桜 (サクラ)の剪定
投稿日:2015/03/09 更新日:2020/03/05

本ページに記載の商品・サービスは広告を含むことがあります。
桜は枝の更新が早く、枯れては新しい枝ができるを繰り返す性格があります。
「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」ということわざがあるように、桜は枝の維持が難しく、病害虫の被害に遭いやすい面もあって永く持ち込むことができないと言われてきました。
ですが、もともと桜は丈夫な樹。
桜の持つ古木感のある幹肌や、日本の春を象徴する綺麗な花姿は他の花物樹種に替えられない魅力があり、日頃の管理次第で長く維持することは容易です。
桜や梅のような花物類は樹姿より花に重点が置かれてしまいますが、こまめな芽摘みや剪定で枝を作り込むことができれば樹格も大幅に上がり、その分楽しみも増すというものです。
桜の花芽分化
桜の短果枝と花芽(8月頃:東京)
桜の花芽分化期は夏の7月〜8月頃で、花後に伸びた短果枝に作られ翌年に開花します。
そのため花芽をつけさせるためには、遅くとも6月の梅雨入り頃までに剪定や芽摘みが終わっている状態でなければいけません。
花芽のつかない徒長枝は適宜短く剪定していいですが、枝の更新や他の枝の力を抑えるために敢えて残しておく場合もあるので、樹の状態によって切るか切らないかの見極めも必要です。
芽摘み
桜の芽摘み時期は新梢が少し伸び、葉の組織が固まる4月中旬頃から行います。
基本的には2~3節残して先を鋏で切り取りますが、古木なら葉が展開する前後くらいで少し早めに摘んで輪郭を維持します。
最初の芽摘み後も部分的に強く伸びる枝は同じ要領で芽摘みをしますが、枝として残したい部分は芽おさえ(針金で枝を下げること)で対応してください。
梅雨明けには新芽の伸びも止まり、夏にかけて花芽分化期に入ります。
輪郭から強く飛び出すような芽は随時摘み取っても問題ありませんが、花芽を付けさせるためには芽摘みや剪定を5月いっぱいで終わらせおきましょう。
追い込み法
一般的に知られる桜の芽摘みは4月中~5月頃に伸びた新梢を2~3節残して切り取る作業で、その後に伸びる枝は花芽分化まで伸ばし気味にしておきます。
ですが特に小さい盆栽の場合は、花芽の位置もできるだけ枝元近くに付いたほうがいいのです。
そこである程度枝作りが終わって花を付けさせる段階の樹には、新梢を段階的に追い込み、短い位置に花芽を付けさせる方法があります。
まず春から伸びた新芽は、あまり早い段階で芽摘みせず一旦伸ばして力をつけさせます。そして葉が5~6枚くらいに達した頃に先端の葉を摘み伸びを止めてしまいます。
植物は頂芽優性の性質を持っているので、2~3週間の内に残された葉の最も先端部に近い葉の腋から2番芽が伸びてきます。そこでこの2番芽が確認できたら再びその新芽ごと先端部の葉元の下(節と節の中間部分)まで切り戻します。
一度で短く切ってしまうのではなく、葉数を確保しながら徐々に枝元近くに2番芽を吹かせることで、樹勢を損なうことなく残した枝を充実したものに出来るという考え。
これを2~3回繰り返して花芽分化期を迎えることで、樹勢を維持しつつ枝の勢いを抑え、短い位置に多くの花芽をつけさせることが可能になります。
だたし先端を止めただけでは2番芽が吹きにくかったり、品種により追い込みが出来ないものもあります。また追い込みを剪定をしているうちは小枝は増やせないので、花芽を付けさせるための芽摘み法の1つとして覚えておくといいでしょう。
剪定(4月~5月、10月)
若木の剪定
本来花を楽しむ樹種ですから花後の姿はほとんど注目されませんが、盆栽として仕立てる以上はやはりある程度の樹の流れや枝ができていたほうがいいでしょう。
特に入手したばかりの若木では、花は諦めて積極的に枝や根を整理し基本となる樹形作りから始めてください。
枝数を増やしたい場合は、花芽分化期は気にせず春から伸びる枝の芽摘みを繰り返します。
ただし芽摘みはあまり早いうちから行うと枝の力が弱るので、一旦伸ばして樹勢をつけさせることが大事です。
5月頃に葉が5枚程に展開したら、外芽を残して2〜3節のところで摘みます。
元気がよければ6月以降も二番芽が勢いよく伸びてくるので、同じように芽摘みをして枝を増やします。枝を太らせたい場合は伸ば気味にして、欲しい太さを得た段階で切り戻してください。
花芽ばかりつく園芸品種の場合は、花芽分化の前に枝元の葉を切り取ることで葉芽を持たせる方法も知られています。
完成樹の剪定
ある程度樹形ができあがった樹は、その樹姿を維持しつつ花芽も付けせる段階に入ります。
そのためには花芽を意識したこまめな芽摘みと、適期の剪定整枝が不可欠。
枝の更新が早いだけに、せっかく出来た枝も冬の間に枯れることもしばしばありますが、毎年変わる枝の広がりを楽しむつもりで手入れしてください。
桜の剪定は基本的に芽出し前と休眠前に行います。
芽出し前の剪定(3月中~下旬)
多くの品種は芽出しに先駆けて花を咲かせるので、開花期=芽出し前と考えておいていいです。
時期は3月中~下旬頃。花の観賞が終わったらすぐに剪定します。
本格的な剪定は休眠前ですが、花を見るために長めに残しておいた枝は花後すぐに2節で切り詰め、針金で向きを修正するなどの簡単な整姿をしておいてください。
剪定後は新芽が動き出すので適宜芽摘みや徒長枝の剪定をし、梅雨開け~夏の花芽分化期までに各枝を充実させておきます。
休眠前の剪定(11月~12月中旬)
落葉前後の11月頃からは本格的な剪定の適期。
花芽と葉芽を確認しながら不要な枝や伸びすぎた枝を整理し、必要に応じて針金で向きを修正するなどの整枝作業をします。
特に若木ではまず樹形作りが課題なので、積極的な剪定が必須。不要枝は思い切って切り詰めて基本樹形を定め、枝作りを始めてください。
桜の場合、太枝の剪定はできるだけ避けたほうがいいのですが、やむを得ない時は枝の付け根部分まで深めに切り込みます。中途半端に切り残してしまうと肉巻きも悪く、そこから腐れ込みが生じやすくなります。
また、桜の剪定で最も大事な事は傷口の保護。剪定痕から水分が逃げて衰弱の原因になるだけでなく、傷口から腐朽菌や害虫が侵入する危険が高まります。
大きな傷はもちろんですが、小さな傷でも必ず保護剤や癒合促進剤を塗ることを徹底してください。
桜の整枝はあまり寒い時期までやっていると枝枯れを起こすことがあります。1月に入れば活動がはじまるので、落葉後おそくとも12月中旬までには済ませ、厳寒期の剪定や針金かけは控えてください。
