増やします。

強く伸びる芽ほど短く摘むのが基本で、後に伸びる芽は6月頃まで芽摘みを繰り返してください。

芽摘みやフトコロの伸びた葉を摘むことで元芽が動いてより小さく作ることができます。

イチイ(一位)の芽摘み

一位は芽吹きが旺盛で、剪定したところから胴吹きもするので作りやすい樹種です。 芽摘みは小枝を増やすためには欠かせない作業で、各枝の力の調...

剪定(3月~4月、10月~11月)

イチイの剪定は、芽出し前か秋(10月上旬頃)の整姿と合わせて行う「不要枝の剪定」と、成長期の「枝の追い込み」があります。

中でも不要枝の剪定は、イチイの樹形作りの上でとても重要で、不要な枝が多いと針金かけも効率よくできませんから、残す枝を見極めて思い切った枝抜きをしてください。

枝の追い込みは生長期に生じた胴吹き芽を活かしてよりコンパクトにする剪定で、秋までに伸びきった枝は適当な所で切り詰めて翌年の枝作りへ利用できます。

イチイ(一位))の剪定

一位はとても丈夫な樹種で芽吹きもいいので、剪定によって簡単に枝数を増やすことができます。 逆に芽摘みや追い込み剪定をしないでいると、枝が間延...

針金かけ(2月~3月、10月)

針金掛けの時期は芽出し前か、休眠前の10月~11月頃。

粘りのある枝は針金がよく効き、割と太い枝や古木でも思い切った矯正に耐える事ができます。

よく肥培し樹勢を付けたら、先に幹や太枝に針金を掛けて基本樹形を作りましょう。

癖が付くまでに2~3年は要しますから、一度に強く曲げず掛け替えながら徐々に下げてください。

小枝の整枝は基本樹形ができてからで、葉と葉の間を縫い枝先まで針金を掛けていきます。

イチイは元来深山に自生する樹ですから、庭の刈り込みの様な端正な樹形よりも、朽ちた部分や雪の重さで鋭角に落ちた枝を作るとミニでもイチイらしい姿を現すことが出来ます。

植替え(3月中下旬~4月)

丈夫な一位は植え替えも気を遣うことがなく楽です。

時期は芽出し前の3月中下旬~4月頃。全体の1/3程をほぐして伸びた下根を落としてください。

若木なら1~2年に1回、完成樹なら2~3年に1回が目安です。

古葉取り(10月中旬~11月上旬)

マツ類では新芽を切って古葉の所から胴吹き芽を出させる方法が一般的ですが、イチイの場合はその逆で、古葉を抜いた場所に芽を作る性質があります。

古葉取りの適期は休眠に入る前の10月から11月頃で、今年伸びた新梢の下に付いている古葉(2年葉)を鋏かピンセットで全て取り去ってください。

自然に落葉させると胴吹き芽の形成数が少ないですが、秋に人工的に古葉を取ることで芽出し前までに多くの葉芽を作らせることができます。

最も適した時期は10月頃。休眠期までにしっかりした芽を作らせることが目的なので、古葉取りの時期は遅くとも11月上旬頃には終わらせておいてください。

夏の間も樹勢を落とさず丈夫なイチイですが、成長期に針金掛けや葉すかしを行うと急に樹勢を落とすことがあるので注意が必要です。

イチイの古葉取り

イチイは自然落葉ではそれほどでもないが、秋に古葉(2年葉)を抜くと多くの胴吹芽を持つようになる

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コメント

盆クラ さん 2018年10月01日10時06分
ご教授ください。
手に入れた一位がはじめ葉がパラパラと落ちてから,全体的に茶色く変色してきてしまいました。枯れ初めてしまったのでしょうか?
手元に来てから2か月あまり、9月から骨粉混じりの油粕を与えただけで、その他は来た時のまま、いじっていません。何か手立てがあれば教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。
きみ さん 2018年10月02日10時14分
盆クラ さん
一位って、よっぽどのことが無い限り枯れるまでいかないと思うんですよね。
ただ、一位は意外に陰樹の性質があるので、夏は日よけの下で管理したほうがいいとかはあります。ホースで水やりしていたなら、炎天下だと残留水はかなり熱湯なので、それに気がつかず水やりして枯れる...というケースもあります。
水切れさせたとか、原因に心当たりがなければ、手に入れる前に販売者が無理な植え替えや針金かけをしたとかもあります。
ともかく、常緑の木なので全体に葉が茶色くなったとなれば枯れてます。ただ、胴吹きの力が強いので、根さえ生きていれば枯れた枝を剪定しておくと新しく芽吹く可能性はあります。
盆クラ さん 2018年10月02日11時08分
きみ さん
ご教授ありがとうございます。
ご指摘の原因のひとつの、日よけの管理はしてませんでした。日差しがかなり強い日がありましたので、気を付ければよかったと反省しています。その他は心当たりはございません。まだ、葉先が主で中間まで茶色くなっているのは三割程度です。
根が生きていることを願って茶色くなった部分を剪定をしながら、管理し芽吹く可能性に賭けたいと思います。ありがとうございました。