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木通(アケビ)の育て方

投稿日:2019/05/02 更新日:2020/06/19

木通(アケビ)の育て方

木通はアケビ科アケビ属のつる性落葉低木。雌雄同株、雌雄異花。

本州以南の山野や雑木林に普通に見られる樹種で、生け垣や庭木としても利用されています。

拳状の付く5枚の葉と、淡紫色の花と食用としても馴染みのある果実が特徴的です。

1. 木通の培養の基本

管理場所

山林や森に自生する植物で、樹の幹や枝に蔓を伸ばして繁盛している姿を見かけます。

日照を好みますが、枝葉の下で育つ様子をみても半日陰くらいが生育によく、特に夏の西日には当てないようにしましょう。

枝の節間の伸びを防ぐためにも、真夏の時期以外は日当たりと風通しのいい場所を確保してあげてください。

耐暑性、耐寒性ともに強く丈夫な性質なので、夏の強光や冬の寒風に晒さなければ特別な保護も必要ありません。

灌水

割合乾きやすく、水を好みます。

春と秋は1日2回、夏は1日3~4回、冬は1~2日に1回くらいを目安に、土の表面が白く乾いてきた時点で、たっぷり灌水してください。

蔓を伸ばす性質なので、懸崖などやや深めの鉢でバランスをとることが多く、よほどでなければ水切れが過ぎることはありません。

細根が多く根詰まりしやすいので、水はけのいい用土に植え付けるようにしてください。

根詰まりしたものは通常の灌水に加え、2~3日に1回は溜め水にドボ漬けし、中までよく水を通すことも結構大事です。水をやったつもりでも、根詰まりしているものはブクブクと泡が出てきます。

開花中は花に水をかけないように注意してください。

施肥

実を付けたものは、実が2~3cmくらいの大きさになってから少量の肥料から初めてください。

木通は実の肥大のために多くの力を消耗するので、6月頃になって実が固まってきたら肥料の量を増やしていきます。土の表面が見えないくらいに与えても平気ですから、しっかり肥培してください。

樹勢を維持するためにも梅雨~夏の間も継続しますが、表土が汚れてきたら一度取り替え、量も多少減らしましょう。

施肥は10月中旬頃まで続けますが、実が止まってから新しい蔓が数本しか伸び出さないようであれば、肥培が足りていないか実を付けすぎている可能性があります。

樹勢が落ちると実持ちも悪く、また翌年からの樹勢にも大きく影響するのでしっかり肥培し、受粉も一年おきにするなどして樹勢維持をしてください。

2. 木通の病害虫と対策

風通しの悪い環境に置いていると、葉ダニやアブラムシなどの吸汁性害虫が付きやすくなります。

梅雨以降はうどんこ病やすす病、黒星病などが発生することがあるので、まずは培養環境を見直し、スミチオンやマラソンの他、各種殺菌剤を定期散布して予防してください。

3. 木通の適期作業

木通の作業暦

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
芽出し
 
 
 
 
 
 
 
 
落葉
 
 
花芽分化
 
 
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
半日陰 
 
 
 
 
日なた 
 
 
ムロ 
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
 
 
2~3/日
 
 
1~2/日
 
1/2~3日
施 肥
 
 
 
 
 
 
剪 定
 
 
徒長枝
針金かけ
 
 
植え替え
 
 
芽摘み  
 
 
 
 
     

芽摘み(5月~8月)

養成木の芽摘み

樹を太らせたい養成木の場合は、伸びる蔓は芽摘みせず、充分に肥培しながら2~3年くらいはそのまま伸ばしておきます。

蔓がやたら伸びても、長竿などに沿わせて自由に絡ませておくと急激に太ってきます。

充分な太さまで来たら、必要な長さで切り戻し、後に吹く芽も目的によって適当な長さで摘んでください。

完成木の芽摘みと芽かき

完成木の場合は、あまり伸ばすと枝の節間が長くなってしまいますし、徒長枝には花芽もつかないので、蔓(徒長枝)はやたらに伸ばさないことがポイントです。

花後に樹冠から強く伸び出す蔓は、2~3節の所で芽摘みします。

花芽分化は6月~7月頃で、夏以降は花芽が膨らんで葉芽との区別が付くようになりますので、花芽を確認しながら必要な長さで剪定ができます(切り戻し剪定)。

木通のような蔓性の植物は、蔓を摘むと枝の節や胴から沢山芽を吹く性質があります。

古い樹ほどよく芽を出してきますが、放置すると枝元がコブ状になっていけませんから、不要な芽は早めに掻き取っておくことも大事です。

剪定(2月~3月)

不要枝や古枝の剪定は芽出し前の2月から3月頃が適期。

この時期はまだ葉も展開していないので枝が見やすく、また花芽と葉芽も簡単に見分けることができるので失敗も少なくなります。

ただし、木通は比較的肉巻きが悪く、太枝を切ると傷口から枯れ込むことがあるので注意が必要。

太枝の剪定はできるだけ避けるか適期を守り、傷口には癒合剤を塗るなどしてください。

針金かけ(5月下旬~6月)

蔓性の植物はあまり人工的な矯正をせずとも、自身の重みで下垂する蔓で自然に形が出来てしまいます。

実をつければその重みも助けて枝はさらに下がるものですが、どうしても針金かけが必要な場合は実の位置を意識した向きの矯正程度にしておきましょう。

針金かけは梅雨の前後が適期で、これ以降は枝が固まる時期に入るので効率的に矯正ができます。

多少ナベヅル状になっても自然に形ができてくるので、無理な模様付けはぜずに流れや向きを固定するつもりで行ってください。

開花と交配(4月~5月)

木通の交配

白花木通(左)と木通(右)の交配の様子

雌雄同株の雌雄異花で、花序の先に雌花と雄花が別に付きます。

木通は自分の花粉では実を付けない自家不和号性の性質があるので、実を付けるには異なる株や近縁種数株を寄せて自然交配するか、人工交配してください。

木通には淡紫色の普通種の他、濃紫色、白花品種、一才性などがあるので、交配樹としていくつか持っておきましょう。

ただし実を付ける場合は、樹勢が著しく低下するので、一年おきにすること。

太さのある樹でも実は1~2つくらいにしておき、早めに摘果するようにしてください。実は大きくなり存在感があるので1つでも充分です。

小さい樹では実がついてもその後枯れてしまう可能性が高くなるので、まだ実が青い初夏のうちに摘むとか、花だけ楽しむくらいにしておいたほうが安全です。

植替え

木通は薔薇や真弓(マユミ)に次いで芽の動き出しが早いほうで、暖地だと2月頃からもう新芽が膨らんできますから、早い所では2月中旬頃には植替えができます。

根詰まりしやすいですが、毎年植替えると樹が若返って蔓が勢いよく伸びたり、実付がわるくなってしまうので、2年に1回のペースの植替えが適当です。

木通は数本の太根から細根を多く出す性質で、やろうと思えばどこまでも根が取れてしまいます。あまり強く根処理をすると樹が弱ってしまうので、古樹では全体の1/3くらいを限度に更新してください。

用土は、赤玉主体に桐生砂3くらいを目安に、水はけのいいものを用意すること。ゴロ土には荒目のものを使い、砕いた竹炭などを混ぜて用土の酸性化や根腐れを予防してください。

4. 関連ページ

木通(アケビ)の魅力

高卓に飾った鉢から下垂する枝に、パックリ割れた淡紫色の実をぶら下げた姿は、秋の展示会では一際目を引く存在で、春の新芽は山菜に、秋の果実はデザートに、蔓はかごなど……

コメント

meika さん 2018年03月11日09時52分
  実の成る盆栽は、つくるのに難しいです。樹種にもよりますが、肥料とその樹との駆け引きが大変です。小さな小鉢にアケビの実を成らすのも、工夫が要ります。

 葉が5枚の五葉アケビは、花が白くバナナみたいな結実をみました。
 葉が3枚の三葉アケビは、花の色が紫でしたし、大きな実を付けました。
 アケビは、雌雄同株ですが異種の花粉でないと結実しなかつたです。
 三葉アケビの雌蕊に、五葉アケビの花粉を付け人工授粉させると、花は紫で葉は所々四枚になりました。他の植物(盆樹)も、交配すると珍しい葉や花を示してくれます。

小盆栽をつくり、植物の不思議さやおもしろさを発見した時は、何か新鮮さを感じます。
 盆樹の植替えや剪定、取木や接木の作業には土や樹の臭いがいいですね。『樹は正直だ』
黒ラブ さん 2019年02月10日21時18分
きみさん、いつもわからないことがあれば頼りにしてサイトに来ています。

昨日近所の園芸店で白花のアケビと紫花のアケビ、どちらも一才性で樹高8センチ位の素材を手に入れました。

雌雄同株でも異種の花粉でないと結実しないと言うmeika さんのコメントを見て、白花だけを持ち帰ろうとした時、店主から紫も持って行きなさいと勧められた意味が解りました。

梅や木瓜、サツキなど花物が好きで集めていますが実は付けないように育てていました。
アケビは初めての実成物として育ててみるつもりです。

小さな木なので大きな実が付いて鉢が転ばないよう、重量バランスを考えて植え付け、剪定し、育てていけば良いのでしょうか?
支えを付けたのでは見栄えがしないですよね。
皆さんどの様にしているか教えて頂ければ幸いです。
きみ さん 2019年02月10日21時41分
黒ラブさんへ

こんばんは、ワークショップにはお越し下さってありがとうございました!

>小さな木なので大きな実が付いて鉢が転ばないよう、重量バランスを考えて植え付け、剪定し、育てていけば良いのでしょうか?

→それでいいと思います。

一才アケビは小さく作っていると不思議と実もそれほど大きくならないのですが、小品で実を遅くまで付けてると樹が力尽きてかれます。

実がなっても早めに摘果して、翌年は少しゆるめて休ませることをオススメします。
サウル さん 2020年04月06日15時43分
きみさんこんにちは、初めてメールさせていただきます。
昨年冬に三つ葉アケビの種をいただき蒔いたものが芽を出し始めました。
蔓ものを盆栽に仕立てるのが初めてでこれから何をどうしてよいかわからずに呆然としております。
今後この子を盆栽に仕立てるための方法を教えて頂けませんでしょうか?
大雑把な質問ですいません。
きみ さん 2020年04月07日18時14分
サウル さんへ
かわいすぎてどうしましょうか。ますはそのまま1年枯らさないことですね!
軸切りとかする樹でもないですから、太らせてからのスタートですね。
ツル物は幹というより、根元の太りで盆栽らしくします。枝ができるわけでもなく、伸びたら切るをしていると段々と太ってきます。
小さいうちは寄せ植えにしてもいいと思います。写真は実生の寄せ植え風です。このまま保ち込めばまぁまぁ見られます(人に譲ってしまいましたもうちょっと自分で作ればヨカッタ)。太くなってきたら分けて個別に作るといいかもしれません。
根で作るのもいいと思います。
底土はゴツゴツの砂利とかいれると根が面白い形に曲がってそれを幹にしてもいいと思います。
ちょっとまだまだ先の話ですが、これからかわいい葉っぱでてきてとても嬉しくなるとおもいます。
サウル さん 2020年04月09日14時44分
きみさん
ご回答ありがとうございます。
質問送ってわずか3日目ですが他の種からも続々と芽を出し
にぎやかになってきました。
大事に育てて太らせようと思います。

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。

現在、盆栽世界にて「キミのMonthlyお手入れ講座」連載中です。

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