長寿梅(チョウジュバイ)の魅力

長寿梅

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長寿梅(チョウジュバイ)はバラ科ボケ属の落葉低木。

盆栽で使うボケ属の仲間には、花が大きく枝打ちが荒い「唐木瓜(カラボケ)」系と、日本原産で比較的小型の「草木瓜(クサボケ)」系の2系統があり、長寿梅は草木瓜の矮性種。

四季咲き性の強い性質を持つことから「長寿」という縁起のいい名前が付けられていますが、長寿梅という名前は図鑑にはなく、小木瓜(コボケ)やシドミ、地梨(ジナシ)などど言われることもあります。

長寿梅は太りにくい事に加えて、花や葉が小さく細かい枝が多く出るので、よく枝の出来たものは落葉後の姿も観賞されるほど。

よく芽が吹くので手間のかかる樹ではありますがそれだけに作り込みやすく、花物盆栽として定番の樹種です。

長寿梅の特徴

1号性と2号性

長寿梅には1号性種と呼ばれる普通種と2号性種があります。

1号性種は特に小葉で花色の濃いものを選別し挿木で増やしたもの。太りは遅いですが、小葉で枝も細かく密に作ることができるので小品向きの品種です。

対して2号性種は太りが早く、花も大きく色は薄め。枝打ちが粗く原種の草ボケの性質が強く出ています。

1号性種は挿木繁殖が主ですが原種の性質も強く残しているので、実生した場合はほぼ2号性になります。

2号性は太りがはやい特性から一部では台木としての活用もなされていますが、その流通は減少傾向にあるようです。

長寿梅の花

長寿梅の花

長寿梅は四季咲きで2月~5月頃の間と、9月~11月頃が花期。性や管理が良ければ一年中咲くこともあります。

花は通常5弁の一重咲きで色は朱色が代表的ですが、白花種も人気。白花は赤花に比べて枝打ちが粗く葉も大きめで太りがよく、2号性の性質が強いようですが細かい枝の作り込みも可能です。

また長寿梅に椿の園芸品種を掛け合わせた「桜小町」は、咲き分け・吹き掛け・絞りなどの花模様がでます。

長寿梅の実

結実した実

雌雄同花なので花がらを摘まずにいると自然に結実します。

地梨(ジナシ)とも呼ばれる草ボケの実のように、梨に似た甘い香りの黄色い実が熟します。

大きめな盆栽なら実を観賞することもありますが、長寿梅の場合は実を付けると樹勢が弱るので花がらは摘み取ってください。

長寿梅の繁殖

長寿梅は発根がよく、取木や挿木で簡単に素材を増やすことができます。

また根伏せも可能で、自然に面白い模様の樹が出来上がります。

挿木の場合は数本を束にして株立ちに作ってもいいでしょう。古枝挿しができるので、2月頃に剪定した古枝で枝のよくできた素材があれば是非挿しておいてください。

長寿梅の主な樹形

ヒコバエやヤゴ芽が出やすいので、これを活かして株立ちや吹き流しなど全体に枝がほぐれてふわっと柔らかい印象の叢生(そうせい)樹形に仕立てられることが多いです。根が幹化するので根上がりや石付きも合います。

木瓜に比べて幹が太りにくいので、小品サイズなら模様木や優しい樹形で2~3つ程の花がつけば十分。

叢生樹形や株立ちを目指す場合は、束ねた挿し穂や株分けした素材をザルや大きな仕立て鉢で肥培し、数年太らせたものを切り戻して作ります。

挿し木や取り木で容易に増やすことができるので、いろいろな樹形に挑戦してください。

太らせたい時や樹勢を付けたい時は、一度鉢を緩めて枝を数年伸ばし気味にしておき、短く切り詰めて作り直します。

長寿梅の病害虫

落葉樹なので秋から冬の間は寒樹になりますが、生育期の間も花後など年に数回黄変して落葉し、またすぐに芽吹くを繰り返します。

暖かくなってくると新葉や蕾にアブラムシやハダニがつきやすい他、所々に細菌性の白い病斑がでることがあるので定期的に殺虫剤や殺菌剤を散布し防除してください。

 

コメント

素人盆栽 さん 2018年10月29日15時41分
こんにちは。
先日知人から長寿梅の小品盆栽をもらいました。
当方、北海道に住んでおり、もはや秋というか冬になりつつあります。
しかし貰った盆栽はまだ緑葉が付いており、蕾もあります。調べたところ盆栽は外に出して育てるものと知ったのですが、、いきなり外に出しても大丈夫なものでしょうか。
また、色々なサイトによって越冬の仕方が違うのが気になりました。初心者なので発泡スチロールみたいなムロを作ろうかと思うのですが、入れるタイミングなどありますか。
とりあえず冬を越したいので、剪定などアドバイスあればお教え願います、、。
きみ さん 2018年10月29日16時10分
素人盆栽さん

葉がついているうちはまだまだ保護しなくっていいですが、花が終わって落葉しだしたらもう保護してしまってもいいかもしれないですね。北海道はもう最低気温は7度とかでしょうか。
観賞時期としては最高ですよね~
盆栽は基本外で管理します冬もそうです。ですが安全に冬を越したいですからね発砲スチロール使ったほうがいいとおもいます。
花終わったら花柄とってお礼肥してくださいね。剪定は枝が伸びていたら、花後に2節くらい残してきっちゃってください!
素人盆栽 さん 2018年10月31日09時48分
返答ありがとうございます。
もう少しで咲きそうなので、仰る通り花が咲いて落葉したら保護をしようかと思います。
もう最低気温は2度とかでそろそろ雪がちらつきそうです、、。
北海道の冬だと、マイナス10度とかになる時期もあるのすが発砲スチロールを使用する場合、置き場所は屋外でいいのでしょうか。
それとも倉庫や玄関先などのほうがまだ温かいですかね、、。
何度も質問してしまい申し訳ありません。ですが、いろんな説明書を読んでも北海道の冬レベルの越冬と同じにしていいものかと不安になっています。
礼肥しておきます!剪定に関してもやってみます。
きみ さん 2018年10月31日20時59分
素人盆栽 さん
2度!さすが北海道ですね!
うーん、その長寿梅の産地にもよりますが、ひとまず倉庫や玄関におくほうが安心でしょうね。水やりが面倒でない場所がいいですね。
寒さそのものは大丈夫でしょうけど、やはり乾燥した風とか凍てつきには弱いので霜の当たらない場所においてください。
山田 佳邦 さん 2021年09月21日07時49分
草ボケだと思って挿し木をしました。空き駐車場の草ぼうぼうに生えていたので切ってきたものです。しかし三年位たちますが、花芽が一向に出来ません。花の咲かない品種があるのでしょうか。トゲはあります。
きみ さん 2021年09月21日08時54分
山田 佳邦 さんへ
咲きにくい品種もあるかもしれませんが、本当にクサボケなら3年もたてばそろそろ咲くと思いますよ
あとは肥料とか日当たりの問題かなと思います。
山田 佳邦 さん 2021年09月21日10時09分
ありがとうございました。もう少し様子を見てみます。
いつも楽しく読ませていただいています。
yt さん 2022年11月18日04時07分
最近盆栽を始めた者です。
どの記事も大変参考になり、勉強させていただいております。

本記事中にある桜小町が気になり調べてみたところ、一目惚れをしてしまい、以降探しているのですが中々見つかりません。

場違いな質問かとは思うのですが、こういった場合にはどう入手をすればよいのでしょうか。もし良ければご教示いただけたら幸いです。
きみ さん 2022年11月20日17時20分
yt さんへ

こんにちは!
桜小町は弱いのか、わたしも昔持っていたのを最後に見かけたことがないんです。
昔入手した盆栽園でも「桜小町」として販売してなかったです(今は無くなりました)。咲き分けとか更紗模様の長寿梅とかで売られてました。
赤色は桜小町ほど鮮やかでないですが、長寿宝という咲き分け種があります、白花品種かボケの系統なのか枝打ちはやや粗めですが、そちらもいいかもしれないです。
お役に立てずすみません。