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花梨(カリン)の育て方

花梨の作業暦

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
芽出し
 
 
 
 
 
 
 
 
紅葉
落葉
 
結実
花芽分化
 
 
摘果
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰 
 
日なた 
 
 
 
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
 
 
2~3/日
 
 
1~2/日
 
1/2~3日
施 肥
 
 
 
 
 
 
 
剪 定
 不要枝
徒長枝
針金かけ
 
 
植え替え
 
 
芽摘み    
 
 
       

花梨の性質

花梨はバラ科ボケ属の落葉高木。両性花。

大実の黄色い果実がまるで枝に突き刺さったようにつきます。

その大きさから樹もある程度太くなければバランスが取りにくく、樹の力が消耗するので実物の小品盆栽としてはあまり向きませんが、幹の独特の照りのある斑模様や根張りは格別によく、4月~5月に咲く薄紅色の5弁の花も綺麗です。

丈夫で寒さに強く、太りが早く萌芽力も強いので枝作りのしやすい樹種。自家結実性は高いですが、別の株の花粉を付けたほうが結実がよくなります。

実をつける場合は力のついた樹でもあまり多く付けず、大物盆栽でも3~5個程度にしておくべきです。小品では「タヌキ」といって、シドミの黄色く熟した実を花梨の実に見立てて枝に差して飾ることがあります。

花梨の管理場所

日照に強い樹ですから、日当たりと風通しのよい場所で育てます。

花梨の花は早春に咲くので新芽が動き出したら日当たりのいい場所に置いてください。

ただし遅霜に当たると花だけでなく新芽も傷みますから、夕方からは霜が当たらないように保護しておいたほうがいいです。

強い日差しに強いですが、夏だけは西日に当たらないように半日陰に置き葉焼けを防ぎます。

寒さには強いですが、冬は寒風を避け、鉢土が凍らないように保護してください。

花梨の灌水

水を好む樹種なので水やりは欠かせません。

特に開花から結実したばかりの間は乾燥に弱いので、水切れしないようにしましょう。

花に水がかかると花粉が流れて傷むので、開花中は花に水がかからないように注意してください。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水します。

花梨の施肥

苗木のうちは3月の芽出しから生育期間中にかけてしっかり肥料を効かせ、樹形作りに専念します。

完成樹の場合は実を付けさせることが第一なので、肥料の加減を控えめにして樹勢を抑える必要があります。

花梨は春先から花を咲かせるので、結実してある程度実が大きくなる4月下旬~5月頃になって施肥を始めてください。

7月まではしっかり肥料を効かせておき、8月にはいったん肥料切れの状態にして実の色付きをよくします。

秋肥は9月~11月の間にしっかり与えてください。

肥料が効いているかは葉色で分かります。しっかり効いていれば照葉になり効いていなければ黄ばんできますからよく観察してください。

肥料はリン酸分を多めに与える必要があるので、油かすに骨粉を5割の割合で混ぜて与えてください。

花梨の作り方

芽摘み(6月中旬~7月上旬)

花梨の芽摘みは新梢を初夏まで伸ばして切り詰める「切り戻し剪定」が基本。春から伸びる枝はそのまま6月頃まで伸ばしておいて、2~3芽残しで先を摘んでください。

勢いのあるものはかなり伸びてきますが、花梨はあまり早くに芽摘みすると2番芽にも勢いが残り、花芽が付かないので伸びきってから切るようにしてください。

芽摘み後は頂芽の枝ほど強く伸びますが、下枝はあまり伸びずに花芽を付ける充実枝(短枝)になりやすくなります。

花芽は徒長枝にはつかないので、あまり強く伸びる枝や不要枝は元から切り取ってください。

剪定

若木の剪定(6月~8月)

若木の間は実を付けることは諦めて樹形作りのための剪定をします。

幹を太らせるためには伸びる枝は3~4年そのままにします。花梨は萌芽力の強い樹種なので、ある程度作られたものは春先に切り詰めて枝を増やして下さい。

春から伸びた枝は6月頃に2節残して切り戻し剪定を。2週間くらいすれば2番芽が伸びてくるので同じ要領で切り、その後に伸びる枝は先を摘むだけにします。

枝の骨格を作る段階のものは、新梢に針金で曲をいれた状態で伸ばしておき、太さを得てから切り戻して小枝作りをします。

材が硬く、太くなってからでは幹模様は作りにくいため苗木のうちのしっかりした幹作りが重要です。

完成樹の剪定(芽出し前2月、6月中~7月上頃)

完成樹は実を付けさせることが大切です。

花梨の花芽は7月中~8月頃、その年に充実した短果枝の先につきます。

基本の剪定は発芽前の2月頃に行い、花芽を確認してから不要枝や徒長枝を切り詰めてください。

このとき花芽の分かる枝はそのまま残しておき、前年に伸びた枝や不要枝は2節残して剪定し、下枝ではそれより多め(3~4節)に残して剪定してください。

実物類は徒長枝をあまり早いうちに剪定してしまうと花芽がつきにくくなるので一度伸ばしてからが基本です。

6月中旬~7月上旬頃になって新しく伸びた枝を2~3節残して剪定し、短い枝が出るようにします。

また花梨は胴吹き芽もよく出ますが、必要ない箇所からでる芽は早めに欠いておくことが大事です。

針金かけ(5月~6月)

花梨の枝は折れやすく、樹皮も薄くて弱いので老樹や完成樹になるほど針金かけは難しいです。

花梨の場合は、無理に針金を使わず剪定で作るほうがいいです。

苗木のうちは将来の樹形を作っておかなければいけないので、幹と役枝に針金をかけておきます。一度形をつくると後の修正が難しいので、苗木の個性を活かしつつしっかり構想をたててください。

完成樹には針金かけはしません。

どうしても必要なときは若枝にだけかけますが、折れやすい性質なので無理な曲付けは避け年月をかけて徐々に修正する心積もりでいてください。

生育のいいものは2~3ヶ月くらいで針金が食い込んできてしまいます。

花梨の独特な幹肌を傷付けないためにも、秋には一度外してください。

開花と受粉(4月~5月)

両性花で自家結実性は高いですが、別の株の花粉を付けたほうが結実がよいので2株以上あるといいです。

普通の花梨の他、姫花梨、一才花梨、唐花梨などの近縁種を持っておくと便利です。

植替え(2月)

花梨の芽出し

花梨は1月頃から芽が動き出す

花梨は芽出しが比較的早く、ムロで保護しているものは1月頃から動き出すものも。

植え替えも他の樹種よりやや早めの芽出し前の2月頃が適期で、秋にも可能です。

バラ科の樹種は根の病気(根頭癌腫病)にかかりやすいため、病原菌の活動が弱る秋に殺菌を兼ねて植え替えする場合が多いようですが、冬の間に霜で根を傷める心配から2月の植え替えがお勧めです。

植え替えは根の詰まり具合をみて、1~2年に1回の間隔で行います。

コメント

こまめ さん 2019年02月21日21時28分
キミさん、このHPをいつも参考にさせて頂いております。
中品の大きさの花梨の植え替えなのですが、今週末に植え替え予定でしたが花が6〜7輪咲いてきてしまいました。花が咲いてしまってからの植え替えはしても大丈夫でしょうか?ご回答お願いします。
きみ さん 2019年02月22日08時35分
こまめ さん
いつもありがとうございます!
植え替え大丈夫ですよ!
こまめ さん 2019年02月22日12時20分
承知しました。明日、植え替えます。
ご回答ありがとうございました。
むろひめ さん 2020年08月10日06時10分
いつもお世話になっております。
カリン盆栽の葉がここ最近、所々黄色になり、ポロポロ落ちます。葉が無くなった枝もあります。
水枯れではないと思いますが、どのようにしたら良いですか?
ご教示お願いします。
きみ さん 2020年08月10日13時18分
むろひめ さんへ
こんにちは。今落葉するほど弱るというのは、気づかないうちに水切れさせたか、葉裏にハダニが繁殖しているか、長年植替えていなければ根腐れでしょうけど
断言はできません

対策は、培養方法が間違っていなければ(置き場所、水やり、肥料など)、そしてよほど酷くなければ吹き直すことは充分あります。
全体的に葉が傷んでいるなら葉刈り(できればしたくないから葉切りとか)して、今後は風通しのいい半日陰で水は乾くまでやらないことです。樹の回復力を待つしかありません。
むろひめ さん 2020年08月10日20時28分
さっそくのご回答ありがとうございます。
まずは葉ダニの確認をしてみます

都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。

現在、盆栽世界にて「キミのMonthlyお手入れ講座」連載中です。

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