縮緬葛(チリメンカズラ)の育て方

更新日2018/06/11

縮緬葛の育て方

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縮緬葛の作業カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
成長期
 
 
 
 
 
 
紅黄葉
 
休眠期
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰
 
 
日なた 
 
軒下など
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
2~3/日
 
 
 
1~2/日
 
 
1/2~3日
施 肥
置き肥
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
 
針金かけ    
 
 
 
 
 
植え替え
 
 
葉刈り
 
 
 
 
 

縮緬葛の性質

縮緬葛はキョウチクトウ科テイカカズラ属の常緑つる性低木。

暖地性の植物で、照りのある細かい葉の新緑や紅葉が美しく、古色を帯びた幹も魅力です。

矮性種なので太りが遅く完成まで年月を要しますが、丈夫で萌芽力が強く、作りがいのある樹種。

細枝を挿木してもほぼ100%根付き、繁殖も容易です。

縮緬葛の管理場所

日当たりと風通しのよい場所で育てます。

縮緬葛は暖地性の植物で日照を好みますが、陰樹の特性があるので強い日差しには直接当てないほうがいいです。

特に植え替えしたものは9月いっぱいまでは半日陰で管理してください。

寒さに弱いので冬の乾風や霜に当たらないように保護が必要です。

縮緬葛の灌水

乾燥には比較的強い方ですが、水を好むので特に夏場は水切れには注意してください。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水します。

ただし過水になると葉が大きくなるので、乾いたのを確認してから水やりするよう心がけてください。

縮緬葛の施肥

肥料を好むのでしっかり施します。

縮緬葛は枝数を増やすために芽摘みや刈り込みを繰り返すので、肥料を効かせて樹勢を維持させる必要があります。

冬の休眠期や真夏は中止しますが、生育期間中は継続して充分に与えて下さい。

特に秋肥をしっかり効かせて力を付け、春からの手入れに備えておきましょう。

縮緬葛の作り方

縮緬葛の樹形作りはとにかく小枝を増やすことです。

萌芽力が旺盛なのでかなり強く刈り込んでも芽が吹いてきますから、思い切った切り込みができます。

矮性種なので太りは遅いですが、最初に幹模様を付けておいてじっくり作る楽しみがあります。

剪定(5月中旬~6月、8月~9月)

縮緬葛のような蔓性の樹種は、枝(蔓)を伸ばしても基部ばかり太くなるだけで幹は太りません。伸びたからとあまりこまめな刈り込みはしないで、伸ばしては刈り込むを繰り返すようにします。

暖地性の植物なので、蔓が少し伸びて力がつく5月中旬~6月に1回目の剪定をしてください。

縮緬葛は枝が混み合いますから、剪定は全体の輪郭を意識してバリカン刈りの要領で強く切り込みます。

このとき樹冠の輪郭や棚を意識しながら大胆に刈り込み、不要枝は元から切り詰めてください。剪定の後は葉刈り(葉すかし)をして全体の葉量を調整します。

また、縮緬葛は太枝を剪定すると傷口が盛り上がってなかなか元に戻りません。やむを得ず太枝を抜く場合は深めに削り、必ず保護剤を塗ってください。

剪定後に強く伸びる蔓は、それ以上伸びないように先端を摘んでおいてください。

葉刈り(5月中旬~6月、8月~9月)

全体を粗く刈り込んだら、輪郭線に沿って細かい枝先を綺麗に詰め直し、同時に葉刈り(葉すかし)も行いましょう。

単に剪定しただけでは、残した枝の先端から2番芽が伸びてくるだけなので、内部の葉をすかしてフトコロ芽を動かす必要があります。

葉がない枝はそのままですが、葉の多い外側の枝は先端の葉を1枚残して残りは全て切除しましょう。

葉刈り後は肥料をいったん取り除き、10日ほど経ってから再び肥料を置いてください。

2番芽もすぐに伸びてきますが、あまり細かい剪定はせず、8月中旬~9月頃に2度目の剪定と葉刈りを行ってください。

針金かけ(5月~9月)

基本的には苗木のうちに幹元を思い切ってねじっておいて幹模様を付け、その後は枝数を増やすことで樹形作りをします。

時期に決まりはありませんが、剪定や葉刈り後の方が作業がしやすいです。

冬の強い針金かけは避けてください。

あまりいい曲の種木が見つかることは少ないですが、シンパクのような複雑な曲も似合うので、挿木した素材を思い切って曲げておきじっくり作って楽しみます。

植替え(5月~6月)

暖地性の植物ですから、あまり早い時期に植え替えをしてしまうと芽出しが遅れる可能性があります。

時期は春よりも初夏がよく、外気温が上がるゴールデンウィーク頃から可能です。

ただし葉刈りと同時に植え替えすると調子を悪くする事があるので、春に葉刈りしたものは2週間ほど様子をみて芽が動き始めたのを確認してから植え替えてください。

大きなものは2~3年に1回でいいですが根の回りが早いので、小さいものは毎年植え替えをします。鉢土が盛り上がってきたり根から気根が出始めたら植え替えの目安です。

ただし古樹では植え替えで枯れることがあるので、あまり強い根処理はしないで古土を更新する程度にしておいてください。

苗木のうちは幹を太らせることが大事ですから、欲しい太さまでは根の整理はせず徐々に一回り大きな鉢に移して、剪定や葉刈りを繰り返します。

駄鉢で数年培養し、ある程度木作りができたものは、適期に根を1/2~1/3くらいまで整理してください。

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コメント

ヒョウ さん 2020年05月13日13時43分
きみこさん

いつも拝読させていただきます。

縮緬カズラは、あまり花咲くの見た事がありませんが、花咲かせるコツってありますか。

紅葉を楽しむ品種ですが、どんな花咲くだろうか、ちょっと気になって質問させていただきます。

よろしくお願いします。
きみ さん 2020年05月13日14時09分
ヒョウ さんへ

着眼点がすごいですね

チリメンの重要な手入れ(刈り込みや葉刈り)は花芽分化の時期が適期なので、「盆栽」にしようとすれば花は咲かないですよね
花咲かせたいなら今時期に一度刈り込んで、そのあと伸ばしっぱなしにしないとですが、かなりぼっさぼさになりますし、古さも必要ですから絶対咲くともいえません。
花が咲きやすいとか、性もあると思います。

矮性種なのでもともと花も付きにくいと思いますが、原種の定家葛のような花が咲きます。
ヒョウ さん 2020年05月14日00時40分
きみこさん

返信ありがとうございました。

なるほど、矮性種だからあまり花も咲きにくいですね。

別にタネで繁殖することに依存しないから花咲かなくてもだと勝手に
思ってました。

ちょっと話変わりますが、竹は花咲いたあと枯れると聞いたことがあります。縮緬葛はそうはならないでほしいですね。
安芸の国人 さん 2021年04月04日04時26分
キミさんへ

 いつも大変お世話になっております。
 一斉に芽吹きが始まり,一年で一番きれいな時期がやって来ましたが,昨年暮れからの冬場が例年になく非常に寒くて,凍害による被害が多く出ました。キミさんの当該ブログを参考に通常,軒下などに
非難することで,十分でしたが,昨年は天皇梅,姫シャクナゲ,ピラカンサ,常盤紅サンザシ及び縮緬カズラが被害に遭いました。盆栽を始めて6年目ですが,初めての経験で幼木から育ててきた樹が枯れて
ショックを受けました。
 前置きが長くなりましたが,縮緬カズラとピラカンサは葉は枯れているようですが,枝を一部切ってみると青い部分が有り,まだ,完全には枯れていないように思われるのですが,対処方法があれば教えて頂けないでしょうか。以上,宜しく,お願いいたします。
 参考に置き場の状況写真を添付します。
きみ さん 2021年04月04日14時41分
安芸の国人 さんへ
こんにちは。ところ狭しと樹が並んでいて春という感じですね^^
寒害に遭った樹は枯死することもあるかもしれませんが、部分的に枝が枯れるとか、芽出しがかなり遅れる(5月とか6月になってやっと動き出す)場合が多いです。枯れてないと思うのでしたら、芽がしっかり動き出すまで別において、水をやりすぎないように様子みるくらいでしょうか。
どちらにしても樹形はかなり崩れますし、年内になんとか回復して終わりだと思うので、一から作り直しになってしまいますね
安芸の国人 さん 2021年04月04日20時10分
きみさんへ

 お世話になります。
早速のご回答ありがとうございました。
 水をやりすぎないように注意して,しばらく,様子を見てみます。
fred さん 2022年12月01日22時53分
Hi kimi!

I have a recently bought my first chirimen bonsai. My initial thought was just to take cuttings and make mini bonsai myself, however i'm wondering if i can also make use of the trunk. I would like it to be as small as possible. The curved trunk isn't to thick but the branches are long so i'm wondering how i create smaller branches closer to the trunk? I have never grown this chirimen before so i don't know what to do and how to prune. I hope you can help me as always ??
きみ さん 2022年12月04日16時56分
fred さん
hello! Chirimen kazura does not grow thick even if it grows with branches (vines), so I think it is good to cut leaves and prune regularly to trim the crown of the tree that has grown.
I think there are fine knots, but if there are knots, new shoots will appear no matter where you cut them. However, it is important to make the fertilizer work well and keep the tree vigor. This tree also likes water.
It is better not to cut the branches in cold weather.
As the years go by, the twigs will gradually grow.
fred さん 2022年12月05日09時35分
thank you very much kimi!

I realised the pictures didn't upload ? i'm sorry.

I'm a little confused how hard i can prune chirimen? is it possible cutting hard back and still having new shoots come out? for instance if i layered at red line on branches to make minibonsai and will new shoot come from the trunk cut?
きみこ さん 2022年12月05日17時36分
fred さん

hello! I've been busy lately, so my reply will be delayed. sorry.
You can cut mid-trunk as you envision, but it may not sprout like you expect. If you cut it back short, it will still sprout, but it will take 5-6 years for the twigs to mature. Rather, it is better to keep the tree vigor by growing it at the shortest possible twig node. Since it will be blown short, I will try to grow the buds. We recommend that you first put the plant in a slightly deeper pot and give it plenty of fertilizer. Your tree trunk pattern is very nice. There is plenty of potential in the future to make use of this and remake it into a mini bonsai!
博一 さん 2023年05月16日06時34分
公子さん
初めてメールさせていただきます。
自宅の近くにはちりめんかずらが自然な状態で沢山生えています。
それで最近ちりめんかずらを盆栽にしてみようかと思い立ちはじめました。
細枝はいくらでも手に入りますが、太いものはなかなか見つかりません。
先日やっと親指程の弦えを見つけました。ただその弦にはほとんど枝がなく杉の木に絡みつき数メートル延びていました。掘り起こしましたが、細根はほとんどありませんでした。
地面に埋まっていた根の部分(細根ほとんどなし)を含めて15センチ程度に切断して、密封挿ししました。その他弦の部分も10センチ程に切断して数本密封挿しをしています。こうした太い弦の挿し木は成功する可能性はあるものなのでしょうか
ご教授いただければ幸いです。
きみ さん 2023年05月22日17時31分
博一 さんへ

お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
たしかにチリメンカズラは太りにくく、自然のもので太い素材はなかなか見つからないですね
蔓もの植物は、蔓を近くの樹やフェンスなどに絡ませて自立するので、自分の体を太らせるよりも蔓を伸ばそうとする力が働くようです。
ですから、伸びる蔓は切ったほうが肥大は早いと聞いています。

根や枝がなく心許ないとは感じますが、チリメンカズラは挿し木や取木ができますので、きちんと湿度管理ができていれば発根は望めると思います。
自分の経験では小指くらいの太枝なら挿し木できます。

発根するといいですね~