サルスベリ(百日紅)の育て方

投稿日:2018/08/22 更新日:2021/08/08

サルスベリ(百日紅)の育て方

サルスベリ(百日紅、学名:Lagerstroemia indica)はミソハギ科サルスベリ属の落葉小高木。

中国南部が原産の暖地性の植物で、暑さに強く、真夏日でも生育旺盛に花を咲かせます。

フリルのようなヒラヒラした花が夏から秋まで次々と咲き、その開花期間の長さから百日紅(ヒャクジツコウ)の名前で呼ばれています。

薄紫、濃紫、紅紫の他、白花種や絞り花、矮性品種などもあり、花や葉の大きさにも個体差があります。

1. サルスベリの培養の基本

サルスベリの管理場所

日照を好む陽樹なので、日当たりのいい場所においてください。

夏の暑さや日差しにも強く、葉焼けも起こさないので、水切れさえしなければ元気に育ちます。

ただし、小さい鉢に入ったものは高温障害を起こしやすいので、他の樹種と同じように、日除け(遮光率70~75%くらい)を設置し、夏の強い日差しから保護してやる必要があります。

耐寒性もありマイナス4~5度くらいまで耐えますが、冬は乾燥した風で枝枯れしやすいので寒風にさらさないようにムロ内で管理してください。

サルスベリの灌水

乾燥にも比較的強い性質ですが、水切れが酷くなると落葉してしまいます。

落葉しても大抵は吹き直しますが、夏になんども水を切らすと枝枯れし、樹勢を落とす原因になるので注意してください。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水してください。

水が多いとより徒長して花が遠くなってしまうので、過水にならないようにしてください。

サルスベリの施肥

サルスベリは新芽が動き出すのがやや遅めで、4月中下旬頃から活動を始めますから、肥料を効かせるタイミングもやや遅めです。

春肥は芽出しの力を助ける重要な役割がありますが、与えすぎると枝がやたらに徒長してしまうので控え目を心がけてください。

新芽がしっかり伸びてくる5月上旬頃に、油かすなどの緩効性肥料を置いて6月上旬頃に交換しておけば充分です。

油かす肥料は分解吸収されるまでに時間がかかることを踏まえ、最初に春肥はごく薄めた液体肥料(ハイポネックスなら2000倍以上)を効かせる方法もあります。

開花中は基本的に肥料を中止しますが、花ガラを摘んだあとに薄い液肥を与えると樹勢が維持できます。

秋肥は9月~10月頃に、骨粉やリン酸分の多い肥料をよく効かせるようにするようにしてください。

2. サルスベリの素材の入手と繁殖法

サルスベリは盆栽園にもありますが、素材のレベルならホームセンターや園芸店でも取り扱いがあるので入手は比較的簡単です。

園芸品種も多いので、性(花色や大きさなど)のいいものを見つけてください。

挿木や取木も簡単ですから、大きな親木からミニのサルスベリを作って楽しむことができます。

3. サルスベリの病害虫と対策

普通種のサルスベリにはアブラムシやハマキムシ、葉ダニなどが付きやすく、梅雨頃にはうどんこ病も発生しやすくなります。

発生期には殺虫殺菌剤を定期的に散布し、日頃から葉をよく観察して病害虫の発生を防除してください。

アメリカ原産の矮性種(チカソウ)は普通種よりも葉が厚く、耐病性や耐寒性に優れていてほとんど病害虫がつきません。

4. サルスベリの適期作業

サルスベリの作業暦

3月 4月 5月 6月
 
冬期保護
 
 
 
芽出し
 
 
 
 
 花芽分化
 
 
植替え
 
 
 
 
 
芽摘み
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
針金かけ
 
 
 
 
 
 
施肥
 
 
 
 
7月 8月 9月 10月
 
 
 
 
花芽分化
 
 
 
 
 
 
 
 
開花期 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
針金かけ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
施肥
 
 
 
 
11月 12月 1月 2月
 
落葉
 
 
 
 
 
冬期保護
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

植替え(3月~4月)

芽出し前の3月~4月上旬頃が植替え適期です。

若木のうちは走り根を出しやすいので短く切り詰め、細根が多く張るようにしてください。完成木なら全体の1/3ほどを目安に、古土や伸びた根を整理できれば充分です。

樹形によりますが根張りも見所となるので、できるだけ薄く根捌きをして、浅めの鉢に合わせるとよくなります。

根の回りが早いので、若木や小さいものは1~2年に1回の植え替えを。 完成木でも2年に1回を基本にしてください。

植替え後は遅霜に当たらないように引き続きムロに入れ、昼間は徐々に外気にならして、4月頃から通常管理に切り替えましょう。

芽摘み(6月)

サルスベリの花芽形成は6月中旬から9月中旬頃で、その年に伸びた新梢の先に順次準備され、7月から10月頃の長期に渡って次々と咲きます。

通常花を見るためには芽摘みを控える必要がありますが、そのままにするとどうしても枝が間延びし、花が咲く頃にはかなり枝が暴れた状態になってしまいます。

できるだけ短い位置に花を咲かせたい場合は、6月に入った頃に1~2節で切り戻し、2番枝に花を付けさせる方法がオススメ。

伸ばしたままよりも一枝に咲く花数は少なくなりますが、小枝が増えて花姿のバランスも取りやすくなります。

剪定(3月、10月~11月)

樹形を整える剪定は芽出し前の3月頃と、休眠期前の10月~11月頃が適期で、樹勢を維持するためには花ガラ取り(花後の剪定)も欠かせません。

花後の剪定は1~2節残して花殻ごと切り詰めておくと、その後に伸びる枝先にまた花を付けます。これを繰り返すと10月頃まで花を見ることも可能ですが、なんども切ると枝が段々弱ってきてしまいます。

サルスベリは冬の間に枝ガレを起こしやすいので、花後の剪定後はできるだけ枝を残しておいて、2番芽の動く心配のなくなる秋の紅葉後に軽く全体を切り詰めるようにしておきましょう。

全体の剪定は芽出し前の3月頃に行いますが、生きている枝と枯れた枝の判断は芽が動いてきてからでないと難しいので、明らかに不要な枝や伸びすぎた枝から整理し、迷いがある枝は芽が出てきてから整理しても遅くはありません。

サルスベリは夏の花物というイメージが強いですが、落葉後の独特の幹肌や細かい枝配りも捨てがたい魅力。

秋までに枝を充実させるためにも、芽摘みや花後の剪定は遅くとも9月上旬頃までで終わらせておき、その後伸びる枝は先だけ摘んで樹勢を保つようにしてください。

サルスベリの花後の剪定

サルスベリの花は残しておくと自然に結実して樹勢を落としてしまうので、花後の剪定が欠かせません。花後に1~2節残して花殻ごと切り取っておけば、2番芽に花を咲かせて楽しむこともできます。

針金かけ(6月~7月)

サルスベリの枝は折れやすく、癖が付きにくいので針金かけによる整姿はあまり向きません。

小枝に丁寧に針金をかけても落葉後にはかなりの枝を剪定してしまうため、針金をかける意味があまりないと言えます。

作業の適期は新梢が固まる6月~7月頃。開花中の花姿を整えるように、枝向きの修正や軽い曲入れをしてください。

幹曲げも同時期にできますが無理は禁物で、滑らかな樹皮を傷付けないためにも剪定や植え付け角度などで樹形作りをしたほうが安全で、サルスベリらしさもでてきます。

細い苗木や太らせたい枝(剪定しない枝)については、針金かけで基本の模様を付けることができます。ただし、強い矯正や寒い時期の作業は折れやすいので避けてください。

5. 関連ページ

サルスベリ(百日紅)の魅力

「サルでも滑り落ちる」と例えられるほどツルツルと滑らかな樹皮を持つことがその呼び名の由来です。中国原産で、本来の漢名は「紫薇(しび)花」。日本では古くから「百日……

コメント

舞桜 さん 2021年08月02日23時44分
はじめまして舞桜(まお)と申します。
初めてのコメントです。
わたしは去年の10月から盆栽を始めた超初心者です。
盆栽教室に通ったり、師匠と呼べる方がいないため、いつもこちらのサイトを参考にさせて頂いてます。

今回はアドバイスを頂きたくてコメント致しました。
今、画像にある姫百日紅について悩んでいます。
7月下旬にホームセンターさんで母が可愛いからと購入してくれたのですが、枝が伸び伸びでその伸びた枝の脇芽もふくらんできている状態です。

そこで、
1.どこを正面としたらいいのか
2.今の時期にどんな手入れが必要なのか
3.伸び伸びの枝は切るべきなのか
4.将来的にどのような樹形が向きそうか、どこを剪定したら良いのか(時期)
ということ教えて頂きたいです。

初歩的なことばかりで申し訳ないのですが、回答くださるとすごくありがたいです。

よろしくお願い致します。
きみ さん 2021年08月03日10時31分
舞桜 さんこんにちは。

コメントありがとうございます^^
これは舞桜 さんがどうしたいかによりますが、少しでも盆栽らしくしたい!ということだったら、流れをつけて、斜幹風とか優しい感じの樹形にしたらそれなりに楽しめるのではないかと思います。
サルスベリ(これはたぶんアメリカ原産のチカソーという矮性品種)は伸びた枝の先に花を咲かせるので、まずはこのままで一旦花を見たら、基本1節残して花後の剪定をします。

そのあとも結構どんどん伸びてきますが、枝をしっかり作りたいなら花後の剪定後は伸ばしたままにして、10月頃か春に必要な所で切ってください。

一応、今の状態でなんとなく1曲得られそうな枝があったので、そころ正面とした写真をお返しします。
基本的な考えは、枝を作りたいところは伸ばし、小枝をださせたい所は切る。です。

この品種は盆栽にもなりますが、結構園芸的にも楽しめる樹種なので、花を咲かせて楽しむっていうのもよいのかなと思いますよ^^
(※同じメールが4件どといてました。なにか不具合があったら教えてください)
舞桜 さん 2021年08月03日12時52分
すぐにお返事頂けて嬉しかったです。
ありがとうございます。
同じメールが何通も届いてしまったのは、私が何度も何度も文章をやり直ししたからかもしれません。すみません( ˊ• ·̭ •̥ )

この子はアメリカ産なのですね…!?まずそこに驚いてしまいました(笑)
園芸的にというよりはこのサイズのまま盆栽仕立てにしたいと思っています。

とにかく今は見守ってあげればいいことが分かって安心しました。本当にありがとうございます。
本当に何も知識のない初心者なのできみさんがくれた画像を目標にまずは作っていきたいと思います。

将来的に、きみさんの下さった画像のようにする場合は、適宜になったら画像1枚目の黄でマークした枝に針金をかけて幹模様を作るものなのですか?それとも赤い点線のところで剪定して樹芯を変えていくのですか…?
(※画像はきみさんが見つけてくれた正面を上から撮影したものです。
また、2枚目の青マークの枝は立ち木という忌み枝ですか?その場合、黄色の部分で間引きするものなのでしょうか…?

枝を作りたいと思った時、私の頭の中でのイメージでは、欲しい長さになってから枝を切ると、幹から先端のまでの間に小枝ができなくなってしまうイメージがあるのですが、そもそもどのように枝を作っていくのかよく理解できていません(´;ω;`)

伸ばした枝からさらに一回り大きくなると考えて枝の長さを決めた方がよいのでしょうか…?
本当に何も分かってなくて質問ばかりですみません…(´;ω;`)

よろしくお願いします。
きみ さん 2021年08月03日16時44分
舞桜 さんへ

百日紅は樹皮が薄いし傷付きやすいので針金かけはあまりしませんが、細い苗木のうちなら曲げられるので幹模様をつくる目的で曲げることはあります。

でも、針金で模様つけようとすると、初めての方は単調になりがちなので、剪定でゆっくり作ったほうが反っていいのではないかと思います(私も100パー剪定だけで作っています)

前の画像で示したのは、今ある枝を剪定で作った場合です。これが1番よいというわけではないので、この樹をじっくりみて、どこを切ったら面白くなるか?で切る枝を決めてもいいと思いますよ

>2枚目の青マークの枝は立ち木という忌み枝ですか?その場合、黄色の部分で間引きするものなのでしょうか…?


今の段階で忌み枝と決めるのは早いように思います。基本的には2枝2枝になるように、一箇所から3つ以上でているのとか、内向きに出ている枝など明らかに使わないものから整理すればいいです。

今は剪定で小枝を増やして、芽の伸びがとまる秋頃に全体を整理するようなやりかたにしておくといいですよ。細かくきると、枝が細く弱くなって来年にはまた一から作らないといけなくなります。

百日紅の枝は、対になって付いている葉っぱの両脇からそれぞれ伸びます。どこで切っても切った位置の先端の芽から伸びてきます。
この矮性種は、写真で分かるようにすでに数カ所の葉腋に芽を膨らませていますから、どこで枝を分岐させたいかで切って大丈夫です。

これ以上大きくしたくないなら、まず鉢が大きすぎます。この半分くらいの鉢で充分ですね。
うちの棚場にもチカソーがあったので添付します。

伸びたらきるって感じで剪定をぼちぼちやっていっるだけですが、小鉢で年数がたてばそれなりに見られるようになってくると思います。
まずは枯らさないことを第一に、ゆっくり楽しんでください!
舞桜 さん 2021年08月21日16時41分
こんにちわ。お久しぶりです!
お盆を過ぎてもまだまだ暑いですね。汗
前はアドバイスを頂いていたのに、お礼も言わずに間を空けてしまってごめんなさい…(´;ω;`)
ご相談に乗って頂きありがとうございます。

相談させてもらったサルスベリさんですが、あれからぐんぐんと枝が伸びて、今では脇芽から伸びた枝先にも蕾を持ってくれて日に日に膨らんでおります。(画像は今よりも少し前のもの)
これから花が咲くのがすごく楽しみです!
以前は早く立派な盆栽にしたいと焦りすぎていましたが、今では気長に様子を見ながら、ある程度自由に枝を伸ばしています。


他のサイトでチラリと目にしたのですが、養生中のサルスベリは花を諦めて、今の時期から肥料を与えて樹勢をつけながら枝作りを優先させるといいとありました。
花が咲くのを楽しみにしていますが、私のサルスベリさんも花は諦めて枝作りを優先させた方が良いのでしょうか…。
将来的にはある程度幹の太さがあって、樹高の低い樹形にしたいなぁと思っています。

また、剪定についての質問を追加で3つさせて下さい…汗
(多くてすみません。泣)

①今ある脇芽について
1回目の花が終わったら伸びている脇芽も含めて、1〜2節残して枝を切り戻した方が良いですか?
それとも、将来使えそうな脇芽を残すような形で剪定をするのでしょうか…?
また、脇芽を残す場合の剪定はどうなりますか?

②骨格となる枝について
今よりも少し枝の太さや長さが欲しい場合は、花後に枝先だけを剪定して、太さを得た時点で剪定するものなのでしょうか?
それとも一旦は切り詰めて、2番芽を伸ばしながら太るのを待てばいいのですか?

③将来不要となりそうな枝について
2番芽の花後に剪定をしたあとは伸ばしたままで、3月頃に間引けば大丈夫ですか?

まずはしっかりと1年間枯らさずに育てることを目標にしていますが、疑問がたくさん出てきて質問をさせて頂きました。汗
理解が不十分で、おかしな質問になっていたらすみません…。

ぜひアドバイスを頂けるとありがたいです。
よろしくお願いします。

追記
我が家には他にも色々な種類の盆栽さんたちがいるのですが、他の子たちのご相談も各ページでさせていただいてもいいですか…?泣 
きみさんのサイトが私の参考書になってます…!
いつもお忙しい中、ご丁寧なお返事をありがとうございます。
きみ さん 2021年08月21日17時45分
舞桜 さんへ
さすがにコメントの文字数が長すぎてちょっとビックリしておりますが、それだけサルスベリへの愛情があるのだろうなって思って感動しています笑

花よりまず樹形作りと決めて、花を付けずに育てるのも1つの方法で間違いないと思います。ただ私たち趣味者はそこまできっちりやらずに、花を見ながら樹形つくるっていう方法で楽しんでも誰にも怒られないと思います。とくにこの品種は花付きいいですから、遅くまでなんども咲かせない限りは花みても全然いいと思いますよ~

おっしゃる通り、盆栽に必要なものは焦らない心の余裕と時間です。


①剪定は、サルスベリは基本的に葉の付いているところならどこで切っても芽がでますから、細かいことは気にせずにここで枝分れが欲しいと思った所できればよいです。
ただ、剪定はできれば8月中に終わらせて、あとは落葉まで伸ばしたままにしておいた方がいいと思います。剪定時期が遅れると2番枝が太りきれず冬を越せません。

②どちらも正解ですが、伸ばしたほうが太ります。

③明らかにいらない枝は適宜切ってください。たとえば一箇所からたくさんでていたら、そのままだと枝がコブになってよくないです。全体をしっかり切る場合は芽出し前の3月~4月頃でよいと思います。

他の樹種でもなにかありましたら遠慮無くコメントください☆
サイトを充実させるきっかけになるのでありがたいです!
お待ちしております♪