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唐松(カラマツ)の芽摘み

更新日:2019年05月07日

唐松の芽摘み

唐松は東北~中部地方の亜高山~高山帯に自生している日本の固有種で、富士山麓など火山地方に多い先駆植物。

日当たりのいい乾燥した場所を好みますが、暑さに弱いので平地での管理は難しく盆栽で太い樹はなかなかありません。

ですが唐松の樹形作りも芽摘みが重要で、樹勢が弱るからと芽摘みを怠るといつまでも枝が増えず盆栽らしい姿にはなってくれません。

本来痩せ地でも育つ丈夫な樹で萌芽力も旺盛なので、管理場所さえ工夫すれば小枝もよくできる樹種です。

唐松の短枝と長枝

唐松の枝には花芽のできる短枝と、枝が伸びる長枝があります(写真1)。

唐松の短枝と長枝

写真1:唐松の短枝(左)と長枝(右)

短枝の葉先はやや丸味があり多数束生し、花のようにも見えます。

長枝の葉は尖っていて螺旋状に互生し、夏までに5~10cm程になります。

唐松の枝

写真2:先端の芽は強く伸びるが、元の芽はほとんど伸びない

唐松は頂芽優性の性質が強いので、先端の芽はよく伸びフトコロ部分の芽は伸び難い傾向になります(写真2)。

そのため芽摘みで強い芽を摘み、弱い芽に力を分散させて小枝を充実させる必要があります。

芽摘みの時期と方法

唐松にはよく伸びる長枝と、短くとまる短枝があり、芽摘みはこの長枝に対して行います。

適期は5月頃で、新芽が4~5cmくらいに伸びてきたら1/3~1/2程残して鋏で切り取ってください。

唐松の芽摘み

新芽は柔らかく指で摘めるくらいですが、鋏を使ったほうが切り口が綺麗で周りの葉も傷めません。

唐松は頂芽優性の傾向が強いので、上部は強め(短め)に摘み、下枝に力を付ける必要があります。

さらに上枝の芽摘みを下枝より1週間~10日ほど遅らせることで、より樹勢のバランスを取ることができます。

唐松の二番芽

芽摘み後は複数の葉腋に小さな芽が形成され、7月頃には二番芽が伸びてきます。勢いのある芽は2回目の芽摘みができますが、基本的には多少伸びてもそのままにしておきましょう。

芽摘みの時期が遅くなると翌年芽が年内に動いてしまいます。

苗木の場合

購入したばかりの苗木(若木)は、細かい芽摘みがなされていない場合が多いので、元のほうに沢山の弱い芽を持ったまま間延びしてる状態です。

この場合は春の芽摘みをしないで一旦伸ばしておき、一旦伸びがおさまる7月頃に元から2~3節残して剪定してください。

苗木の芽摘み

春に芽摘みをしない理由は、樹勢の強い若木に普通に芽摘みをしても残した先端からしか2番芽が吹かなかったり、元芽の動く時期が狂って芽摘みのタイミングを逃してしまうため。

剪定後は残した芽が伸びてきますがそのまま伸ばして充実させ、芽出し前に全体の剪定をしてください。

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夏の暑さに弱く、比較的持ち込みにくく、初心者ですと夏の管理を間違って枯らせてしまう事があります。カラマツはいかに夏を涼しく過ごさせるかが大事です。春の芽出し頃は……

コメント

M さん 2019年06月12日11時40分
キミさん、ここの記事にいつもお世話になっております。今回はカラ松について質問させてください。
落葉時に入手して(見た感じ3年目ぐらいでした)、2冬1夏を越えたカラ松、現在樹高15cm、主幹の地際の幹径0.7cmぐらいです。今春、芽出し前の植替えと剪定だけして、まだ芽摘みせずボッサボサにしています。とりあえずもう少し太ってほしいのですが、カラ松の盆栽(しかもミニ盆栽)はどんな感じが理想なのか分からず、いろいろ手をつけられないでいます。キミさんのところのカラ松君は、どんな感じに仕上がっているのでしょうか。できれば全体像のお写真を拝見したいです。宜しくお願いします。
きみ さん 2019年06月12日16時10分
M さんへ

文章からですとまだだいぶ小さい苗のようなので、取り敢えずは元気に太らせるのがいいのではないしょうか。

キミの盆栽びよりホーム > 基礎知識 > 盆栽樹種の分類 > 松柏類の仲間 > 唐松(カラマツ)の魅力

上のページに育て方や写真を少し掲載しているので参考になさってください
M さん 2019年06月13日06時56分
ありがとうございます、上記のページ早速拝見してきました。他に盆栽店の苗の写真とかも見て思ったのですが、なんというか、能舞台の背景に描かれているような「いかにも松」な樹形とは少し違うナチュラルな感じですね。当分、今のモフモフ動物みたいな姿を楽しもうと思います。ご教示ありがとうございました。
ところで、上記のページの最下段「関連ページ 唐松(カラマツ)の育て方」をクリックしたら、なんと「赤松(アカマツ)の育て方」のページに飛びました。そういえばどちらも先駆植物でした。リンク違いかもしれませんが面白いのでこのままでも良いのではw
きみ さん 2019年06月13日08時28分
M さんへ
「いかにも松」が好みでしたら、若木ならそういう樹形にもできますよ
目指したい樹形があるならいまからそういう形になるように手入れするといいですよ
リンク間違いすみません(汗)
直しておきます教えてくださってありがとうございます

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

動植物好きの猫飼いです。歴代猫は『アロ』『アズロ』。現在は雄のアビシニアンと一緒です。

ほとんど籠って盆栽いじってますが、盆栽教室やミニ盆栽屋「てのひら盆栽しんとう」も定期的に企画、出店しています。

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