四手(シデ)の育て方

更新日2018/06/20

四手(シデ)の育て方

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四手(シデ)の作業カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
 
芽出し
 
結実 
 
 
 
 
落葉
休眠期
見 頃
 
果苞
果実
紅葉
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰
 
日なた
 
 
軒下など
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1/日
 
2~3/日
 
 
+葉水 
1/日
 
 
1/2~3日
施 肥
置き肥
 
 
置き肥
 
剪 定
 
 
 
 
針金かけ
 
 
       
 
芽摘み
 
 
 
 
   
葉刈り
 
 
       
植え替え
 
 

四手の性質

四手(シデ)はカバノキ科の落葉高木で、盆栽ではアカシデやイワシデ、カナシデ(クマシデ)、イワシデなどが人気です。

古くなると白くなり独特の幹模様が現われ、芽出しや独特の実(果苞)、紅葉、寒樹の姿など四季を通じて楽しむことができます。

成長期はよく枝が伸びてくるのでこまめな手入れが必要ですが、丈夫で初心者でも挑戦しやすい樹種です。

四手の管理場所

日当たりのいい場所を好みますが、小さいものや幼苗は半日陰のほうが安心です。

葉が茂るものは風通しに注意し、夏は日よけの下で管理してください。

冬は風の当たらない場所に移すなどの保護が必要です。

四手の灌水

根が細く水切れに弱いので、とくに夏の水切れには注意してください。

一度水切れすると葉焼けの原因にもなります。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水してください。

四手の施肥

肥料を与えすぎると枝が徒長するので控えめに。

4~6月と9~10月の間に油かすなどの固形肥料を与えて下さい。

四手の病害虫

あまり病害虫の被害に遭うことはないですが、置き場の風通しが悪いと新葉にアブラムシやハマキムシなどがつきやすくなります。

梅雨時期にはうどん粉病にもなりやすいので、ダイセンなどの殺菌剤やスミチオンなどの殺虫剤を定期的に散布してください。

四手の作り方

芽摘み(4月~9月中旬)

柔らかい印象の枝作りが基本なので、細かい芽摘みはしないで一旦伸ばしてから必要な長さを残して摘んでください。

花や実を楽しむ段階の樹なら、5月になれば花芽も分かるようになるので、 花芽のない枝に芽摘みをするようにしましょう。

枝作り段階の樹でも一旦伸ばし、作りたい大きさまで伸びたら枝先を詰めて芯を作ります。その後も次々と枝が伸びてきますが、伸びる度に切るのではなく、葉が5~6枚に達したら2~3節で切ってください。

四手(シデ)の芽摘み

花を付けて初夏に観賞するのもいいですが、何よりも柔らかい枝先が魅力の四手。 樹勢が強く芽吹きも旺盛なので、伸びたら摘むを繰り返して小枝作りをします...

葉刈り(6月~7月)

四手は葉刈りはあまりしませんが、枝の多いもので葉が込み合っている場合は、大きい葉を中心に部分葉刈りすることがあります。

また、葉焼けしてしまって紅葉が期待できない時にも全体を葉刈りして葉を更新することもあります。

葉刈りは事前の十分な肥培管理で樹勢がしっかりついていることが前提。樹勢の弱い老樹や小品サイズのものに無理な葉刈りはしないでください。

四手(シデ)の葉刈り

葉刈りをすると全体の日当たりや風通しがよくなり、蒸れの防止やフトコロ芽が活性化してよりコンパクトな樹姿に作ることができます。 全葉刈りもできますが、葉切りや芽摘...

剪定(芽出し前、秋)

芽摘み同様、あまり細かい剪定をすると枝がゴツゴツした印象になってしまうので、伸ばしてから必要な長さを残して切るのが基本です。

新梢は花芽が分かる5月頃までそのまま伸ばし、花芽を残して間引き剪定や不要枝の整理をしてください。

枝作り段階の樹でも出来るだけ切り戻さないでそのままの枝ぶりを活かし、必要な長さまで達したら先を詰める程度にしておきましょう。

全体の剪定は芽出し前に行います。

秋もできますが、あまり遅くなると枝枯れしてしまうので9月中旬までには終えること。それより遅れると次に出る芽が冬を越せなくなります。

針金かけ(落葉後)

四手は樹皮が薄く、傷がつきやすいので針金かけはあまりしません。

四手らしい柔らかい枝ぶりは芽摘みや剪定だけで充分作ることができます。

どうしても針金かけが必要な場合は、向きの悪い枝を軽く矯正するくらいにしておきましょう。軽い矯正ならいつでもできますが、落葉後の方が作業がしやすいです。

幹模様の矯正が必要な苗木も、針金に和紙やチューブを巻くなどして傷が付かないようにすることです。

針金が食い込むと枝枯れの原因になるので、無理に曲げず針金の食い込みに絶えず注意してください。

植替え(3月)

植え替えは春の芽出し前が適期。

根張りも大事な樹なので、上根を残して全体の1/3程を落としてください。

秋の植え替えも出来ますが、作業が遅れると冬越しに注意が必要になるのでお勧めしません。どうしても秋に植え替えしたい場合は遅くとも9月上旬には終わらせてください。

若木や小品盆栽は1~2年に1回の間隔で植え替えをします。 大きな成木は2~3年に1回を基本にしてください。

観賞段階では浅い鉢に植え付けるのがいいですが、四手は水切れに弱いので仕立て中は少し深めの鉢で管理したほうが根を傷めません。

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コメント

fred さん 2022年03月22日22時40分
こんにちはキミちゃん

韓国のシデも手伝ってくれませんか。どうしたらいいのかわからない。複数のミニ盆栽に重ね着することを考えていました。ミニ盆栽が一番好きです。しかし、それが良い考えかどうかはわかりません。どう思いますか?

盆栽は難しいです笑私はあなたが助けることができればとても幸せです!
きみこ さん 2022年03月23日08時46分
fred さんへ

こんにちは!
あくまで私の意見ですが、上の部分はとてもいい部分なので取木します。
でも、下の枝は全て横枝として伸びているので、取木してもいい結果にはならないでしょう。

私なら、写真のように、樹を倒して、幹の下半分から根を出させて「イカダ作り」のようにします。
根元が繋がった樹が数本立ちます。面白い樹形です。

その場合は、幹半分の形成層を露出させ、鉢をそのまま倒して、大きな箱に埋めておきます。
根が安定するまで2~3年はかかるかもしれませんが、面白いと思います。
fred さん 2022年03月23日18時34分
私はそのアイデアが大好きです。たくさんキミちゃんありがとう!

木の上半分のレイヤーカットはどこで行いますか?

黄色は細い幹のようです
きみ さん 2022年03月24日08時12分
fred さんへ

黄色よりは赤のほうがいいのでは?
Frederik Eichen さん 2022年03月25日18時38分
はい、そう思います!

黄色はいいトランクではありません!

キミちゃんありがとう!!!
しゅうじ さん 2023年11月09日16時33分
盆栽初心者です。

ネットでイワシデを入手しました。
既に落葉した状態でした。剪定の時期について教えてください。

イワシデの剪定については、落葉後間を置かずに、枝ごとに芽を2個残して切り戻す・・・と考えていましたが、『シデの作業カレンダー』では剪定適期は3、5~6、9月となっています。

そもそも11月は剪定しない方がいい時期なのでしょうか。
きみ さん 2023年11月10日08時59分
しゅうじ さんへ

シデのカレンダーがまだちゃんとかきこめていなくてすみません。
紅葉が始まる9月~11月頃の間は剪定時期ですので、安心して剪定してみてください。

シデは一箇所から2本以上芽がでたり、枝元に芽がついたりしやすいので、必要ないものは元から取るといいと思います。

全体の形(輪郭)をみて、上の枝は短めに、下の枝は長めに残すといいと思います。
一応書き込みをした写真を載せますので、参考になさってください


宜しくお願いします。
しゅうじ さん 2023年11月11日00時47分
きみさんへ

剪定についていろいろ教えていただき、ありがとうございました。写真にも書き込んでいただいて嬉しいです。

あとひとつ聞いていいですか。
今回のイワシデの木は、高さ18㎝程の大きさですが、中品~大品(50~60㎝)の盆栽にしたいと思ったら、これからあとどれくらいの年数がかかるものでしょうか。

漠然とした質問ですみません。
きみ さん 2023年11月11日16時55分
しゅうじ さんへ


あら、大きくしたいのですね~
大きくするのなら剪定はあまりしないで、肥培してそだてればどんどん大きくなる樹ですよ。
だた、中品以上の盆栽となると「ただ大きい樹」でなく盆栽にするにはやはり10年以上、20~30年はかかるのではと思います。

太らせてから、枝をつくらねばならないので、サイズと樹勢のバランスがとれるようになるにはそのくらいはみておいたほうがいいかと。

大きめの盆栽をつくりたいのであれば、大きめの素材を探してみるのが早いと思います。
最近は小品の方が高く、大きいのは意外と安くなっていることもありますので。