莢蒾(ガマズミ)の魅力
更新日:2018/08/26
莢迷(ガマズミ)はレンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木。別名「アラゲガマズミ」「ヨソゾメ」「ヨツズミ」。
北海道から九州までの広い範囲に自生する雑木林を代表する植物で、日当たりのいい山野や林縁などに普通に見られます。
初夏に咲く涼やかに咲く白い小花が可憐で、秋には赤く熟した実が鮮やか。冬の代表的な実物樹種の1つです。
莢迷の特徴
莢迷の品種
ガマズミ属はレンプクソウ科(旧分類体系ではスイカズラ科)の植物群で、世界に約150種、日本には15種類程が自生していると言われています。
莢迷には宮城原産「小葉の莢迷(コバノガマズミ)」や細葉の「深山莢迷(ミヤマガマズミ)」の他、黄色い実の「黄実の莢迷(キミノガマズミ)」などがあり、葉形には変異が多く見られます。
小さいサイズの盆栽には、「小葉の莢迷(コバノガマズミ)」に近い極小葉性の「金華山莢迷(キンカサンガマズミ)」も人気。芽吹きがよく枝が込むので作りやすい種類です。
ガマズミ属には他にも、「藪手鞠(ヤブデマリ)」や「男莢迷(オトコヨウゾメ)」「風鈴莢迷(フウリンガマズミ)」、「白山木(ハクサンボク)」などがあり、盆栽に作ることができます。
莢迷の花(5月~6月)
莢迷の花は紫陽花や下野(シモツケ)のような複散形の花序(かじょ)が咲きます。
初夏に白い小花が集まったように咲く姿が清楚な印象で、花だけでも見られます。
雌雄同株(両性花)ですが、自家不和号性の性質があるので近縁種や他の株との交配が確実です。
莢迷の実(9月~11月)
秋~冬になると実が真っ赤に熟します。
食用にもなり、冬の間は野鳥の貴重な食用となっています。
実は年明けまで付いたままですが、樹が弱るので早めに摘果したほうが安心。
小さい樹なら11月頃を目安に摘果し、実付けは1年おきにしておきましょう。
莢迷の繁殖法
莢迷は取木、接木、挿木が簡単です。
実生も可能ですが発芽率は低め。一旦乾燥させた種は、2年越しに芽が出ることもあります。
果肉には発芽抑制物質が含まれているのでよく洗って取り蒔きするか、冷蔵庫で保存したものを春に蒔いてください。
莢迷の主な樹形
斜幹や模様木、株立ちなど実の付き方やバランスを考えた樹形に作られます。
古い枝には針金が効かないので、若木のうちに基本の模様付けをしておきましょう。
芽摘みや剪定で小枝も増えるので、細かい枝先は剪定で作ってください。
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