深山海棠(ズミ)の育て方

投稿日:2013/05/06 更新日:2020/04/30

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深山海棠の作業カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
芽出し
 
 
 
 
 
 
 
落葉
休眠期
 
 
花芽形成 
 
 
摘果
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰 
 
日なた 
 
 
 
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
 
2~3/日
 
 
 
1~2/日
 
1/2~3日
施 肥
 
花後 
 
 
 
剪 定
 
花後
 
 
針金かけ
 
 
 
 
 
植え替え
 
芽摘み
 
             

深山海棠(ズミ)の性質

深山海棠はバラ科リンゴ属の落葉小高木。雌雄同株。花が花海棠や林檎に似ていることから、「実海棠」や「姫海棠」、「小林檎」などの異名を持ちます。葉は変異が多いのですが、3裂に切れ込みのあるものが多く「三つ葉海棠」とも言われます。

深山海棠には赤実と黄実があり、黄実は小さい梨に似ていることから「小梨、山梨」とも。

呼び名の多い樹種ですが、盆栽界では小さい黄実をズミ、ズミより実が少し大きめで赤実のものを深山海棠と呼んでいました。最近ではどちらも「ズミ」と呼ばれることも多く、黄色い実のものは黄実ズミや小梨と区別する傾向があります。

「ズミ」という言葉は「染み」から来ていて、その昔樹皮から黄色の染料を採っていたことに由来していて、実は酸っぱいことから「酸実」という漢字が当てられています。

5~6月に咲く花は蕾のうちは紅色ですが、開花とともに純白となりとても綺麗です。秋には実が熟し、赤い実を鑑賞できます。

深山海棠(ズミ)の管理場所

ズミは朝鮮半島、中国中南部や北海道から九州まで日本全土の山野に自生していて、日当たりがよく湿った湿原周辺などにも多く見られます。

日陰でも育ちますが、実付きが悪くなるのでできるだけ日当たりと風通しのいい場所で管理してください。

葉焼けをしやすいので強い日差しや夏の西日に当たらないようにしてください。

アブラムシなどの害虫がつきやすいので見つけたら補殺するかスミチオンやオルトラン、マラソンなどの楽剤を散布してください。

深山海棠(ズミ)の灌水

湿地に自生しているくらいなので、水を好みます。

水切れで葉焼けを起こすことがあるので、特に夏場は水切れのないように注意してください。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水します。

深山海棠(ズミ)の施肥

肥料を好むのでしっかり与えてください。

春の芽出し頃に1回と、花後に1回。実が固まる8月から11月の間に月1回施肥します。

肥料は油かすに骨粉(リン酸分)を3割くらい混ぜたものを与えると実付きがよくなります。

肥料過多による害があまりありませんが、結実しても実が肥大しはじめたのを確認してから薄い肥料から再開してください。

深山海棠(ズミ)の作り方

芽摘み(4月~5月)

あまり芽摘みはしませんが、春から伸びる芽のうち樹形を乱す不要枝や勢いの強い徒長枝は5月頃になったら1~2節残して摘んでください。

芽摘み後は2番芽が伸びてきますが、7月~8月は花芽形成期なので、7月以降に伸びた枝は出来るだけ切らずに11月頃までそのまま伸ばしておきます。

剪定(花後6月、11月~芽出し前)

ズミの花芽分化は7月~8月頃です。

春から伸びる徒長枝には花芽は付かないので、花後に伸びてくる徒長枝を短く切りつめ、花芽分化以降は剪定を控えてください。

全体の樹形を整える剪定は厳寒期を除いた秋から春の芽出し前に行ってください。

8月頃には伸びも落ち着き短果枝に花芽が確認できるので、この時期以降は花芽の付いた枝を大事にして、あまり伸びる徒長枝や不定芽のみ剪定をします。

針金かけ(5月~6月、11月)

古枝は材が堅いので、若い枝に針金をかけます。

伸びてくる枝も針金で下げることで勢いを抑えることができます。

落葉後の11月~12月上旬には全体の姿をみて剪定と一緒に針金整枝してください。

針金は食い込みやすいので、作業後はよく観察し2~3ヶ月で外してください。

開花と受粉(5月~6月)

ズミの花

ズミ(ミヤマカイドウ)の花:5月(東京)

雌雄同花ですがやや自家不稔性の性質があるので、近縁種を近くに数鉢よせておくか人工授粉をしてください。

交配用にハナカイドウやヒメリンゴの鉢を持っておくとよく結実します。

植替え(2月下旬~3月中旬)

芽出し前に植え替えができます。

秋でも可能ですが小さいものは冬の管理に注意が必要なので芽出し前が安全です。

バラ科の樹種なので、根はヤシマストマイなどで消毒し、根頭癌腫病の予防をします。

植え替えは根の詰まり具合をみて、1~2年に1回の間隔で行います。

コメント

長友正人 さん 2016年08月18日13時47分
他花受粉について質問です

姫りんごとミヤマカイドウを同じ場所に置いて、自然に他花交配させる場合、自花受粉を先にしちゃったら、その後で他花受粉ってできる・成り立つのでしょうか?

動物の場合、最初に卵子にたどり着いた精子のみが受精の権利が与えられるんですよね?
植物の場合はどうなんでしょうか。
きみ さん 2016年08月18日17時59分
長友正人さん

他家受粉の受精の権利については詳しく知りません
ただ植物の場合は他のいくつかの花粉があったほうが結実がいいのは確かです。
長友正人 さん 2016年08月19日16時46分
回答 ありがとうございました。

今春は、姫りんごとズミ(ミヤマカイドウ)で他家受粉させました。 早朝、綿棒で人工的に受粉させて姫りんごもカイドウも結実しました。 来年は、隣において自然受粉させてみます。
深山カイドウも2株あるので挟み込んで、、、確率は高いですね。

長友
きみ さん 2016年08月19日19時02分
長友さん
挟み込みならなおよいでしょうね^^カイドウやヒメリンゴなら、花粉が多いので刷毛や綿棒など使わず、適当に直接チョンチョンすれば充分だと思います。
沓掛公人 さん 2017年10月19日12時53分
ずみぼんさいは何本も持っていますが、、10年位立っていますが、花が来ませんほとんど根伏ですなぜでしょうか。お願いします。
きみ さん 2017年10月19日21時54分
沓掛公人さん
コメントありがとうございます。
すみません、わかりません。
剪定時期は大丈夫ですか?
ヒトチャン さん 2020年11月21日12時17分
キミさん

深山カイドウに花が咲きました。
実もできています。
きみ さん 2020年11月21日21時14分
ヒトチャン さん
あれー?今咲いていますか( ´▽`)
実が時期の割にはだいぶくたびれていますけど、どこかから入手したばかりとかでしょうか?
深山カイドウは実付きもいいですし、交配にもつかえてデキル子ですよね
ヒトチャン さん 2020年11月22日08時16分
キミさん

その通りで、一週間前に盆栽店から購入したばかりで、ベランダに置いていただけです。
これからの管理で気を付けることがあれば、教えてください。
きみ さん 2020年11月22日08時26分
ヒトチャン さんへ
まず、実と花はとっちゃってください。下枝がだいぶ弱っているように見えます。
直接盆栽園で買ったとかじゃなくて、どこか遠方から通販か何かで買いましたか?
ここのところ温かかったから環境が違って、花が咲いたのかもしれないですね。

今は肥料もあまり効かないと思いますが、1~2回くらい水やり代わりに2000倍以上に薄めたハイポネックスをやってみてください。枯れた枝とかいらない枝とか分かるものは剪定して、癒合剤も塗って置きます。
あとは消毒して、冬を越させて、来年からの成長次第かなと思います^^
来年植替えした方がいいですね
ヒトチャン さん 2021年06月05日05時27分
ズミの葉が変色して来ました。
これは病気でしょうか。対処法など教えてください。
きみ さん 2021年06月05日08時42分
ヒトチャン さんへ
この感じは単純に水切れによる葉焼けだと思います。
この部分は戻らないので、気になるなら葉刈りしてください
芽吹きはいいのでそのうちまた新しい葉が出てきますよ^^
ヒトチャン さん 2021年06月05日10時25分
さっそくのお返事ありがとうございます。
水は、毎日欠かさず1〜2回はあげていたんですが、これからも気をつけます。
きみ さん 2021年06月06日07時27分
ヒトチャン さんへ

水はちゃんと中まで届いていますか?
根詰りしていたりすると、やったつもりでも表面が濡れただけということもありますからね...
病気ではないと思うので取り敢えず大丈夫です^^
ゆめ さん 2021年06月12日12時54分
はじめまして。
最近深山カイドウを入手して育ててます。
記事を見てますと受粉用に姫りんごも一緒に育てる方がいいでしょうか?
実物関係ですと紅紫檀を持っています。
あと樹高が30cm程度で半分くらいに低く抑えたいのですがいい方法はありますでしょうか。
きみ さん 2021年06月12日19時29分
ゆめ さんへ
初めましてコメントありがとうございます<(_ _)>
このカイドウは実はなっているみたいですが、実が付いた状態で買ったということですね
確かに1本ではなりにくいので、他のカイドウとかヒメリンゴとかそういう近縁種を持っていたほうがいいと思います。

樹高をおさえたいということですから、どこかで枝を切るんですが
これは今やったら挿木もできるので実はもったいないですけど、写真のように適当な節の所で切ってください。そしたらそこから小枝がでてきます。
挿し穂は実を落として、葉も半分くらい減らしたほうがいいですね。

あと、実が結構固まってきているので、そろそろ肥料をあげたほうがいいと思います。
ゆめ さん 2021年06月12日20時44分
きみさん
コメントありがとうございます。
購入したばかりですが実が既に付いてました。
よくわからないまま購入しましたがヒメリンゴも揃えようと思います。
こちらを購入しようと思ってるのですがこのヒメリンゴの方も剪定しても大丈夫でしょうか?
もう少し小さめに仕上げたく先ほどのようなアドバイスを頂けますと嬉しいです。
きみ さん 2021年06月13日07時24分
ゆめさんへ

盆栽というよりは鉢植えっぽい感じですが
そうごに交配させるにはいいかもしれないですね。接ぎ木なんかもできますしね^^
これはどこを剪定したらいいか写真では示しにくいのですが、短枝しかなさそうなので今年はなにもすることないかもしれないです。
わたしの場合は、カイドウは単にヒメリンゴの交配用にもっていて、実を付けて観賞することはあんまりない(ズミは見ます)です。花が終わったら花ガラとって、弱らせないようにしています。

剪定はいつでもできるわけじゃなくて、本来は秋とか、春の芽出し前がよいです。
今まはだギリギリ、切ったら秋までに枝がしっかり伸びるからいいのですが、その枝にはたぶん花芽はつきません。

どちらも実を付けたからといって弱る樹ではないですが、やっぱり毎年たくさん実をつけると弱って枝が枯れていくので、今年は剪定とか手入れをしたいのなら実を全部とって肥培したほうがいいですね。

わたしがこの樹を買うなら、根元に枝を数本継いでミニのヒメリンゴ作りたいです。
ゆめ さん 2021年06月13日20時02分
きみさん
いろいろアドバイスをありがとうございます。
結局写真に載せていたヒメリンゴも入手しました。
普通はヒメリンゴが先でその相方として後から深山カイドウを入手するんですね。
私は何も知らずに、結果、順番が逆になってしまいました。
このヒメリンゴは重心が高いので伸びた若い枝を誘導して下に下げようと思います。
接ぎ木?は素人には難しそうですね…針金から始めます^^;
夢一心 さん 2023年03月05日17時01分
深山海棠をはじめ実物類の植え替えは3月より秋の植え替えの方が実付きがよいように思うが。春の植え替えで実付きをよくするには。気をつけねばならないことを教えてください。
きみ さん 2023年03月06日09時44分
夢一心 さんへ

春に根を切き過ぎたりしますと、開花結実しても6月頃に落果してしまうことはあります。
どのくらい根を切るかによりますが、ズミは根の再生も早いですので、全体の1/3程度を整理するくらいなら影響はほとんどないかと思います。

でも、今年は実を休ませようと思うものは春の植替え、来年実を付けさせようとするものは秋の植替えなどの気遣いは必要になってくるかもしれないです
minato さん 2024年04月25日09時40分
キミさん
コメント失礼します。いつも勉強させてもらってます。

姫りんごを持っていて、交配のためにカイドウを探していたところ、こちらで深山かいどうとズミが同じ事を知り、インターネットで「ズミ」と売っているものを見つけ購入しました。初心者で分からないのですが、この「ズミ」との交配でも姫りんごは結実はするのでしょうか?
きみ さん 2024年04月29日09時44分
minato さんへ

お返事がおくれてすみません。
ズミでも実の大きさとか色とかいろんな種類があって、わりと小さい実のものをズミとか、ちいさくて黄実のものを黄実ズミ、梨の実にみたててコナシとか呼んで展示されていたりして結構ごっちゃです(コナシはコナシでちゃんと種類があります)。

ですので、深山カイドウ=ズミというのもはっきり言えないのですが
ショップで「ズミ」として販売されているのは実カイドウだと思っていて大丈夫と思います。

姫林檎と交配OKです。