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美男葛(ビナンカズラ)の育て方

更新日:2018/08/17

美男葛の育て方

美男葛の作業暦

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
 芽出し
 
 
 
 
 
 
 
 
休眠期
 
花芽分化
 
摘果
管理場所
ムロ
 
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰 
 
日なた 
 
 
 
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1~2/日
 
 
 
2~3/日
 
 
1~2/日
 
1/2~3日
施 肥
薄肥
 
 
 
 
剪 定
 
 
 
針金かけ
 
 
 
 
 
 
植え替え
 
芽摘み
 
 
         
葉刈り  
葉切り
     
古葉
 

美男葛の性質

美男葛(サネカズラ)はマツブサ科サネカズラ属の常緑蔓性木本。雌雄異株ですが同株も普通にあります。

関東地方以西~沖縄、中国、台湾などの暖かい地域に自生していて、暑さに強く丈夫な植物です。

葉には照りがあり、8月頃に咲く独特の花と秋に熟す真っ赤な集合果が特徴です。

木イチゴを大きくしたような果実は盆樹にしても見応えがあり、秋の飾りの席でもよく映えます。

美男葛の管理場所

日当たりと風通しのよい場所を好みます。

実付きをよくするためにもしっかり日に当ててください。

夏の強い日差しでも平気ですが、小さいものは乾きやすいので日よけの下が安心です。

暖地生の樹種なので冬は保護が必要です。

美男葛の灌水

水を好む樹種で、水切れすると落花(果)の原因になるのでしっかり灌水してください。

開花期から着果までの時期は特に注意が必要。

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安にしてください。

美男葛の施肥

肥料を好む樹種ですが、肥料過多は枝の徒長や根腐れ、落果の原因になるので控えめにします。

肥料は過多になると、落果するだけでなく枝の徒長や根腐れの原因になってしまいます。

春に植え替えしたものは2週間ほどおいてから薄い液肥を施してください。

春先から新芽が伸び出すので4月頃から薄めの施肥を開始。

開花から結実までの間は施肥を中止し、結実後9~10月頃までの間は油かすに骨粉(リン酸)を2割ほど混ぜて与えて下さい。

植替え(3月)

植え替えは春の芽出し前が適期です。

美男葛は常緑ですが、冬は古葉も萎れてきます。春新しい葉に更新するため、ムロ入れ前には全葉刈りをしておきましょう。

根詰まりしやすいので、1~2年に1回の間隔で行ってください。

病気・害虫

ハダニ類、ミノガ類、キクイムシ類などの食害の他、炭疽病やうどんこ病、すす病、黒星病などにかかることがあります。

葉が込むと病気にもかかりやすいので、葉数の多いものは全体に葉切りをして日当たりと風通しをよくしてあげてください。

美男葛の作り方

芽摘み(5月~6月頃)

美男葛の芽摘み

葉を2枚残して芽摘み

春の新芽が伸び始めたら5月~6月頃までそのまま伸ばしておいて、新葉が5~6枚くらいになったら2枚残して先を摘んでください。

蔓性の樹なので芽摘みをしたからといって小枝が増えるわけではないのですが、伸びる蔓はいわゆる徒長枝なので花芽が付きにくいのです。

一度詰めることで全体に花芽がつきやすくなり、枝の間延びや太りすぎの防止、胴吹きを促す効果も期待できます。

花芽は6月中旬~7月頃、今年伸びた新梢の葉元から花柄を下垂させた状態でつきます。

元々花付きはいい樹なので「伸びたら摘む」でよく、心配なら花芽を確認してから行っても構いません。

剪定(11月~3月)

美男葛の花芽

まだ小さい花芽(5月下旬:東京)

芽摘み後、6月頃になると残した葉の元に花芽がはっきり確認できるようになります。

剪定はその後に伸びる蔓にあたる徒長枝や、花芽のつかなかった枝を整理する程度にとどめます。

全体の剪定は、厳寒期を除く秋から春の新芽が動き出す前に行い、古葉も全部切り取っておきます。

保護をしても傷が治りにくいので、古くて太い枝の剪定は出来るだけ避けて下さい。

針金かけ

作業の時期に決まりはありませんが、開花中や結実後は大事な花や実を落としてしまう恐れがあるので、芽出し前かムロ入れ前の葉刈り後がお勧め。

暖地性の樹なので、寒中の作業は向きません。

美男葛の幹や枝は柔らかく針金はかけやすいですが、弾力があるのでクセが付きにくいです。

また無理に曲げると枝が折れるので、針金は向きを矯正したり枝を下げる程度にしておき、細かい枝は剪定で作るつもりでいてください。

太りが早く、すぐに針金が食い込んで傷になるので2ヶ月くらいで一度外し、必要ならかけ直しましょう。

綺麗な実を付けるコツ

美男葛の実は人工受粉で

美男葛の実は集合果で、雌しべは規則的に複数並んでいます。

丸い実が集まったような形状の果実は、雌しべ1つ1つが受粉して大きくなったもので、この複数ある雌しべ全体に受粉させないと綺麗な形状の実になってくれません。

美男葛の実

綺麗な集合果(左)と受粉に失敗した実(右)

また、雄花の花粉は表面に粉をまぶしたように付いていて、開花後は風が吹くと花粉が飛散しやすい状態です。

そのため、盆栽だと自然交配での綺麗な形の結実は難しく、人工交配が必要です。

開花期間に注意!雌花は2~3日、雄花は1日。

美男葛の花は8月頃から次々と開花しますが雌花の数は少なく、10個中に2~3個ほどしかつきません。

雌花の開花期間は2~3日ほどですが、2日目くらいから成熟し受粉しやすくなると言われています。

一方、雄花は花粉が飛散しやすく1日で落花してしまうので、毎朝開花状況をチェックして受粉のタイミングを失わないようにしてください。

ビナンカズラの花

写真1:人工授粉の様子
(左が雄花、右が雌花)

人工授粉のやりかたは、雄花の花弁が開き始めたら、刷毛などで直接雌しべに花粉をつけていきます。

複数ある雌しべ(写真1の白い突起)全体に花粉が付くように、開花中はこまめに受粉させムラのないようにしてください。

刷毛がなければ雄花を切り取って直接付けても構いません。花弁が邪魔な場合は、先に指で取り去っておくと作業がしやくなります。

結果後は水切れに注意し、実が大きくなってきてから施肥を開始してください。

1つの雄しべから取れる花粉の量も少ないので、交配用に複数の株を持っておくことをお勧めします。

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世田谷のバルコニーで盆栽を始め、現在は盆栽のための広い土地を求め都外へ移住計画中。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

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