四手(シデ)の葉刈り
四手類はあまり葉刈りはしませんが、一部の大きい葉を部分葉刈りしたり、葉量が多い場合に全体の葉を透かすことがあります。
葉刈りをすると全体の日当たりや風通しがよくなり、蒸れの防止やフトコロ芽が活性化してよりコンパクトな樹姿に作ることができます。
全葉刈りもできますが、葉切りや芽摘みでも十分に効果があるので、木の状態をよく観察してやりかたを決めてください。
シデの全葉刈り
葉数が多いものや、葉が焼けてしまってそのままでは秋の紅葉を楽しむことが期待できない時には、葉が固まる6月中~7月上旬(梅雨頃)に全葉刈りを行います。
写真1:カナシデの葉柄
シデの葉柄は種類によって長いものと短いものがあり、また枝先の葉柄はハカマに包まれた状態になっています(写真1)。
まず先に伸びすぎた徒長枝を適当な長さまで切り詰め、葉柄が短く鋏が入りにくい場合は無理せず葉を少し残して切り取ってください。
下枝やフトコロの弱い枝の葉は葉刈りせずに残しておきます。
葉刈りが終われば全体がよく見えるので、不要枝を整理したり全体を短くまとめます。
頂芽が特に強く伸び、フトコロ芽が動かないことがあるので、芽を確認しながらできるだけ短い位置で切り戻すようにしてください。
シデの葉切り
葉切りは全葉刈りよりも木への負担が小さく、日当たりや風通しの改善には十分な効果があります。
時期は6月中~7月上旬頃で、まずは長く伸びた徒長枝を適当な長さで剪定します。
次に葉を軽く縦半分に折って1/3~1/2程残るように切ってください。
切り方に決まりはありませんが、折った状態にしたときに枝に向かって斜め上方向に切ると、元の葉の形状に近くなり目立ちません。
シデの葉切りは主に外側の大きい葉に行い、各枝の葉面積がだいたい同じになるように調整します。
仕立て中の作業とはいえ、そのまま秋に観賞することもあるので切り方が同じになるように丁寧に行うことも大切です。
下枝やフトコロの小さい葉は葉切りする必要はありません。
葉切りしたあとは全体が見えやすいので、不要枝を整理し、長い枝は切り戻して全体を小さくまとめます。
葉の付き方は互生で芽も交互についているので、できるだけ外芽を残すように次に伸びる枝の方向を考えながら1~2芽残して剪定してください。
フトコロに芽が吹けば更に追い込むことができます。
太らせたい枝や芯にする予定の枝は葉刈りや葉切りせずにそのまま伸ばしておきます。
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