ギョリュウ(御柳)の魅力
更新日:2019/06/01
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ギョリュウ(御柳または檉柳、学名:Tamarix tenuissima)はギョリュウ科ギョリュウ属の落葉小高木。
ギョリュウ属の仲間(タマリスク属)は世界に70種ほどがあり、そのほとんどはアフリカやユーラシア大陸の乾燥地帯に分布しています。乾燥や塩分に強い丈夫な樹で、砂漠などでも深く根を伸ばして効率よく水分を吸い上げることができます。
本種は主に観賞用に栽培されている中国原産種で、欧米では庭木や公園樹の定番樹種として親しまれ、園芸では「西洋ギョリュウ」という名前で出回ることがあります。
盆栽として作られるようになったのは明治の末期頃からで、細かい鱗片状の葉は針葉樹のよう。
よくできた古木はマツやシンパクなどと引けを取らない存在感がありますが、ナデシコ目の仲間で、春~秋の間に2~3回薄桃色の小さな花を多数咲かせます。
ギョリュウの特徴
塩生植物
ギョリュウの仲間は、地下水の塩濃度が高い半乾燥地域や海岸沿いなど、本来植物が育ちにくいような塩分を多く含む土壌に自生がみられます。
内陸に自生する植物の多くは、塩分濃度が高い土壌では水と一緒に過剰な塩類も体内に蓄積してしまい、正常な代謝ができなくなって生育阻害を起こしてしまいます。
ギョリュウはこのような塩害に対して高い耐性を持つ「塩生植物」で、葉の表面にある小さな「塩腺」という器官から余分な塩分を排出することができます。
その他、塩害に強い植物で盆栽にされるものには、クロマツやハイネズ、ハマボウ、ハマゴウ、シャリンバイ、ウバメガシ、寒グミ(ナワシログミ)や草本類などがあります。
鱗片状の葉と小さな花
ギョリュウの花
ギョリュウの葉は鱗片状で枝ぶりは真柏にも似ています。古枝は重みで垂れ下がりますが、小枝は上向きに伸びる性質があります。
花期は初夏と秋の2回で、初夏の花の方がやや大きめ。
淡いピンク色の小花が穂状にたくさん咲きますが、小さく作っているものはそれほど咲きません。
名前の似た「御柳梅(ギョリュウバイ)」はフトモモ科の常緑低木でミニ盆栽向き。ギョリュウのように枝葉が小さく梅の様な花が咲くことからその名がついています。
ギョリュウの繁殖法
挿木で簡単に増やすことができます。
細い枝でも発根するので、剪定した枝を挿木しておくだけで素材ができます。
鉢を緩めて肥培すればよく太り、強剪定でも芽吹き旺盛なので作りやすい樹種です。
ギョリュウの主な樹形
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