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合歓木(ネムノキ)の魅力

更新日:2019/06/07

合歓木(ネムノキ)の魅力

合歓木(ネムノキ)はマメ科ネムノキ亜科ネムノキ属の落葉高木。

日本を始め、中国南部や朝鮮半島、イラン、アフガニスタンに自生している樹で、温暖な地域に分布しています。

別名「ネム」「ネブ」の他、「夜合樹(ヤゴウジュ)」「絨花樹(ジュウカジュ)」「合昏(ゴウコン)」などの異名を持ち、夜になると葉を閉じる様子(就眠運動)から、一部の地域では「ねむたぎ」「眠りの木」「眠り子」などとも呼ばれています。

日本語読みの「ネムノキ」は眠りの木から転じたもので、漢字名の「合歓木(ゴウカンボク)」は中国で夫婦円満の象徴であることに由来しています。

長く伸びる淡紅色のおしべが美しく、英語ではSilk Flowersとも。夏の季語として万葉集や松尾芭蕉の句に残されています。

1. 合歓木の特徴

合歓木と群雀の花

左はネムノキ属の合歓木の花、右はムレスズメ属の群雀(ムレスズメ)の花

合歓木の花期は6月~7月頃。マメ科に特徴的な蝶形花(写真右)とは異なり、花弁が目立たず長いおしべが化粧用の刷毛のように広がるように咲きます。

ネムの葉

種類により葉の大きさが大きく異なる

枝は互生に付き、葉の形は羽根状の複葉で広がるように展開します。本種は葉が大きいですが、緋ネムや銀ネム(※2.)は葉身が短くミニ盆栽向きと言えます。

荒れ地に最初に根付く先駆植物で、整地した後の土地にいきなり出てくることも。成長が早く地植えにするとあっという間に高くなります。

盆栽としては古くから作られていて、柔らかい新梢は針金も効きやすく、強く切り戻しても芽が吹いてくるので樹作りの楽しい樹。

ただし枝の分岐はあまりしないのと、ふんわりとした花姿を魅せるにはやや文人調の作りのほうが合うかもしれません。

合歓木の就眠運動

ネムノキの就眠運動

合歓木の就眠運動

葉は羽根状複葉で、夜になると葉を閉じる就眠運動をする植物として知られていて、花も夕方から咲き出します(昼間に咲く場合も)。

就眠運動は葉からの蒸散を防いだり、雨風や害獣から葉を守ったり、夏の暑さに耐えるための生態反応と考えられていて、光の量によって葉柄(葉枕)の細胞内圧力が変化することによって、葉を閉じたり開いたりしています。

同じ反応は水切れ状態の時の他、剪定や植え替え、長時間の振動や接触などのストレスを与えることでもみられ、同じネムノキ亜科の多年草「オジギ草」も、接触によるストレスで葉を閉じることで知られています。

2. 合歓木の種類

合歓木の種類

ネムノキ属の仲間は典型的な暖地性の陽樹で、熱帯を中心に150種ほどあると言われていますが、中でも合歓木は耐寒性が強く高緯度にも分布しています。

日本にはこの合歓木のほか、小葉性で紅色の花が垂れるように咲く「緋ネム」、モジャモジャの綿毛のような白花品種の「銀ネム(シロバナネムノキ)」、葉に斑が入った「斑入りネム」、早咲きで矮性の一才ネム(園芸品種の「ナナ」)などがあります。

緋ネムはネムノキ属の植物ではなく、マメ科カリアンドラ属のメキシコ原産種で、葉性が小さくマメ盆栽向きですが寒さに弱い性質があります。

銀ネムは中南米原産でこれも寒さに弱く、小笠原諸島と沖縄県に移植されたものが帰化しています。

3. 合歓木の繁殖法

合歓木は実生の他、挿木や取木、根伏せで増やすことができます。

実生の場合は秋に成熟したものを鞘から採取し春に撒きます。発芽までに1ヶ月ほど要しますが発芽率は高いです。

実生からミニ盆栽に仕立てるには、直根が強く伸びやすいので発芽後に軸切り挿し芽をするか、直根を切っておいてください。

花が咲くまでに一才性は1~2年、普通種は早くても4~5年はかかりますが、いずれにしても剪定を繰り返しているうちは花は咲かないので、若木の間は樹形作りに専念する気持ちでいた方がいいかもしれません。

小鉢で締めて樹勢を抑えると比較的花も近くなります。

4. 合歓木の病害虫

基本的には病害虫は付きにくい樹ですが、蝶(キチョウ)やカメムシ、カイガラムシに食害されることがあります。

またカイガラムシの排泄物などですす病が生じることもあります。

葉が大きく展開するので風通しを良くすることと、水切れ、根詰まり、肥料過多等で樹を弱らせないことが第一。

薬剤も定期的に散布して防除してください。

5. 関連ページ

合歓木(ネムノキ)の育て方

乾燥には強いですが、水を好むので過乾に注意してください。とくに開花期の夏場は水切れがないように置き場所にも工夫が必要です。4月~6月と、9月~10月の間に月1回……

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都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

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