檜(ヒノキ)の魅力
更新日:2019/03/01
檜はヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉高木。日本原産種。
人工林として植林されている代表的な針葉樹で、杢目が綺麗な最高品質の建材(桧)として古くから馴染みの深い樹種です。
江戸時代には乱獲による激減で、尾張藩により御用材以外の伐採が禁止された木曽谷の樹で、翌檜(アスナロ)、高野槙(コウヤマキ)、黒檜(クロベ)、椹(サワラ)を合わせた5種を「木曽五木」と呼びました。
檜の幹肌はよく荒れて赤褐色を帯び、持ち込めば小さくても古木の風情がでるため、松柏の中でもマツ類や真柏に劣らない樹種です。
檜の種類
檜には変種や中間種が多くあり、園芸種も合わせると数え切れないほどの品種があります。
同じヒノキ科の仲間には「椹(サワラ)」や「翌檜(アスナロ)」「黒檜(クロベ)」「伊吹(イブキ)」などがあり、中国・韓国原産の「子の手柏(コノテガシワ)」も檜の仲間。アスナロの別名でもある 「檜葉(ヒバ)」は、檜(ヒノキ)と椹(サワラ)、その中間種の総称です。
普通葉は鱗片状で平面的に伸び、枝は重なるように密着。葉裏にはY字形の白い気孔帯があり、椹(サワラ)やアスナロの気孔帯の形と区別することができます。
庭木や生け垣などにはあまり大きくならないガーデニング用の品種も豊富で、マツ科やスギ科、イチイ科などの仲間も含む「コニファー」の総称で様々な変種が多く作出されています。
盆栽では檜や椹、それに近い園芸種も使われますが、葉が小さく剪定に強い「津山檜」や「連山檜」「石化檜」などの八房性のものが特に人気です。
盆栽向きの檜の仲間
津山檜
昭和30年に岡山県津山市で発見された八房性の品種で、葉が密で細かく小品盆栽向きの人気の品種です。
盆栽素材を探索していた盆栽家が、10センチ程の実生苗を発見し持ち帰ったもので、挿木によって繁殖され全国に普及しました。
濃い緑色の鱗片葉が密に繁るので、一見すると真柏にも似ています。
葉先は丸くてやや厚みがあり、扇状に広がっていくのが特徴。
丈夫で剪定にも強いので直幹のほか模様木や寄せ植えにしても面白いです。
連山檜
こちらも八房性の檜で葉性が良く、小品盆栽向き。津山檜よりも鱗片が短く色味は優しい印象です。
連山檜も自然発生種を挿木繁殖して普及したものと考えられます。
枝は密に出て葉先は丸味があり、重なりながらそれぞれが扇状に伸びます。
石化檜
石化檜は、盆栽用に選別された品種で小品盆栽では定番で人気の品種。
盆栽界の「石化」とは一般の八房種よりもさらに葉が硬く縮れた性質のことで、葉は細かく密生し長い月日で化石化したような古代のイメージを感じさせます。
枝が込みやすく、モコモコと無機質に繁る葉はジオラマの模型のようにも見えます。
葉をよく見ると、特に元気のある徒長枝の葉はあまり石化せずに先が尖っていて、椹(サワラ)系の葉性であることが分かります。
椹(サワラ)
日本の固有種で、本州~九州各地の山地に自生している檜の仲間。
材は柔らかく、建材の利用はないものの匂いがないので桶や柄杓などの道具の材料に使われます。
外見は檜に似ていますが枝があまり茂らず、幹筋がよくみえるのが特徴。鱗片状の葉は先が一枚一枚尖っていて色味も優しく、全体的に女性的な柔らかい印象。
椹は檜や他の近縁種と交雑しやすく、雑種や変種も多く見られます。
枝葉の細かい矮性種の「姫椹(ヒメサワラ)」も小品盆栽向きで、ホームセンターにも置いていて手に入れやすい品種です。
矮鶏檜葉(チャボヒバ)
園芸用に作出された檜の矮性種で、非常に密に葉が茂る性質を持ちます。
かつては日本庭園の定番の植木として使われていて、「玉散らし」という枝棚を放射状に丸く仕立てる作りを今も見かけます。
成長が遅く盆栽向きの品種で、公園樹や庭木としても重宝されています。
直立性で幹が真っ直ぐ立つので、寄せ植えなど山林の景色をだす作りが似合います。
九十九檜葉(ツクモヒバ)
椹の園芸種で葉が丸くまとまる性質を持ちます。
芽摘みに手間がかかる檜の代わりに出回り、 小品盆栽向きの品種として注目されました。
成長が遅いので盆栽はもちろん、庭木や庭園樹にも利用されています。
黒檜(クロベ)
クロベ属の檜の仲間で、別名は黒部杉(クロベスギ)、鼠子(ネズコ)、ゴロウヒバなど。
樹皮や葉がやや黒味がかっていて、心材はくすんだ鼠色をしています。
日本全土に自生しており、富山の黒部川筋や長野の木曽の自生種群が有名。
材が硬くて腐りにくく古くから建材に利用されていましたが、木曽五木の1つとして尾張藩が伐採を禁止した歴史があります。
現在ではベイスギという名称で、デッキ材やフェンスなどの外装材、天井板、建具などに利用されています。
葉は檜よりも厚く光沢があり、葉を揉むとパイナップルに似た甘い香り。
直立性ですがねじれたものもあり、盆栽では直幹や強曲仕立てにして作られます。
剪定に強く、ジンやシャリ入れもできるのでちょっと変わった松柏の仲間として主木にしても目を惹く樹種です。
児の手柏(コノテガシワ)
中国・韓国原産の檜の仲間。
枝葉は地面に対して平面状に直角に伸びた様子が、子供の手の平のように見えることからこの名前がついています。
中国では柏はビャクシン属のことを指していて、盆栽界では格別の存在であったイブキビャクシンに真の柏という字をあてて「真柏」と呼ぶようになったと言われています。
児の手柏には園芸品種も多く、千手(センジュ)やエレガンテシマは庭木として人気。
小さくすると「児の手」が出にくいのか小品盆栽ではあまり見かけませんが、中品サイズ以上の盆栽では児の手柏の素晴らしい作品を見ることができます。
檜の繁殖法
檜の繁殖は取木や挿木が主です。
実生も簡単で、変種がでる可能性もあるので楽しめます。
挿木したものは数年そのまま培養して枝を走らせておくことで早く幹が太ります。
檜の主な樹形
檜は直立性の植物ですから、直幹や斜幹、双樹、寄せ植えなどがよいです。
挿し穂が柔らかいうちなら幹模様を付けることができますが、無理な強曲は避けましょう。
真っ直ぐに伸びた幹のほうが檜らしい姿を表現できます。
檜の病害虫
病害虫は付きにくい丈夫な樹種ですが、樹勢が弱っているものは葉にハダニや幹にテッポウムシが付くので注意してください。
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