欅 (ケヤキ)の芽摘み

投稿日:2018/06/15 更新日:2020/07/01

欅の芽摘み

欅は芽吹きが旺盛な樹で、樹形作りのほとんどは芽摘みや剪定が占めています。

すこし目を離せばすぐに枝が伸長して間延びしたり太くなったりしてしまうので、成長期の間は丹念な芽摘みや剪定で小枝を充実させていくことが最重要ミッション。

欅は自然樹形に習って、まっすぐの幹に細かい枝が分れたような樹形にするのがよく、箒作りや直幹段作りの他、株立ち風に仕立てるのもよいものです。

 

芽摘み時期と方法

欅は芽出しがやや遅めなので、芽摘みも4月に入ってからです。

新梢が4~5節くらいに伸びた4月下旬~5月上旬頃が適期で、まだ葉や軸が柔らかく指で摘めるくらいが目安。

鋏を使わないと摘めない段階は遅すぎで、タイミングが遅れると節が間延びして枝がゴツくなってしまいます。

弱い枝や枝作り段階のものは一旦伸ばして切り詰めますが、ある程度小枝の出来ているものは時期が遅れないようにしましょう。

芽摘みの方法は、輪郭線を意識しながら伸びる芽を2~3節のところで摘み取ってください。

欅の芽摘み

下枝やフトコロ枝ほど長めに、頂部の強い芽ほど強く摘まれるので全体の力が平均化されます。

芽摘みは一度に全部を行うのではなく、伸びてきた枝から順に行うこと。

成長期の間は毎日のように芽を伸ばしてくるので、9月頃までは輪郭線を維持するように芽摘みを繰り返してください。

あまり遅くまで芽摘みをやっていると樹勢が弱って冬越しに影響するので、ある程度伸びが止まった時点で早めに芽摘みは終わらせておきましょう。

芽摘みと葉刈り

樹勢が強く芽吹き旺盛な欅は毎日のように芽摘みをして伸びを止めますが、芽摘みだけ繰り返していても残した枝の先端の芽だけが動いて段々大きくなってしまいます。

芽吹きの力に加え頂芽優性の強い欅は、芽摘みと同じくらい葉刈りの役割も大きいのです。

フトコロ芽を刺激し、内部の弱い枝を守るためにも、葉刈りをして日当たりや通風条件を改善させましょう。

葉刈りの時期は6月中旬頃。

やり方は葉を葉柄ギリギリのところで1枚1枚切り取ります。基本は全葉刈りですが、弱い枝につく葉は小さいのでそのままにしておいてください。

葉刈り後も芽吹きは旺盛で、伸び出すものから随時芽摘みをしてください。

大きいものは2~3回の葉刈りができますが、小さいものは葉刈りは出来て1回。場合によっては葉切りで済ませることもあります。

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コメント

樹 さん 2021年03月30日23時28分
いつも楽しく拝見させていただいています。
今年から欅を育てています。芽摘みのことで教えてください。
今年は暖かいからか、既に葉姿になり、芽も伸びてきているので芽摘みを行なっています。外回りは4.5節伸びて輪郭線からはみ出しているような芽を摘んでいますが、中の方のふところ芽については輪郭線に到達していなくても、外回りと同様に4.5節伸びた時点で摘んでしまっていいのでしょうか。それとも、輪郭線まで到達しないのであれば摘まないほうがよいのでしょうか。
きみ さん 2021年03月31日09時12分
樹 さんへ

こんにちはいつもありがとうございます。
芽摘みの要領は目的によっても違うのですが、考え方としてはこれ以上伸ばしたくないもの(取らせたくないもの)は早めに摘み、枝として伸ばしたい所はやや長めにして必要な所で摘みます。

内側の弱い枝を外側と同じ考えで摘むとどんどん弱くなってしまうので、何節と決めずに必要な所まで伸ばして摘んだ方がよいと思います。
逆に強い枝は葉も大きくなるので、芽摘みと葉刈り(葉切り)を合わせて力を押さえたりします。

失敗しても次に出る芽でリカバリーできる樹種なので、全体のバランスをみて摘む強さを適当に決める感じでよいです。
樹 さん 2021年03月31日12時39分
早速のご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
色々試しながら楽しみたいと思います!