紫陽花(アジサイ)の育て方
投稿日:2014/03/17 更新日:2020/06/02
本ページに記載の商品・サービスは広告を含むことがあります。
紫陽花はアジサイ科アジサイ属の落葉低木。
盆栽に使われるのは枝が細く花の小ぶりなものが人気で、山中や沢に自生する山紫陽花(ヤマアジサイ、別名:沢紫陽花)の他、日本固有種の小紫陽花(コアジサイ、別名:芝紫陽花)や奥多摩小紫陽花(オクタマコアジサイ)などが使われます。
花付きよく育てやすいのでガーデニングでも定番の樹種で品種も多く、梅雨から初夏にかけていろいろな花を楽しむことができます。
1. 紫陽花の培養の基本
紫陽花の管理場所
明るい山中や沢筋に自生していることから、強光を避けた明るい場所~半日陰が適しています。
最低でも午前中は陽のあたる風通しのいい場所を確保し、夏場は日よけの下で管理してください。
紫陽花の灌水
水を好み乾燥に弱いので水切れしないように。
特に夏の水切れで葉焼けをおこし、落葉や枯れることもあるので注意しましょう。
春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日3~4回、落葉後の冬は1~2日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水します。
紫陽花の施肥
肥料が不足すると葉が黄変し花付きも悪くなります。
ただし力が付きすぎると枝が強く伸びて、古い枝が枯れたり、花付きにも影響するので多肥は禁物。
4月~5月と、9月~10月の間に月1回、油かすなどの固形肥料を置き肥してください。
梅雨~夏の間は中止するか、ごく薄いハイポネックスを灌水時に与えると葉色もよくなります。
2. 紫陽花の増やし方
紫陽花の花序のほとんどは装飾花で、種子が出来るのは稀なため、繁殖は挿木が主流です。
発根もよく、管理がよければ新梢挿しでも古枝挿しでも根付きます。
葉が大きい(葉量が多い)場合は葉すかしや葉切りをして余分な蒸散を防いでください。茎の途中を挿すよりも、葉の付け根に近いところを挿すほうが発根が良く、株立ち状に作りやすくなります。
3. 紫陽花の病害虫対策
病害虫は付きにくいですが、樹勢が弱っているものや風通しの悪い場所に置いているものは葉ダニやハバチの幼虫、カイガラムシやスリップス(アザミウマ)が付くことがあります。
また高温多湿の時期には斑点病や輪紋病、たんそ病やうどん粉病などの病気にも罹りやすくなるので、殺虫剤や殺菌剤を定期散布して病害虫を予防しておくことが大事です。
4. 紫陽花の適期作業
紫陽花の作業カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
生育状況 | 休眠期 |
芽出し |
落葉 |
休眠期 |
||||||||
花 |
花芽分化 |
|||||||||||
管理場所 | 軒下など |
ムロ出し | 日なた |
半日陰 |
軒下など |
|||||||
灌 水 (回数/日数) |
1/1~2日 |
1~2/日 |
2~3/日 |
1~2/日 |
1/1~2日 |
|||||||
施 肥 | ||||||||||||
針金かけ | ||||||||||||
剪 定 | ||||||||||||
植え替え |
芽摘み・剪定(花後6月~7月中旬)
基本は花後に新梢を1節で切る。小さくしたい場合は古枝の芽当たりの上で剪定。
紫陽花の剪定は、春から伸びた新梢を花後に切り戻す「切り戻し剪定」をします。
この作業をしないと年々株が大きくなり、枝の分岐もほとんどないため花数が減ってしまうので適期にしっかり切り詰めることが大事です。
基本は木質化した古枝から伸びる新梢を1節残して切り詰めます。
作業時期が遅くなると花芽形成期までに枝が充実しないので、遅くとも7月中旬頃までには終わらせておいてください。
花の付かなかった弱い枝は長めの残すかそのまま伸ばしておくと翌年には花が咲きます。
全体を小さく作り直したい場合は、古枝まで切り戻す(強剪定)ことができますが、翌年の花芽は付きにくくなるので注意してください。
針金かけ(5月~8月)
針金かけ自体はいつでも可能ですが、古枝は癖が付きにくいので新梢への整枝が基本です。
花芽の分かる5月頃に観賞に備えたしつけや、花後の剪定と一緒に行うといいでしょう。
人工的な模様よりは、自然な優しい作りにしたほうが紫陽花らしさがでるので、枝向きの矯正やかるい曲付けくらいにしておいてください。
植替え(3月、9月中旬~10月上旬)
春の芽出し頃か秋にできます。
細かい根が多くでるので全体の半分~1/3程をほぐして植え付けてください。
古土が絡みやすいので、入手したばかりのものは根洗いをしてよく土を落としてください。
根がまわりやすいので若木や小さいものは1~2年に1回植え替えをします。 成木は2年に1回を基本にしてください。
5. 関連ページ
盆栽に使われるのは枝が細く花の小ぶりなものが人気で、山中や沢に自生する山紫陽花(ヤマアジサイ、別名:沢紫陽花)の他、日本固有種の小紫陽花(コアジサイ、別名:芝紫……
コメント
- ピコリット さん 2022年04月02日12時34分
- キミさん
こんにちは。
いつもこちらのサイトでお世話になっております。
YouTubeも楽しく拝見しています♪
山アジサイについて教えていただけますでしょうか。
昨年の春、UGCで藍姫を購入しました。(購入時写真①)
<これまでの状況>
6月に花が終わった後、剪定して植え替えし、置肥プロミックを与えました。
(この時剪定した枝10本ほど挿木しました)
暑さのせいか7月に葉枯れして落葉し、その後8月に株元と枝先に新しい若葉が出てきました。
12月紅葉し全ての葉が落葉。肥料撤去。
3月中旬まで全く動きなく、枯れ枝にしか見えず心配していましたが最近ようやく芽吹いてきてホッとしているところです。(現在写真②)
ちなみに写真③は挿木の現在の様子で、こちらは葉の動きが旺盛です。いずれ盆栽にしたいと思っています。
<写真②について質問>
・なんとなく芽の動きが遅くて弱々しく感じるのですが、株元の旺盛な芽は今カットした方が良いでしょうか。
・3分の2くらい木質化しているのですが、木質化した部分は芽が出にくいものなのでしょうか。
・全く芽が出ない枝は、もしこのまま出なければどこかで見切りをつけて元からカットすべきでしょうか。
コメントいただければ幸いです。
よろしくお願いします。 - きみ さん 2022年04月03日11時05分
- ピコリット さんへ
こんにちは!
紫陽花の芽動きは外気温が落ち着いてから始まるので、今時期のこの状態な通常運転です。
来週くらいから勢い付いてくると思いますよ^^
紫陽花は低木でヒコバエが毎年でて、藪を作る性質なので古い枝はやはり枯れやすいです。
ヒコバエを小まめに処理すれば古枝は維持しやすいですが、それでもなんぼんかは枯れますね。
芽が動いてる古枝には水が上がっているので、理想の高さの所まで切り戻すなどすれば全体の大きさを維持できます。
ヒコバエは全部取る必要はないけど、やはり力が強すぎて古い枝が全枯れしてしまうので、弱い芽を数本残して、数を減らしたほうがいいと思います。 - ピコリット さん 2022年04月03日21時54分
- キミさん
早速のご返信ありがとうございます!
紫陽花の性質を教えていただき大変参考になりました。
早速ヒコバエを3本処理しました。
ネットで探してもなかなか情報がなくて困っていたので助かりました(^ ^)
芽動きはゆっくりなんですね。。安心しました。
なんとか形を保ちつつ、古い枝もできるだけ残せるよう、よく観察して育てていきたいと思います。
ありがとうございました。 - あっきー さん 2024年11月27日08時20分
- いつも参考にさせていただいております。
9月の藤樹園フェスにてきみこさんが出されていたタマアジサイを購入しました。
当初は葉が落ちてしまい心配でしたが現在はこのような状態です。
かなり葉が色々な場所から出てしまっているのですがこれからの時期は
どのようにお手入れをしていけば良いでしょうか? - きみ さん 2024年11月28日17時10分
- あっきーさん
こんばんは、藤樹園のフェスでタマアジサイ購入してくださったのですね
ありがとうございます^^
直接説明したかったのですが、当日参加できず申し訳なかったです。
これは山取り(許可取り)のもので、岩の崖から垂れ下がっていたものを採取したので
もとの角度はずいぶんちがいます。
そして、山取りのものは根がほとんどとれないので、根を育てるために大きめのプラ鉢にいれた状態です。
アジサイですから根は十分伸びていると思いますので、来年は好きな鉢にいれて楽しんでください。
管理ですが、涼しい山の中の日陰に自生している植物ですので、夏の管理はツバキと同じ日陰でOKです。
日差しが強いとすぐ葉やけしてしまいます。
肥料も結構好きですので、春と秋を中心にしっかりあげてください
落葉樹なのですが、今年は気温が下がらなかったので葉が伸び出すことがあるかもしれません。
とくに人為的に葉刈りする必要ないですので、そのまま、冬は軒下管理でお願いします。
春先に古い葉っぱを取ってください。
また何かありましたらコメントお待ちしています。