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盆栽の病害虫に効く薬剤

更新日:2019/08/13

盆栽の病害虫に効く薬剤

春から本格的に始まる薬剤散布。

薬剤にも有効成分の異なるいろいろな種類がありますが、盆栽で発生する病害虫はある程度知られているので、経験者が使っている薬剤にも共通している物が多くあります。

家庭規模の盆栽棚では薬効はもちろん、扱いやすさや安全性なども考慮しながら自分にあったメニューを揃えるようにしましょう。

1. 薬剤の剤型と分類

薬剤は剤型により使用方法がさまざまで、原液を希釈して使うタイプや固形状を土壌にまくもの、そのままスプレーできるものなどがあります。

農薬の剤形

原液を希釈し噴霧器などを使って散布するタイプのものには水和剤・乳剤・フロアブル剤があり、1回で大量の薬剤を調整できます。また濃度や使用量によって対照となる植物や効き目が違ってきます。

そのまま使用できるものには予め希釈してあるスプレー剤や、液化圧縮ガスの充填されたエアゾル剤、粉剤、粒剤やペレット剤などがあり、家庭用に重宝されます。

粉剤や粒剤は浸透移行性殺虫剤で、土壌に撒布することで溶け出した薬液が根から樹全体に届き、吸汁性害虫(アブラムシ等)や食害性害虫(ヨトウムシ、アオムシ等)を防除する効果があります。

殺虫剤、殺菌剤、混合剤

薬剤には殺虫剤と殺菌剤の他に、その両方を備えた混合剤(殺虫殺菌剤)があります。

殺虫剤の主成分はアセフェートやクロチアニジン、クロルピリホス、フェニトロチオン(MEP)などの有機リン系や有機硫黄系、クロロニコチニル系、ニコチン系の化合物を人工的に合成生成したもので、対象生物の神経系の情報伝達の阻害や興奮を引き起こし殺虫効果を発揮します。

殺菌剤の主成分にはジチオカーバメート系やアゾール系、ストレプトマイシン系、ベンズイミダゾール系などがあり、有害微生物のエネルギー代謝阻害や電子伝達系阻害、微小管(細胞骨格)阻害などを起こします。

害虫や病原菌は薬剤への耐性を持つことがあるので、有効成分の異なるものを2種類以上もっておくと安心です。混合剤も便利ですが、個別にしたほうが薬害が出たときの原因を特定しやすいので補助的に使うのをお勧めします。

2. 薬剤の使い方

盆栽で使う薬剤には主に散布(さんぷ)と撒布(さっぷ)浸漬(しんせき)の3通りの使い方があります。

多くの場合は散布で、数が多い場合は原液や粉末等を水で希釈して噴霧器や霧吹きなどで散布します。

撒布するタイプの薬剤は粒材やペレット状の浸透移行性殺虫剤で、用土上に撒くことで吸汁性害虫や食害性害虫が嫌う成分(アセフェート等)が植物体に浸透し、害虫を寄せ付けない効果があります。

浸漬は主に消毒や、土の中の害虫を殺す時にも行います。ムロ入れ前や寒中に使う石灰硫黄合剤は家庭では地上部のドボ漬けが基本です。

薬剤使用の注意点

薬剤の効果

家庭園芸用に売られているほとんどの殺虫殺菌剤は、治療薬としててはなく予防薬としての効果を示します。

そのため、定期的な使用により病害虫の発生を押さえる事は出来ますが、被害が大きくなってしまった場合はその効果はほとんどありません。

目に見える害虫を駆除する事は難しくありませんが、ひとたびウィルスや細菌の侵入を許してしまうと病気が棚中に蔓延し、殺菌剤を使っても歯がたちません。

害虫や病気は、棚場環境や植物の健康状態(根腐れ、栄養不足、栄養過多など)が悪化した時に問題になりますから、樹を元気に管理することを第一に、薬剤はあくまで特効薬ではなく予防薬として使うものと考えておいてください。

薬剤使いの実際

薬剤散布は水やり後が基本。

樹が乾いた状態でかけると浸透しすぎて葉焼けや思わぬ薬害が出る可能性があります。

また、新芽の組織が固まっていない春先(4月始め頃)に散布する場合は、効き過ぎないように規定希釈倍率よりも薄めにしたほうが安全です。

時間帯は朝夕の涼しい時間帯が好ましく、樹の抵抗力が落ちている夏場の熱い時間帯の散布は避けてください。

家庭・園芸用の薬剤には比較的毒性の低い成分が使用されていますが、使い方を間違えれば植物だけでなくそれを使っている貴方や周りの人間にも害が及びます。

散布する際は風の強い日を避け、薬剤を吸い込んだり直接皮膚や衣類にかからないように必要に応じてマスクや保護ゴーグル、ゴム手袋を使用しましょう。

また、薬剤の付着性を高めるためダインを常備しておくとより効果的です。

まず分類(作物名)と適用害虫をチェック

盆栽の該当作物名は「樹木類」

盆栽の該当作物名は「樹木類」

薬剤のパッケージにはどの病害虫に効果があるのかも簡単に書かれていて、中には必ず詳細な説明書が添えてあります。

全ての農薬は農薬取締法によりその規格や製造、使用の規制などが定められていて、説明書には農林水産省の登録番号や成分・剤型、薬剤の特徴などが明記してあります。

適用害虫と使用方法の表には、「作物名」「適用害虫/病害名」「希釈倍数」「使用液量」「使用時期」「総使用回数」「使用方法」の7項目が記載されています。

まず該当の作物名ですが、薔薇や躑躅、菊、葡萄など盆樹では限られた樹種しか該当しませんので、一概に「樹木類」の項目を見てください。樹木類がなければ「花き類(=観賞用の植物全般)」が近いです。

次に希釈倍数や使用量、総使用回数などが作物ごとに細かく記載されていますが、薬剤は本来収穫目的の農作物に使われるものですから、収穫物への残留がないように制限されているわけです。

盆栽には関係ないようですが、貴方の盆栽棚が畑や農園が近くに隣接している場合は、貴方の散布した農薬が基準値以上に達すると出荷停止となり、補償しなければいけない事態にもなりかねませんので注意が必要です。

適正な使用をする

軽量カップやスポイトがあると希釈に便利

軽量カップやスポイトがあると調整に便利

盆栽で使う薬剤は「農薬」であり、全ての農薬は農薬取締法によって管理され農林水産省に登録されています。

農薬を使う上で一番重要なのは、決められた倍率で希釈すること。調整は屋外もしくは換気扇の効いた場所で行ってください。

規定より薄すぎては効果がでませんし、濃いと植物や人体に薬害が生じてしまいます。

特に浸透性の強い薬剤は規定濃度でも薬害が出やすいので、新芽の頃や開花中のものなどは薄めに調整して使います。

実験レベルのような正確さは必要はありませんが、調整に必要な計量カップやスポイトくらいは最低限用意しておきましょう。

3. 盆栽で使う薬剤

殺虫剤

盆栽に付く害虫には、葉や木部を食べる食害性害虫と樹液を吸う吸汁性害虫がいて、アブラムシや葉ダニ、グンバイムシ、スリップス(アザミウマ)など外から飛来してきます。

盆栽では広範囲の害虫に効果がある定番の薬剤が何種類かあるので、有効成分の違うものを数種持っておくと安心。

以下に紹介するものは、趣味者からプロの業者も使っている信頼性の高い薬剤です。

総合通販サイトの他にも、ホームセンターの園芸コーナーや大手農業資材メーカー「住友化学園芸」のオンラインショッピングなどでも購入できます。

スミチオン乳剤

有効成分:MEP(フェニトロチオン)

コメント:殺虫効果の高い定番の薬剤ですが、浸透性が高いため薬害が出やすく、規定濃度よりも薄めに調整したほうがいいでしょう。
特に新芽や皐月などの花物に薬害が出る原因になるので、使用を避けるか規定よりも倍近く薄めて使ってください。(※水和剤もあります)


効果のある害虫:アザミウマ類、アブラムシ類、エカキムシ類、カイガラムシ類、カキノヘタムシガ、ツツジグンバイ、ケムシ・アオムシ、コガネムシ(ケシキスイ類、コアオハナムグリ、シバオサゾウムシ成虫、テントウムシダマシ幼虫)、コナジラミ、オオタバコガ、チャドクガ、ネキリムシ類、シバツトガ、ハマキムシ、アカフツヅリガ、メイガ、ヨトウムシ、カキノヒメヨコバイ、ケラ、フタテンヒメヨコバイ、ゴボウノミドリヒメヨコバイ、コナダニ(ホウレンソウケナガコナダニ)など

マラソン乳剤

マラソン乳剤

有効成分:マラソン(有機リン系)

コメント:浸透性が優しく、植物への薬害が少ない安全生の高い薬剤として家庭園芸用に向いています。新芽に散布しても害が少なく、日常的に使える薬剤です。
スミチオンとの混合剤(スミソン)もありますが、薬害が出たときの原因の特定が難しくなるので単用がいいと思います。


効果のある害虫:アザミウマ(アザミウマ類、ミカンキイロアザミウマ)、アブラムシ(アブラムシ類、リンゴワタムシ)、エカキムシ(ナモグリバエ、ネギハモグリバエ、ハモグリバエ)、カイガラムシ類、ケムシ・アオムシ(アオムシ、キアゲハ、カブラハバチ)、ウリハムシ、イラガ類、ハダニ類、ハマキムシ類、マメシンクイガ、ヨトウムシ、オンブバッタ、カメムシ類、コガネムシ(コガネムシ類、ヤサイゾウムシ、インゲンテントウ)など

オルトランDX粒剤

オルトランDX粒剤

有効成分:アセフェート

コメント:浸透移行性の殺虫剤で、食害性害虫と吸汁性害虫どちらにも効果があります。株元に撒くことで灌水の度に植物体に有効成分が浸透し、長い残効性を示します。アブラムシや葉ダニなど葉裏につく害虫防除にも○。
多少の異臭があり、汚れが鉢につきやすい難はありますが、撒くだけなので扱いやすい薬剤です。汚れが気になる人はGFオルトラン液剤もあります。


効果のある害虫:アブラムシ、アザミウマ(アザミウマ類)、アブラムシ類、エカキムシ(ハモグリバエ類、ネギコガ)、ケムシ・アオムシ(アオムシ、コナガ)、オンシツコナジラミ、ネキリムシ(ネキリムシ類、タマナヤガ)、シバツトガ、ヨトウムシ類、コガネムシ類幼虫など

ダントツ水溶剤

ダントツ水溶剤

有効成分:クロチアニジン

コメント:浸透移行性の殺虫剤で、有機リンやカーバメート、合成ピレスロイド剤に対する耐性がついてしまった害虫にも高い殺虫効果を示します。低濃度で調整できるので経済的。
顆粒の水溶剤は水に溶けやすく無臭です。散布が基本ですが、土の中にいるネキリムシやウリハムシ幼虫には土壌混和やドボ漬けがよく効きます。(※水和剤、箱粒剤、粉剤DLもあります)


効果のある害虫:アブラムシ類、カメムシ類、アザミウマ類、ハモグリバエ類、コナジラミ類、カイガラムシ、コナガ、アゲハ類、アオムシ、ウリハムシ、ゴマダラカミキリなど

ダーズバン

ダーズバン乳剤

有効成分:クロルピリホス

コメント:付着性の高い製剤で降雨でも流れにくい、速効性の高い殺虫剤です。盆栽園でも使われていて、これ1本でほとんどの害虫を防除できると定評があるようです。ただし毒劇法により医薬用外劇物の指定を受けているので、一般家庭での取り扱いは注意が必要。
購入時には劇物譲受書用紙への記入が義務づけられています。(※乳剤、水和剤があります)


効果のある害虫:ハマキムシ類、アブラムシ類、コナカイガラムシ類、シンクイムシ類、カイガラムシ類、カミキリムシ類幼虫、ヤノネカイガラムシ若齢幼虫、ヨトウムシ、アザミウマなど

殺菌剤

盆栽に付く病原菌には、主に糸状菌病害(カビ)と細菌性病害があり感染蔓延すると様々な症状を現します。

殺菌剤の多くは予防剤としての性格が強く(トップジンMを除く)、一旦菌やウィルスが侵入してしまうと治療が難しいので定期的な散布を心がけてください。

ヤシマストマイ液剤

ヤシマストマイ乳剤20

有効成分:ストレプトマイシン硫酸塩

コメント:抗生物質を主成分とする殺菌剤で、細菌性の病気を防除する効果があります。
盆栽では木瓜(ボケ)や長寿梅、桜、梅などバラ科樹種や梔子(クチナシ)の根頭癌腫病予防に重宝していて、植え替えで根を処理した後の殺菌や、道具の消毒にも使います。


効果のある病気:斑点性の病気(せん孔細菌病、そうか病)、軟腐病、黒あし病、腐敗病、野火病、褐斑病、褐点病、褐紋病、黒星病、黒斑病、蛇眼病、炭そ病、つる枯病、つる割病、葉枯病、斑点病、斑点細菌病、べと病、輪紋病、褐色斑点病など

レンテミン液剤

レンテミン液剤

有効成分:シイタケ菌糸体抽出物

コメント:オーガニック原料で作られた殺菌剤で、有機JAS規格(オーガニック栽培)でも使うことができます。ヤシマストマイと同じく、バラ科樹種や梔子(クチナシ)の根頭癌腫病予防にも効果を感じます。
株分けや道具の殺菌などに安心して使えますが、あくまでウイルスの感染を防止する殺菌剤なので、感染後の殺菌効果はあまり強くありません。常温に置いておくとカビが生えやすいので早めに使い切ることをお勧めします。


効果のある病気:モザイク病感染防止、バラ科樹種、梔子(クチナシ)の根頭癌腫病予防など

Zボルドー銅水和剤

有効成分:塩基性硫酸銅(無機銅)

コメント:金属イオンの殺菌作用を利用した保護殺菌剤で、糸状菌病害(カビ)から細菌性病害(軟腐病、腐敗病、斑点細菌病など)まで幅広い病気の発生予防に効果があります。
銅イオンが細菌のチオール基をブロックし、生理活性の阻害を引き起こします。耐性菌にも強く、薬害の少ない殺菌剤として有機農産物栽培でも使用されている信頼性の高いものです。


効果のある病気:うどんこ病、黒節病、褐斑細菌病、黒腐病、黒斑細菌病、軟腐病、斑点細菌病、べと病、さび病、白さび病、疫病、すすかび病、茎枯病、葉枯病、斑点病、かいよう病、そうか病、癌腫病、せん孔病、つる割細菌病、 斑点症(シュードサーコスポラ菌)、輪紋葉枯病、もち病、赤色斑点病、炭疽病、褐斑病など

キノンドー水和剤

有効成分:有機銅(8-ヒドロキシキノリン銅)

コメント:薬害発生リスクがあると言われるボルドー液を改良したもので、幅広い病気の発生予防に効果があります。有機銅は菌への浸透性が高く、細胞膜の厚い糸状菌(カビ)性の病害にも高い効果を示します。
また有機銅は水に溶け込むことで植物の成長に欠かせない銅イオンとなるため、適量ならば生育にいい結果を生むとされています。また、葉枯性の病気に効果があり、松の葉ふるい病を予防する薬剤として定番です。(※フロアブル剤もあります)


効果のある病気:黒星病、斑点落葉病、黒点病、炭疽病、うどんこ病、落葉病、黒斑病、輪紋病、縮葉病、そうか病、黄斑病、べと病、枝膨病、黒とう病、斑点細菌病、果実汚斑細菌病、軟腐病、腐敗病、葉渋病、葉枯病、黒腐病、黒斑細菌病、斑点病、雪腐病、葉腐細菌病、立枯病、斑葉病、なまぐさ黒穂病、松の葉ふるい病など

アタッキン水和剤

アタッキン水和剤

有効成分:ストレプトマイシン硫酸塩、チオファネートメチル

コメント:治療薬として効果の高い「トップジンM」とストレプトマイシンとの配合剤で、幅広い病気の予防と治療効果をもちます。
浸透性はやや強めで殺菌力が高く、細菌性病害と糸状菌による病害の同時防除剤です。


効果のある病気:黒あざ病・そうか病・黒あし病、かいよう病・そうか病、せん孔細菌病・黒星病、軟腐病・灰色腐敗病など

オーソサイド水和剤

有効成分:キャプタン

コメント:世界中で長く使われている総合殺菌剤で、汎用性の高い基幹剤として信頼のあるものです。
種子の消毒殺菌や土壌病害にも効果があり、病原菌の複数の生理活性プロセスを阻害するため耐性菌にも強いと言われています。


効果のある害虫:赤星病、赤かび病、赤焼病、葉かび病、青かび病、葉枯病、落葉病、黒変病、黒点病、黒星病、斑点落葉病、輪紋病 褐斑病、すす点病、すす斑病、炭疽病、輪紋病、疫病、晩腐病、褐斑病、灰色かび病、べと病、枝膨病、黒とう病、縮葉病、褐色せん孔病、灰星病、苗立枯病、つる枯病、芽枯病、立枯病、茎腐病、斑葉病、そうか病、腰折病、根腐萎凋病、すす点病など

トップジンM水和剤

トップジンM水和剤

有効成分:チオファネートメチル

コメント:高い浸透力で植物体に侵入している病原菌を死滅させる効果があり、予防としての使用はもちろん蔓延時の殲滅に役立ちます。ほとんどの殺菌剤は防除に効果がある保護殺菌剤の位置付けですが、本剤は治療剤としての効果が認められていて、広範囲の病気に威力を発揮する基幹防除剤。
土壌条件により葉色の異変や生育抑制などの薬害が生じることもありますが、これが原因で大きな問題になることはないようです。低濃度で調整できるので、植物に汚れが付きにくいのもメリットです。(※トップジンMペーストは傷口の保護殺菌剤剤として便利です)


効果のある病気:ばか苗病、赤かび病、うどんこ病、眼紋病、雪腐病 、雪腐大粒菌核病 、菌核病 、白斑病 、黒星病、炭疽病、つる枯病、灰色かび病 、黒かび病、葉かび病、斑点病 、陥没病、立枯病、褐斑病、そうか病、腐らん病、輪紋病、白紋羽病、いもち病、ごま色斑点病、すす病、すす点病、すす斑病、せん孔病、ばか苗病、ビッグベイン病、ホモプシス腐敗病、マルゾニナ落葉病、モニリア病(実腐れ)、萎黄病、萎凋病、汚葉病、果実軟腐病、花腐菌核病、芽枯病、芽腐病、灰色腐敗病、灰星病、灰斑病、角斑病、褐色円星病、褐紋病、株枯病、乾腐病、環紋葉枯病、球根腐敗病、苦腐病、茎枯病、茎腐病、黒とう病、黒枯病、黒根病、黒渋病、黒点病、黒点葉枯病、黒斑病、黒葉枯病、黒葉腐病、黒粒枝枯病、腰折病、枝枯病、枝折病、心腐れ症(胴枯病菌)など

混合剤(殺虫殺菌剤)

石灰硫黄合剤

石灰硫黄合剤

有効成分:多硫化カルシウム、五硫化カルシウム

コメント:殺虫殺菌の両作用があり、特に越冬病害虫防除にも高い効果を示すため樹木や果樹類の冬期消毒に使われてきました。古くからある農薬で浸透性が高く、広範囲の害虫や菌等を死滅させます。硫黄の様な異臭があるのと、強アルカリ性のため取り扱いには注意が必要ですが、正しく使用すれば安全性の高い薬剤。
ムロ入れ前の場合、常緑樹で60~80倍、雑木類(落葉時)で30~50倍くらいを目安に希釈して散布あるいは地上部をドボ漬けします。
一昔前は500ml容器の販売もあったようですが、本剤による薬物中毒患者の急増が問題視されたことで、農薬取締法第の規定により現在は業務サイズ10Lからしか商品がなく、小分け販売も禁止されています。


効果のある害虫:ハダニ類、サビダニ類、カイガラムシ類、ヤノネカイガラムシ、越冬病害虫など
効果のある病気:赤かび病、さび病、うどんこ病、黒星病、銅枯病、赤星病、腐らん病、モニリア病、縮葉病、ふくろみ病、そうか病、黒点病、芽枯病、かいよう病など

サンヨール

サンヨール

有効成分:ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩

コメント:耐性菌が生じにくい有機銅系殺菌剤で、浸透性が高く匂いや汚れもほとんどありません。少し粘性のある原液で、接着性が高く展着剤も不要です。
目立った薬害もなく、盆栽では石灰硫黄合剤の代わりに冬期の消毒に使われています。ナメクジにも効果があるので、春先から梅雨にかけて雨の多い時期に使うと寄りつかなくなり新芽の食害を防ぐことができます。
そのまま使える液剤もありますが、調整が面倒でなければ原液の方が経済的です。


効果のある害虫:葉ダニ類、アブラムシ類、コナジラミ類、チュウレンジハバチ、ナメクジ類、ツツジグンバイムシ、ツツジコナジラミなど
効果のある病気:うどんこ病、赤かび病、さび病、白さび病、灰色かび病、すすかび病、べと病、褐斑病、黒斑病、黒星病、葉腐病など

GFオルトランC

有効成分:アセフェート・MEP(フェニトロチオン)・トリホリン

コメント:殺虫効果の高いオルトランとスミチオンに、殺菌剤のサプロールが配合してある殺虫殺菌剤です。浸透移行性なので長く効き、速効性も備えています。
そのまま散布できるエアゾルタイプのスプレー剤で、気がついたときにすぐ使える、生育期には常備したい商品です。


効果のある害虫:アブラムシ類、ツツジグンバイ、ケムシ・アオムシ類(アメリカシロヒトリ、チュウレンジハバチ、ルリチュウレンジハバチ)、チャドクガなど
効果のある病気:うどんこ病、黒星病など

ベニカXファインスプレー

ベニカXファインスプレー

有効成分:クロチアニジン・フェンプロパトリン・メパニピリム

コメント:浸透移行性殺虫剤クロチアニジンとフェンプロパトリンは持続性があり、幅広い殺虫スペクトラムを示す化合物。メパニピリムは灰色かび病やうどんこ病、黒星病などに優れた防除効果を持ち、耐性菌にも強い比較的新しいアニリノピリミジン系殺菌剤です。速効性と持続性のある殺虫殺菌剤で、月に1~2回散布するだけでアブラムシや羽虫が全く付かなくなります。匂いもさほど強くなく、汎用性の高い殺虫殺菌剤です。


効果のある害虫:アブラムシ類、アザミウマ類、クロケシツブチョッキリ、コガネムシ類成虫、コナジラミ類、チュウレンジハバチ、ハダニ類、ハモグリバエ類、ハスモンヨトウ、ゴマダラカミキリ成虫、ツツジグンバイ、カイガラムシ類、ケムシ類など
効果のある病気:うどんこ病、黒星病、灰色かび病、褐斑病など

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都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

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