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芽摘み

2018年04月25日

芽摘み

新芽がほころび樹が活動を始める春は、芽摘みに忙しくなる季節です。

広義では剪定と同じ原理ですが、芽摘みは新梢の一部分を摘み取ることを指しています。

春最初に出る芽は、秋から冬の間に蓄えた力の分伸びが強く、そのままにしているとどんどん伸びて太くなってしまいます。

そこで、この芽を途中で摘んで勢いを止め、次に出る芽の勢いをおさえる必要があります。

芽摘みには剪定と違った目的や方法があり、特に芽吹きの強い松柏類や雑木類には欠かせない作業。その原理と合わせて正しい時期や方法を知り、盆栽作りに活かしてください。

芽摘みの原理

ほとんどの植物は春になると芽が活動を始め、初夏の頃まで伸び続けます。

枝の基部には次の年に伸びる芽(腋芽)が待機していますが、特別なことがない限り活動することはありません。さらに上へ上へと枝を伸ばす頂芽優性の性質があるため、前年の芽は眠ったまま先端の枝が伸びていきます(図1)。

芽摘みの原理

図1:自然の枝の生育

ところが強風や落石による枝折れ、病害虫や害獣による食害、異常天候などに晒されることで枝が失われると、植物は失った葉を取り戻すために腋芽を動かし、新たな葉を出そうとします(図2)。

芽摘みの原理

図2:枝を失った場合の枝

この植物生理を利用したものが芽摘みや剪定。

剪定は一言でいうと幹や枝、根を適当な位置で切り、枝の分岐を期待すると同時に全体の樹姿を整える意味合いが濃く、芽出し前や秋に行うことが多いです。

対して芽摘みは春から伸びる新梢(しんしょう)を途中で摘み、芽の勢いを抑え小枝を増やす効果を期待して行います。

芽摘みの効果

芽摘みの効果は枝を増やすことだけではなく、葉の数も増えるので光合成や同化蒸散作用も促進され、植物の生育がよくなるという良い結果ももたらしてくれます。

また盆栽の姿としては、葉も樹の大きさに見合って小さくなければおかしな姿になりますが、芽摘みで枝を切り詰めた後に出る葉は小さくなり、古木の姿により早く近づけることができます。

芽吹く力が旺盛な葉物類では1年に5~6回の芽摘みを行うことも可能で、言い換えると1年間で5~6年間分の成長を遂げさせることが可能になります。

その他にも、芽摘みには沢山の効果があります。

  1. 枝数を増やすことができる
  2. 次に出る葉が小さくなり、幹と葉の大きさに調和がとれる
  3. 枝の太りをおさえる
  4. 強い芽を切ることによって、全体の枝の強弱を調節することができる
  5. 余分な枝を早めにとることで切り口も小さく済み、採光や通風がよくなる
  6. 植物の生長を早め、盆栽としての鑑賞価値があがる

頂芽優勢と芽摘みの関係

直立性の植物は特に、頂部の勢いが強く上に上に伸びようとします。

反対に下部の枝には成長抑制物質が作用していると考えられていて、自然状態では頂部ばかり元気で下枝は弱々しくなっていることに気づくはずです。

この生育の強い頂部の芽を摘めば、頂部に作られた成長ホルモン(オーキシン)の作用が抑制されて、下部の勢いもついてきます。

芽摘みはこの生体反応を利用して、樹全体の生育を均等にするために行いますが、針金で枝を下げたりすることで同じような効果があります。

花芽分化と芽摘みの関係

松柏類や葉物類は小枝を作るために小まめな芽摘みを繰り返しますが、花物や実物類の主役はやっぱり花や実ですから、観賞段階の樹はまず花を付けさせることが重要課題です。

そのためには、花芽(かが)分化時期について理解し、適切な時期に芽摘みを行わなければいけません。

花は植物学上、葉が変化したものと言われていて、芽は最初から「葉芽」「花芽」と決まっているわけではありません。花芽が多く付くように改良された園芸品種は別ですが、通常花芽は温度や日照時間・植物ホルモンの変化など様々な刺激が要因となって形成されます。

樹種によって多少異なりますが、ほとんどの植物の花芽分化の時期は初夏7月~9月頃の間。春から勢いよく伸びる枝もこの頃になると落ち着き、来年の花芽を作る準備に入ります。

花芽形成と芽摘みの時期

図:花芽分化と芽摘み時期の一例

目安としては花芽形成の約2ヶ月前には芽摘みを終わらせ、各枝を充実させておく必要があるため、芽摘みが出来る時期は意外と限られています。

せっかくついた花芽を芽摘みや剪定で落としてしまわないように、それぞれの樹種の芽摘み時期をおさえておきましょう。

芽摘みの方法

芽摘みの時期

芽摘みは新芽が伸びてくる春から初夏の間に行いますが、樹勢の強いものは秋口まで行うこともあります。

反対に完成樹や古木は樹勢が落ち着き新芽の伸びる力も弱いので、芽摘みの頻度も少なくなります。

芽摘みの時期はまだ枝が柔らかく摘めるタイミングがよいですが、樹種によってはあまり早いと思ったように2番芽が伸びなかったり枝枯れすることがあります。基本は少し伸ばし気味にして樹に勢いが付いてからがよく、広葉樹ですと新梢の葉が4~5枚展開した頃が適期です。

芽摘みの時期

杉や杜松(トショウ)、蝦夷松、唐松なども新芽が開いて新しい葉が伸びてきたころがよく、松類の場合は新芽が伸びてまだ葉が出始めていない「ミドリ」と呼ばれる時期が最適。

モミジの芽摘み時期

節の短い枝を作ることが大事なモミジは早いほどよく、難易度は高いですがまだ稚児芽が顔を出さないうちの「ハカマ取り」も有効です。

芽摘みは樹種よって適期や方法が違うので、詳しくは樹種別の芽摘みを確認してください。

摘み方

芽摘み

芽摘みの目的はまずなんと言っても小枝を増やすこと。

芽は1~2節残して摘むのが原則で、これによって盆栽自体が大きくなるのを抑えながら枝数を充実させることが出来ます。

ただし、すべての芽を同じように摘んでいると必ず強弱の差が生じます。

そこで弱い枝には芽数を多く残して葉量を確保し、枝をしっかりさせてから小枝作りをしましょう。

反対に強すぎる枝や徒長枝は1つだけ芽を残して力を抑えたり、1つも芽を残さずに不定芽を期待する方法などがとられます。

若樹と老樹の芽摘みで気をつけること

若い樹は成長が早いので、枝を切り詰められても直ちにつぎの枝を出そうと活動を始めます。

芽摘みはこの生理反応を利用して枝先を細かく作り、人工的に樹形を整えていくことが可能になります。

反対に、老樹は生育力自体は比較的弱いですから、徒長枝が時折でてくるくらいで強い枝がでるようなことはあまりありません。

ですから老樹に若木と同じようなペースで芽摘みをしてしまうと、反って樹勢を衰えさせてしまいます。

老樹の芽摘みは枝数を増やすことよりも、全体の勢力を均等に保つことを目的として行います。

新芽には害虫がつきやすい!

柔らかい新芽はハマキムシやアブラムシ、ダニ類、カイガラムシなどの病害虫の大好物。

幹や葉裏など発見しにくい場所で繁殖するので早めの対処が必要です。

特に芽出しから新芽の伸びが落ち着く5月~6月の間は、スミチオンマラソンサンヨールなどの殺虫剤や殺菌剤を定期的に散布して大切な新芽を守ってやりましょう。

スミチオン乳剤(殺虫剤)

スミチオン乳剤

有効成分:フェニトロチオン(英称:MEP)

効果のある害虫:アブラムシ類、エカキムシ類(ネギコガ、マメハモグリバエ、ヨメナスジハモグリバエ)カイガラムシ類、カキノヘタムシガ、ツツジグンバイ、ケムシ・アオムシ類、コガネムシ類、コナジラミ(タバココナジラミ、ミカントゲコナジラミ)、オオタバコガ、チャドクガ、ネキリムシ、シバツトガ、ハマキムシ類、アカフツヅリガ、ヨトウムシ類(スジキリヨトウ、ハスモンヨトウ、ヨトウムシ)、カキノヒメヨコバイ、ケラ、フタテンヒメヨコバイ、ゴボウノミドリヒメヨコバイ、コナダニなど(※住友化学園芸より抜粋)

マラソン乳剤(殺虫剤)

マラソン乳剤

有効成分:マラソン

効果のある害虫:アザミウマ類、アブラムシ類、ワタムシ類、エカキムシ類(ナモグリバエ、ネギハモグリバエ、ハモグリバエ)、カイガラムシ類、ケムシ・アオムシ類、ウリハムシ、イラガ類、ハダニ類、ハマキムシ類、マメシンクイガ、ヨトウムシ、オンブバッタ、カメムシ類、コガネムシ類など(※住友化学園芸より抜粋)

樹種別の芽摘み

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世田谷区にいましたが、盆栽のための広い土地を求め移住計画中。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りも楽しんでいます。

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