莢蒾(ガマズミ)の育て方

投稿日:2018/08/29 更新日:2020/05/28

莢蒾(ガマズミ)の育て方

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莢迷(ガマズミ)はレンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木。

北海道から九州までの広い範囲に自生する雑木林を代表する植物です。

小葉性の「コバノガマズミ」や、極小葉性の「金華山ガマズミ」、細葉の「深山ガマズミ」などがありますが変異も多く存在します。

丈夫で暑さ寒さにも強く、初夏に散形状に咲く白い小花や、秋の赤い実も楽しめる盆栽では定番の実物樹種です。

C o n t e n t s

  1. 莢迷の培養の基本(管理場所、灌水、施肥)
  2. 莢迷の病害虫対策
  3. 莢迷の適期作業
  4. 関連ページ

1. 莢迷の培養の基本

莢迷の管理場所

全国の山地や林、草原など明るい場所に自生する植物で、暑さや寒さにも強い性質です。

風通しがよく明るい場所~半日陰のスペースを確保してください。

特に難しい管理は必要ありませんが、他の樹種同様に夏は日よけ、冬はムロに移すなど基本的な保護は必要です。

莢迷の灌水

水を好み、生育期間はよく乾きます。

特に夏は水切れで葉焼けを起こしやすいので、乾き過ぎないように注意してください。

軽い水切れなら落葉しても吹き直しますが、翌年の花芽にも影響してしまいます。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は1~2日に1回を目安に、表土が乾いてきたらたっぷり灌水してください。

莢迷の施肥

多肥により枝の徒長や実付きが悪くなることがあるので施す量は控えめに。

濃い肥料を与えるより、少ない(薄い肥料)を回数多く与えるように心がけてください。

4月頃に新芽が伸び出した頃から梅雨入りまでに月1回程施肥し、夏場は一時中止するか薄い液体肥料に切り替え、9月~11月頃に月1回秋肥を与えてください。

肥料は油かす(チッ素)主体の有機肥料が基本で、夏以降はチッ素やリン酸分の配合も重要です。骨粉や、実物花物用の市販肥料など、栄養素のバランスを考えて施肥してください。

2. 莢迷の病害虫対策

風通しが悪かったり、樹勢の弱っているものにはカイガラムシや葉ダニがつきやすくなります。

梅雨時期にはうどん粉病などの病気も発生しやすくなるので定期的に殺菌剤を散布しましょう。

3. 莢迷の適期作業

莢蒾の作業カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
芽出し
 
 
 
 
 
 
 
落葉 
 休眠期
 
 
 
 
花芽分化
 
 
管理場所
軒下など
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰 
 
 
日なた 
 
 
軒下など
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
 
 
2~3/日
 
 
1~2/日
 
1/2~3日
施 肥
 
 
 
 
 
剪 定
 
花後
 
 
針金かけ
 
 
 
 
植え替え
 
葉切り  
 
 
       

芽摘み(4月~6月)

莢迷の花芽は春から伸びる新梢と共に上がってくるので、実を付ける段階のものは芽摘みを控えて一旦伸ばしておきます。

莢迷は枝が真っ直ぐ間延びしやすい性質ですが、花芽を期待するためには多少の樹姿の乱れは目をつぶらないといけません。

5月頃になれば花芽がはっきりわかるので、花芽の付かなかった新梢を1節残して芽摘みしてください。2番芽はすぐに伸びてくるので、伸びたら1節で摘むを6月中旬頃までやります。

来年の花芽は7月中旬~8月ごろに作られるので、鑑賞段階の樹は7月以降の芽摘みを控えること。

樹作り段階のものは花芽を気にしないで「伸びたら摘む」を繰り返して枝数を増やしてください。

元気のいいものは成長期の間に2~3回の芽摘みが可能です。ただし節間は間延びしてしまうので、切り戻しや針金で伏せるなどの整枝が必要です。

剪定(花後、落葉後)

莢迷の剪定は花後の芽摘み剪定と落葉後に行います。

伸びた枝は基本1節で切り戻し、不要枝も一緒に整理してください。枝を太らせたい場合は欲しい太さを得てから切り戻します。

樹作り段階のものは伸びたら切るで構いませんが、完成樹の場合は不用意に切り込むと花芽まで飛ばしてしまう可能性があります。

徒長枝が出やすいので強く伸びる枝は切りたいところですが、実を付けるためには伸びる枝はできるだけそのままにするか、先だけ摘んで伸びを止めておきましょう。

全体の剪定は落葉後か芽吹き前。

不要枝や伸びすぎた枝を切り詰めて全体を小さくまとめてください。

葉腋の両脇にも葉芽ができるので、不要な芽は早めに掻き取って節が太らないようにしましょう。

間延びしやすい性質ですが、芽摘みと剪定を繰り返しているうちに段々全体が締まってきます。

葉刈り(6月~7月)

莢迷は基本的には葉刈りはしませんが、芽吹きが旺盛で葉も込みやすいので、枝の勢いを抑えたり枝数を増やすには葉刈りや葉切りが効果的です。

葉刈りや葉切りをすることで内部の風通しや採光がよくなり、フトコロ枝の保護や胴吹きの促進に繋がります。

葉刈りは剪定と一緒に行うのがよく、切り詰めた枝先の葉1枚だけ残して残りを葉刈りしたり、全体に葉切りをして葉面積を減らす方法があります。

普通種の莢迷は葉も大きいので、葉切りをしたほうが夏場の蒸散を抑えることができます。もともと葉の細かい金華山莢迷は葉刈りの必要はありませんが、蒸れて状態がよくない場合は内部の葉だけ透かしてもいいでしょう。

ただし葉刈りは樹形作り段階の元気な樹に対して行う作業で、葉刈りをしているうちは枝数は増えますが花芽は期待できません。

小さいサイズの樹や、樹勢の弱っている樹に葉刈りをする必要はありません。

針金かけ(落葉後11月~12月)

作業の適期はありませんが、本格的な矯正は落葉後が向いています。

新しい枝にかける場合は成長期の間に。食い込みやすいので時々様子をみて、早めに外してください。

古い枝は癖が付きにくいうえに折れやすいので無理に曲げないでください。

芽吹きが旺盛で枝もよく分岐するので、細かい枝先は剪定で作りましょう。

植替え(3月)

芽出し前に植え替えをします。

根の生長が早く、すぐに根詰まりするので植え替えは1~2年に1回の間隔で根の詰まり具合を見て行います。

4. 関連ページ

莢蒾(ガマズミ)の魅力

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コメント

イズミカツオ さん 2020年05月28日09時27分
挿し木から育て5年になります
8号の菊の鉢で今年も白い花が咲いています
秋の赤い実を今年こそはと楽しみに
しています
昨年は赤い実は一つもなくおわりました
今年こそはと思うのですが
実を着かせる方法がありましたら
ご教示お願い致します
茨城県日立市在住です
きみ さん 2020年05月28日10時13分
イズミカツオさんへ

ガマズミは自家不和号性の性質があって、自分の花粉では結実しにくいです。
実を付けるなら他の株や近縁種(コバノガマズミや深山ガマズミなど)と交配させるのが確実です。
上原ぼん さん 2022年10月02日18時43分
クコの実が毎年成りません花も咲きません。花を咲かせ実を確実に成らせる方法教えて下さい。よろしくお願いいたします。
きみ さん 2022年10月05日15時53分
上原ぼんさんへ

私の知り合いも「クコは実がなかなか付かない」といっているのを聞きましたが、わたしがもっているクコはなにもしてないのに花も実もなるので性というものあるのかもしれません。

クコは水と肥料は控えめ(特に肥料はいらない)なので、そういう管理をするのがいいと思いますよ。
肥料は春と秋に花物用のプロミックを割ったものを与えていますが、もしかしたら無肥料(時々薄い液肥程度)でもいいのかもしれないと思っています。