ピラカンサの芽摘み

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ピラカンサには赤実のトキワサンザシ(常磐山査子)や、橙黄実のタチバナモドキ(橘擬)などがあり、これらを総称してピラカンサと呼んでいます。

丈夫で樹形作りもしやすく、小葉性や小実の品種も多く、盆栽でも冬に鮮やかな実を付ける実物盆栽の代表的な樹種の1つです。

ピラカンサの枝は春から伸びてきますが、その芽摘み(剪定)時期がトキワサンザシとタチバナモドキで異なるのでこの頁で抑えておいてください。

ピラカンサの花芽分化と芽摘み

トキワサンザシとタチバナモドキの花期は5月~6月頃。

どちらも花や実の成る時期や形が似ていますが、花芽分化の時期が異なるため、タチバナモドキをトキワサンザシと同じように芽摘み剪定しているといつまでも花芽を付けることができません。

特にタチバナモドキは花芽の出来る時期が早いので、芽摘みや剪定時期には注意が必要です。

トキワサンザシの花芽分化は10月~11月頃で、タチバナモドキは開花直後の6月頃に翌年の花芽が分化し、いずれも翌年の5月~6月に開花します。

普通、実を楽しみたい場合は、花芽形成の2ヶ月前くらい前から剪定を控え、花芽分化期までに各枝を十分に充実させておく必要があります。

つまり花芽を付けさせるためには、トキワサンザシは8月頃まで、タチバナモドキは開花前の春先3月~4月初旬頃までに芽摘みや剪定を終わらせておいたほうが無難です。

ピラカンサの若木の芽摘み

若木時代は樹形作りが一番の課題ですから、肥培管理をしっかり行いながら各枝に十分に力をつけ、将来枝となる芽数を増やすように心がけてください。

ピラカンサは雌雄同花で、放っておいても花の数だけ結実してしまいます。

実をつけさせたままだとその分樹が力を消耗し、弱い枝しか出なくなってしまいますので、開花しても結実しないように早めに切り取ってください。

トキワサンザシの若木の芽摘み

トキワサンザシの芽摘みは基本的には花後5月頃に2~3節残して短く切り詰めます。

2番芽もあまり伸びるようでしたら先を止めておきます。

弱い芽はそのままにしていいですが、管理がよければ6月~8月の間には徒長してきますので、これも2~3節残して切るようにしてください。

タチバナモドキの若木の芽摘み

まだ基本樹形のできていない若木や未完成樹ならば、花や実を諦めて先に樹形作りをすることが課題なので、トキワサンザシと同じ要領で適宜芽摘みをして小枝を増やすようにしてください。

ピラカンサは強剪定をしても芽が出てくるほど萌芽力が強いのですが、太枝を切ると次に伸びてくる枝が若返り暫く花芽を付けてくれなくなることがあります。

仕立て中は花や実を期待せず樹形作りを心がけてください。

ピラカンサの完成樹の芽摘み

ピラカンサの刺状の枝

ピラカンサの刺状の枝

性にもよりますが、普通ピラカンサの花芽の付く枝は、トゲの有無で分ります。

ピラカンサには刺状の短い枝があり、トゲのある短くて充実した枝に花芽がつきます。トゲのない徒長枝には花芽は付きません。

完成樹は実を付けることが大切ですから、トゲのある枝や短果枝を特に大切にします。

トキワサンザシの完成樹の芽摘み

トキワサンザシの場合、徒長枝は5月頃から芽摘みができますが、さらに6月頃になれば結実した枝としない枝が分かるようになります。

トキワサンザシの花芽分化期は10月頃なので、芽摘み後に伸びてきた枝は8月頃までなら適宜芽摘みや剪定をしても大丈夫です。

ただしあまり細かい剪定や芽摘みは控え、一度伸ばしてから切り詰めるようにしてください。

タチバナモドキの完成樹の芽摘み

タチバナモドキの芽摘みは芽摘みというよりも前年枝の剪定をします。

タチバナモドキは「実がつきにくい」と言われていますが、その理由は花芽分化期を考えずにトキワサンザシと同じ要領で春から伸びる枝に芽摘みをしてしまうからです。

タチバナモドキは開花直後に花芽ができるので、春先3月~4月頃までには剪定を済ませ、その後に伸びてくる枝はそのまま伸ばしておいてください。

初夏になれば花芽のつく刺状の短い枝が確認できるようになるので、大きめの古葉を刈って枝の徒長を抑えます(新芽は切らないように)。

秋にはこの刺状の短い枝を残して、樹冠から飛び出した徒長枝や不要枝を整理しておいてください。春先に行っても構いません。

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