唐松(カラマツ)の魅力

更新日2019年04月26日

唐松の魅力

唐松はマツ科カラマツ属の落葉針葉樹。雌雄同株。別名に藤松(フジマツ)、落葉松(ラクヨウショウ)など。

東北から中部地方の亜高山~高山帯に自生する日本の固有種で、松類(針葉樹)の中で唯一の落葉性の樹種です。

枝が乱れやすく晩秋には葉を落としてしまうので、他の松柏類のように年中見られるものではありませんが、芽出しの美しさは格別です。

落葉樹であるだけに淡い緑色の芽出しがひときわ美しく目に映り、多くの愛好者に好まれています。

唐松にも産地によって葉性が異なるものがあり、葉が小さく伸びにくい性のものを見つけるといいです。

唐松の自生地と培養面での課題

唐松は他の樹木が生えないような標高の高い場所や火山性の土壌や痩せ地に生える樹種で、山火事の跡地や崩落地などにいち早く侵入する先駆植物です。

そのため富士山麓などの日当たりのいい場所に天然林があり、東北地方から中部地方の亜高山~高山帯に分布しています。

原産地は宮城県以南の本州中央部。成長が早いため明治30年代から各地で植林され、北海道と長野を中心に多くの人工林が残されています。

荒れ地に真っ先に生じる樹木は赤松が代表的ですが、赤松と同様に樹勢は弱く、他の樹木が茂るにつれて競り負けて絶えてしまう傾向があります。

盆栽であまり太い樹を見かけないのは、この樹勢の弱さと平地での保ち込みの難しさがあります。

高山性の樹木なので耐寒性は強い反面、夏の暑さや蒸れには非常に弱く、いかに夏を涼しく過ごさせるかが培養面での最大の課題です。

唐松の特徴

唐松の葉

唐松の葉は線形で細長く、明るい緑色をしています。

先は尖っているものもありますが、組織が柔らかいので触っても痛くありません。

秋には黄葉して落葉します。

黄葉はさほど鮮やかではありませんが、枝のよくできたものは晩秋の枯松の姿として飾るのも一興です。

唐松の枝のでかた

唐松の枝には下枝やフトコロの部分に多く見られる短い短枝と、先端や上部から勢いよく伸びる長枝があります。

唐松の短枝(左)と長枝(右)

短枝の特徴

短枝には20本ほどの葉が束生します。

短枝に付く葉は先端にやや丸みがあり、束生する姿はまるで花のようにも見えます。花芽は4月~5月頃にこの短枝につきますが、盆樹で花を付けることはありません。

長枝の特徴

長枝の葉は互生ですが隣り合う葉同士が互い違いにでるので、全体的に螺旋状に伸びていきます。

葉先は尖っていて短枝の葉よりも長くなる傾向があります。

唐松は頂芽優性が著しく、上部の枝が強く伸びて下枝から枯れる傾向があります。春から伸びる芽には芽摘みをして、全体に力が均等に分散させることが大事です。

唐松の主な樹形

唐松の枝は柔らかく、幹も曲げやすいですが樹勢が弱いのであまり無理はせず、素材の個性を活かした姿にするのが好ましいです。

ただ、苗木の段階でまっすぐなものは幹模様くらいは付けていかないと面白みがないので、早いうちに針金で癖を付けておいてください。

模様木にしたり、斜幹や双幹などは比較的簡単に仕立てられます。

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