イチイ(一位)の魅力
更新2018年05月22日
一位はイチイ科イチイ属の常緑針葉高木。雌雄異株。
「一位」という名前の由来は諸説ありますが、仁徳天皇の時代に正一位の貴人が持つ笏(しゃく)をこの木で作らせたという話が通説です。
深山性の樹で全国各地の高山に自生種が見られますが、寒冷地では庭木や生け垣として利用され、別名をアイヌ語でオンコ(北海道~北東北地方)、アカギやアララギなどと呼ばれています。
盆栽としては昭和初期頃から北海道や東北地方で作られるようになりましたが、暖地では一位の変種の「伽羅木(キャラボク)」が浸透。
鮮やかで肉厚な深緑色の葉と紅い実が美しく、刈り込みに強い丈夫な性質なので枯らす方が難しいと言われるくらい育てやすい樹種です。
C o n t e n t s
一位と伽羅木
一位の変種に這い性の伽羅木(キャラボク)があり、矮性で葉も小さいので小品ではどちらかというとこちらの方が作られています。
一位は厚みのある葉で寒地向きですが、伽羅木は暖地性で成長が遅く、葉も薄くて小さいのが特徴。
葉の付き方はどちらも互生ですが、一位は左右2列の葉が水平につくのに対し(枝先や上に伸びる葉は螺旋状)、伽羅木は不規則な螺旋状に葉が並ぶため、密生すると輪生しているようにも見えます。
どちらも葉は扁平で互生するものが一般的ですが、礼文や利尻の一位は丸葉で細かく輪生するものや対生種も存在し、自生地によって葉性に違いがあるようです。
庭木の金芽伽羅
伽羅木の園芸品種の黄芽伽羅木(略称キンキャラ)は、鮮やかな黄色の新芽が美しく庭木にも人気。
八房種や小葉性の伽羅木は豆盆栽向きです。
一位、伽羅木の実
一位の実
一位、伽羅木の花期は3月~5月。
淡白橙の目立たない花序が枝にまとまって咲き、秋に赤い仮種皮から種の一部が露出した状態の種子が出来ます。
仮種皮は肉厚で甘く、食べることができますが種子そのものは有毒。
芽摘みの欠かせない一位や伽羅木の盆栽では花や実を見る機会はほとんどありませんが、樹形作りが第一と構えておきましょう。
一位、伽羅木の繁殖法
一位は取木や挿木で簡単に増やすことができます。
もともと太りは遅い樹なので、挿木したものは数年そのまま肥培して枝を走らせておくことで早く幹が太ります。
挿し穂が柔らかいうちに針金などで曲げ付けておけば、幹模様のいい種木を作ることができます。
一位、伽羅木の主な樹形
直幹や斜幹、模様木、懸崖などいろいろな樹形を楽しめます。
一位は材が固いので古枝は針金をかけることが難しいですが、枝が細くて若いうちなら曲がりやすく針金による整枝もできます。
ただし癖は付きにくいので、1~2年はかけたままにしておいて、食い込んできたらかけ直して下さい。
不要枝や幹の一部にジンやシャリを入れてもいいです。
病気・害虫
特にありませんが、新芽にはアブラムシや、幹枝にカイガラムシが付くことがあります。
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