サルスベリ(百日紅)の魅力
更新日:2018/08/21
サルスベリはミソハギ科サルスベリ属の落葉小高木。
「サルでも滑り落ちる」と例えられるほどツルツルと滑らかな樹皮を持つことがその呼び名の由来です。
中国原産で、本来の漢名は「紫薇(しび)花」。日本では古くから「百日紅(ひゃくじつこう)」と呼ばれています。
庭木や街路樹としても人気で、暑い時期に元気に咲き誇る色鮮やかで特徴的な形の花が目を惹きます。
樹皮が剥がれて現われる滑らかな幹肌や寒樹の姿は雑木盆栽としての味わいも。
葉性は品種によって異なり、一才性や矮性種は葉も花も小さく小品盆栽向きです。
サルスベリの特徴
サルスベリの品種
サルスベリには普通種と矮性種があり、葉や花の大きさには差があります。
中でも「チカソー」や「ポコモック」などの極姫性サルスベリと呼ばれているものは節が非常に短く、葉も花も特段に小さいのでミニサイズの盆栽に適していて、花色は鮮やかなピンク色です。
ただ極姫性は節が非常に短く、枝も太らないの性質なので樹作りが難しいです。
園芸品種では覆輪模様の「夏祭り」やその実生選抜種「ピンキースノー」なども人気。黒葉に真っ赤な花色の品種や、枝垂れ品種もあります。
極姫でなくても花色豊富な小葉性のものは普通にあるので、いい性の素材をみつけて楽しんでください。
性の異なるサルスベリの葉(左:普通種、中央:矮性種、右:極姫性)
サルスベリの花(7月~9月)
夏から秋の間に鮮やかな色の花を長く咲かせ、100日間も咲き続けるという意味から「百日紅」という漢字名がついています。
花は枝先にまとまって咲き、花弁は縮れて波打ち基部は柄のように細くなっています。
花色が豊富で、白、紅紫系、ピンク系、紫色系とその中間色などグラデーション豊か。
サルスベリの花
盆栽では清楚な印象の白花や、濃紅系が映えます。
春から伸びる枝の先に花芽分化しますが、伸ばしたままだと枝が伸びきって姿が崩れてしまいます。
短く花ととめるには、5月中~6月上旬頃に一旦枝を短く切り詰めておくと短い2番芽に花が咲きます。
サルスベリの実(10月~)
盆栽仕立てのものは花後に花柄ごと切り詰めるのが普通ですが、そのままにしていると結実します。
実は果実というより種の詰まった花殻のような姿(写真左)で、秋に熟すと割れて中から翼のある種(写真右)を飛ばします。
地植えのものは年明け~春まで残っているものもあります。
サルスベリの繁殖法
サルスベリの種木は実生のほか挿木や取木で増やすことができます。
小枝を挿しても根付くので繁殖は簡単。花付きもいいので、小さいうちから飾って楽しむことができます。
サルスベリの主な樹形
斜幹、模様木、懸崖など様々な樹形に作ることができます。
幹肌が美しく雑木類としても見応えがありますが、花は伸びた枝の先につくので生育期はどうしても姿が崩れがちです。
枝は真っ直ぐに伸びてくるので、幹部分や役枝となる部分は早いうちに針金で癖をつけ、細かい枝先は剪定で作ってください。
冬の間に細い枝が枯れやすいのでしっかり保護してください。
サルスベリの病害虫
あまり病害虫の被害はでません。
樹勢が弱っていたり風通しが悪いと、葉にアブラムシやハダニ、グンバイムシなどが付くことがあります。
またその排泄物が原因の細菌性の病気(うどん粉病やすす病、炭そ病)にも注意が必要です。
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