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長寿梅(チョウジュバイ)の剪定

長寿梅の剪定

長寿梅(チョウジュバイ)は剪定を繰り返すことで小枝が増え、株元から出るヒコバエを利用した株立ちや根上がりなど、全体にフワッと枝が解れた叢生(そうせい)樹形に仕立てられることが多いです。

矮性種で木瓜(ボケ)に比べて成長が遅く、枝が太りにくいので小品盆栽でも定番の樹種。

部分的な針金かけもしますが、長寿梅の樹作りの基本は剪定や芽摘みに終始。種木のうちに基本となる幹筋を作れば模様木にもできます。

花を観賞するものなので実を付けることはありませんが、四季咲きなので年に数回飾って楽しむことができます。

長寿梅の剪定の基本

芽摘みと葉刈り(5月~9月)

成長期の間は新しく伸びる枝を輪郭線に沿って切り詰める芽摘みが主な作業で、これを繰り返すことで小枝を増やします。

長寿梅はあまり早いうちに切ると枝枯れしやすいので、枝の伸びが落ち着き、葉の組織が固まってから芽摘みすることがポイント。

春から伸びた新梢が7~8cm程に伸び、葉を触るとカサカサと乾いた感触になる5月~6月頃に最初の芽摘みをしてください。

小枝がある程度出来た段階の樹なら、少し早めの4月頃(新芽の長さが4~5cm程度)から芽摘みしてもいいです。

芽摘みの基本はまず全体の輪郭線を定め、そこから飛び出す徒長枝を鋏で切り取ります。

芽摘みが終われば細かいところを見て不要枝を整理。枝先が二叉になるようにゴツい枝や重なる枝を切除し全体によく光が当たるようにしてください。

長寿梅の芽摘み

長寿梅の芽摘み(6月上旬頃)

最初の芽摘み後も2番芽が勢いよく伸びてくるので、1ヶ月半~2ヶ月の間隔で9月頃まで輪郭から飛び出す強い芽を切り取ってください。

長寿梅の花芽分化は真夏の頃。徒長枝には花芽は付かないので、長く伸びる枝は芽摘みや剪定で短く切り詰めていると、元のほうに花芽が付く短枝を持つようになります。

長寿梅の枝のでかたは互生で、芽は葉の腋だけでなくトゲの元にもあります。芽あたりを確認しながら、出来るだけ外芽を残して摘むと自然に枝先のほぐれた姿になります。

枝元を太らせたい時は少し伸ばし気味にして、狙った太みを得た段階で短く切り戻して小枝作りを初めてください。

ここまでは通常の芽摘みですが、長寿梅は頂芽優性が強く、単に芽摘みしただけでは先の1芽しか伸びず思ったように枝が増えてくれません。

そのため芽摘みと一緒に葉刈りをすることによって枝元やフトコロの芽を動かすことができます。

長寿梅の葉刈り

前年の秋から肥培管理がしっかりできていて、樹勢がのっている枝作り中の若木や、枝が込んだ樹は年に2~3回の葉刈りができます。

葉刈りは小枝を短期間で増やすだけでなく、樹内部の風通しや採光を改善することで蒸れ防止、病害虫予防やフトコロ芽の活性にも効果があります。

長寿梅は頂芽優性が強く部分的に葉を取ってもほとんど効果がないので、芽止まりした短枝も含め全ての枝に対して葉刈りをすることがポイント。

適期は5月~10月頃の間の芽摘みと同時に行うのがよく、残した枝の葉を鋏で1枚1枚丁寧に全て切り取っていきます。

葉刈りにより全体の姿が見えるので、不要枝の剪定や針金かけもしやすくなります。

ただし年に複数回の葉刈りは枝数を増やしたい元気な樹に対して出来ることで、古木にはお勧めできません。葉刈り前には事前の十分な水やりと肥培が必要ですが、古木に樹勢を付けすぎると幹肌が若返って樹皮が剥がれたり、急に枝が徒長して樹姿を乱す原因になるからです。

また、管理の仕方や自然現象で葉をふるったり調子を崩すケースもよくあるので、肥培したからと無理に葉刈りしてはいけません。

古木でも時には太枝を抜いたり葉刈りをして強制的にフトコロ芽を動かす必要がありますが、小さな盆栽なら何度も葉刈りをしなくても芽摘みや剪定でゆっくり小枝を増やせばいいのです。

効果は大きいですが必ずやらなければいけない作業ではないので、樹の勢いを見ながら葉刈りの必要性があるかどうかを考えて行ってください。

剪定(10月~11月、2月~3月)

長寿梅の本格的な剪定は秋の休眠期に入る頃(10月~11月)か、春の芽出し前(2月~3月)に行います。

芽摘みを繰り返し増えた小枝は2又分れになるように整え、輪郭線からはみ出した徒長枝や不要枝、冬の間に出た枯れ枝などを処理します。

秋以降は花芽がすこしふっくらし葉芽との区別が付きやすくなっているはずなので、花芽と葉芽を確認しながら剪定することが大事。

長寿梅の花芽は今年伸びた短枝だけでなく、前年枝や前々年枝の基部にもつきますが、花芽だけを残して剪定するとその枝は枝分れ出来ずにやがて枯れてしまうので、葉芽を2節ほど残して剪定するようにしてください。

太枝もこの時期に剪定しますが、長寿梅は肉巻きが悪く灼け込みを起こしやすいです。

切り口から菌が侵入しないように、小さな傷でもトップジンやカットパスターなどの保護剤を塗っておきましょう。

ヒコバエの剪定

ヒコバエの剪定

不要なヒコバエは地際で切除

長寿梅は根元から盛んにヒコバエが伸びてきますが、これを利用する予定がなければ本体が弱るので早めに元から切り取ってください。

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世田谷区にいましたが、盆栽のための広い土地を求め移住計画中。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りも楽しんでいます。

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