モミジ(紅葉)の魅力
投稿日:2015/3/2 更新日:2020/10/24
本ページに記載の商品・サービスは広告を含むことがあります。
モミジ(紅葉)はムクロジ科カエデ属の落葉高木。
カエデ類の仲間で、秋に木々の葉が赤く色付くことを指す「紅葉する」という字が当てられる程、秋の色彩の変化が美しく、古くから日本人に愛されてきました。
モミジ盆栽の位置づけは葉物樹種の中でも特別で、葉性の優れた品種が日本で多く作られており、世界的にも人気を集めています。
C o n t e n t s
1. モミジの種類
モミジとカエデ
ヤマモミジ(左)と唐カエデ(右)
モミジとカエデは同じカエデ属の仲間で、植物学上の区別はなく、園芸界では葉先が5~9裂し、且つその切れ込みの深いものをモミジ、浅いものをカエデと習慣的に区別しています。
一般にモミジと言えば比較的葉の小さいイロハモミジを指し、その名の由来は葉の裂片を「イロハニホヘト」と数えたことからその名前が付いたと言われています。
山野で見られるイロハモミジや本種の亜種(またはオオモミジの変種)のヤマモミジは、裂片の先が細長く尖った日本人に馴染み深い形をしています。
葉はカエデよりも薄く端正な形をしていて、芽出しや紅葉は一際鮮やかですが、カエデよりもやや樹勢が弱く葉を傷めやすいので、特に夏の管理には注意が必要です。
バリエーション豊かなモミジと人気の品種
日本は世界でも稀に見るモミジの種類の多さを誇っていて、世界に約160種あるカエデ属のうち、約30種近くが日本に自生しています。
モミジの仲間には野生種や園芸品種、その中間種の他、同じ種類でも自生地によって変異が見られ、葉形や色味、大きさは多様です。
盆栽で使われるモミジには、イロハモミジ系とヤマモミジ系の2系統があり、小品盆栽では葉が小さく細やかで、新緑や紅葉の美しい品種が好まれます。
イロハモミジ系統
イロハモミジ系のモミジは江戸時代から親しまれ、小葉で切れ込みの深いことが特徴です。
原種の葉は手のひら状に5~7裂し、全体に丸味のある印象。自生地によっていろいろな変種や亜種があり、園芸品種も数多く存在します。
イロハモミジ系統には、芽出しが赤く綺麗に紅葉する品種が多く、総称して春モミジと呼ばれます。
代表的なものには、出猩々(デショウジョウ)や紅千鳥(ベニチドリ)、千染(チシオ)、曙(アケボノ)、置霜(オキシモ)、日笠山(ヒガサヤマ)、旭鶴(アサヒヅル)、清玄(セイゲン)など。
出猩々は春モミジの代表的な品種で、新芽は真っ赤に紅葉し、春から初夏にかけて段々と緑色に変化します。
ヤマモミジ系統
ヤマモミジ系のモミジの原種は主に日本海側に自生していたもので、丈夫で成長が早いのが特徴です。葉は深く5~7裂し、芽出しや紅葉が特に美しいので盆栽向きの品種が多くあります。
八房種では肉厚で縮れ葉の獅子頭(シシガシラ)や、葉が小さく芽出しの美しい清姫(キヨヒメ)。
極小葉で節目の細かい極矮性の琴姫(コトヒメ)。主に葉が5裂する舞姫(マイヒメ)や7裂する織姫(オリヒメ)も葉が小さく、ちいさい盆栽向きです。
ヤマモミジの変種には獅子頭のように葉形の変わったものも多く存在し、細長く揺れる葉が涼しげな青枝垂(アオシダレ)、赤枝垂(アカシダレ)、エメラルドレースの他、葉に細かな脈斑の入る鴫立沢(シギタチサワ)も人気です。
その他、葉が糸の様に細長い七五三モミジや、斑入りの浮雲(ウキグモ)など多様な種類があることが、モミジの最大の魅力と言えます。
2. モミジの種木の入手と繁殖法
モミジの種木は実生の他、取木や挿木、接木で増やすことができます。
挿木の成績はいいものは、ヤマモミジや織姫、舞姫、琴姫など。比較的成績の悪いものは枝垂れモミジや紅千鳥などですが、挿木が難しいものも高確率で取木ができます。
春撒きのため保存しておいた種は、一昼夜水に漬け、沈んだものを撒く(左)。網伏せには網戸ネットやストッキングなどをつかうといい(右)
モミジは種が入手しやすく生育も早いので実生がお勧め。挿木や取木と違って、親の形質と異なるものが出る可能性はありますが、葉性のいい樹を見つけたら種を採取しておきましょう。
低温要求種子なので、秋に採取した種は春まで冷蔵庫で保管するか、取り蒔きして寒さに晒してください。
網伏せで曲の付いた素材。緩いと太る過程で曲が消えてしまうので、夏頃までは外さない方がいいかもしれません
軸は真っ直ぐに伸びる性質なので、網伏せなどで自然な幹模様をつけておくと面白い素材を沢山つくることができます。
3. 関連ページ
モミジの仲間は山野の谷沿いや平地、低地の森林などの明るく風通しのいい場所を好みます。本来は好光性の樹木ですが、西日を嫌うため、夏場は強い日差しに直接当てない工夫……
モミジの春の手入れで最も重要な作業が芽摘みです。芽出しの時期には毎日のように新しい芽が伸びてきますから、丹念に芽摘みをして細かい枝作りを目指します。ある程度形が……
モミジはカエデの仲間ですが、カエデよりも樹勢が弱く、葉刈り後に調子を崩しやすい性質があります。そのため全葉刈りのような負担の大きい作業を何度も行うことはできませ……
コメント
- meika さん 2018年03月10日18時36分
- 何でも盆栽にして、その環境、自生地や容姿を参考にしながら、盆樹を盆上に表現出来れば最高です。
『モミジの主な樹形』の写真の様に、ミニ盆栽として挿木苗【矮性琴姫モミジ】を作ってみました。2018年03月10日
初めての試案で、親樹の枝先にある、発芽時の幼葉の赤い2枚葉をカミソリで切り、発根するかと試案したが、ものの見事に枯れて失敗しました。また、挑戦してみます。
少し太めの『緑葉挿し』は成功しました。成功率は100%でした。
本日、親指程の大きさのミニ鉢に定植しました。これは、計画通りの完成で、肥料は少しの水肥で1年間は育てていきます。
【ただ、何度も創意工夫するが街(新大阪)で、紅葉しないのが残念です。】 - きみ さん 2018年03月11日09時24分
- meika さん
楽しそうですね。最後の道具入れ?かわいいですね - ヒョウ さん 2022年02月25日12時59分
- しんとうさん
こんにちは。
いつも有難うございます。
アカシダレはここ3,4年、毎年タネを採取しては
撒いてきましたが、発芽した試しがありません。
実生では難しい品種なのか、はたまたやり方が間違ってたのか
よく分かりません。もし、正しいやり方があれば是非お伺いしたいです。
宜しくお願いします。 - きみ さん 2022年02月28日18時23分
- ヒョウ さんへ
お返事がおそくなりすみませんでした!
わたしはシダレの実生はしたことないですが、発芽率はそんなにわるくはない筈です。
どんな撒き方していますか?
2番くらい吸水させて、真冬にまくといいですよ~ - ヒョウ さん 2022年02月28日19時45分
- しんとうさん
お忙しいなか、返信有難うございます!
いつもは、秋に採取したタネを湿らせて
冷蔵庫で保存し、この時期に取り出して
土に植えるやり方です。
しんとうさんのアドバイスに従い、今年は
真冬に撒きます。2番吸水とありますが、その
やり方お伺いさせてもらっていいですか。
宜しくお願いします。 - きみ さん 2022年03月02日08時28分
- ヒョウ さんへ
すみません、2番じゃなくて、2晩の間違いでした。
1日1回以上水を替えて、しっかり水を吸わせています。 - ヒョウ さん 2022年03月02日08時41分
- しんとうさん
おはようございます。
2晩吸水、分かりました!
今年やってみます。
ありがとうございます。