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野薔薇(ノバラ)の魅力

更新日:2019/08/29

野薔薇(ノバラ)の魅力

野薔薇はバラ科バラ属の蔓性落葉低木で、野茨(ノイバラ)とも言われる日本の代表的な野薔薇の総称。

日本原産の房咲き性の野生薔薇で、世界の房咲きの園芸品種の交配親となっています。

野原や道端などに普通に生えていて雑草的な扱いをされることも多いですが、園芸品種が多く、系統によってバリエーション豊かな花を咲かせます。

1. 野薔薇の品種

豊富なガーデニング向け品種

薔薇の仲間は雑種や変種が多く、観賞用に改良された園芸品種は4万種以上にも及びます。

ガーデニングに人気なのはボリュームのあるオールドローズ系の品種を始め、柵のカバーとして好まれる蔓薔薇系の品種、株薔薇、ミニバラ、四季咲きの品種群などがあり、花色や大きさ、形のバリエーションが豊富。

庭木に人気の薔薇

ガーデニングで人気の薔薇

大ぶり一重の白花「ナニワノバラ」や黄色い花が沢山咲く「モッコウバラ」も庭木の利用が多いですが、小鉢での培養も可能です。

盆栽向けの品種

盆栽では、小ぶりなミニバラの中でも原種である野薔薇系の交配種が好まれていて、盆栽向けに作出された品種も数多く、原種らしい小輪一重の可憐な花姿や小ぶりな実を付けて楽しまれます。

原種といってもその数は200種以上あると言われていて、趣味者や業者の間で人工交配による新種の作出も盛んに行われ、盆栽園や産地の名前をとって○○産、○○性と名付けられることもよくあることです。

盆栽向けの特徴としては、トゲやシュート(徒長する勢いの強い枝)が出にくく、小葉性で花型が良く、小さく作れる品種が好まれます。

盆栽で定番の薔薇

盆栽向きの野薔薇の品種

ミニ~小品サイズで人気の品種には、根元が太りやすく実が細長い「紀州バラ」、極姫性の「山陽バラ」「屋久島野バラ」、照り葉の「雅」の他、ツボミの状態でそれ以上開かない「ツボミバラ」、「山椒バラ」「パラソル」「ふじみ小町」「サクラノイバラ」などがあります。

花色や形、葉の大きさ、枝ぶり、幹肌の荒れ方などに違いがあるので好素材を見つけたら盆栽作りにチェレンジしてみましょう。

2. 野薔薇の繁殖法

薔薇の挿木

変わった品種や性の良い品種があれば剪定枝を挿して増やしましょう

野薔薇は挿木がとても簡単で、細枝を挿しても根が出ます。

まだ細いうちから花も咲くので、小鉢で培養してミニミニの盆栽を作ることができます。

剪定すれば小枝が増えるので、基本となる幹模様を付けたら1~2年は伸ばし気味にして幹を太らせ、欲しい太さに達してから本格的な小枝作りをしましょう。

3. 野薔薇の病害虫

病害虫に強い品種もありますが、盆栽で使う原種に近い野薔薇は葉や花の組織が薄く、吸汁性の害虫やウィルス性の病気にかかりやすい面があります。

一旦被害にあってしまうと葉や花が傷んで見た目が悪くなり、樹勢も落ちてしまうので予防が欠かせません。

アブラムシや葉ダニ、うどんこ病、黒点病の他、バラ科特有の根頭癌腫病にもかかることがあるので、定期的な薬剤散布は必ずしてください。

定番の薬剤でも充分間に合いますが、薔薇の病害虫用に市販されている薬剤もあるので数が多い人は使ってみてください。

根頭癌腫病

バラ科特有の病気には「根頭癌腫病」があり、木瓜や長寿梅、桜、梅、葡萄などの樹種も気を付ける必要があります。

根頭癌腫病は植物の根や根ぎわにできる腫瘍の一種で、アグロバクテリウムAgrobacteruim tumefaciensという土壌細菌の感染によって引き起こされる病気。

感染すると癌腫病菌の遺伝装置(Tiプラスミド)が植物遺伝子内に組み込まれ、癌腫を作る指令を出して病菌の住処を作らせ、植物体から栄養を奪います。

そのため感染した植物は生育不良を起こして次第に元気を失い、実付きや花付きが悪くなったり枯死することになります。

根頭癌腫病は遺伝子レベルでの感染を起こすので、病原菌を一度除去しても腫瘍が治ることはなく、そのままにしていると年々大きくなります。

感染を確認したらまずは、菌の住処兼繁殖場となっている癌腫を綺麗に切除し、新たな侵入経路になる切り口を殺菌してください。使用した道具類もすべて消毒し、被害の拡大を防いでください。

有効とされる薬剤にはストレプロマイシン系のヤシマストマイ液剤20が昔から使われていて、植え替えの際に水で薄めた溶液を一定時間浸漬して植え付けます。

希釈倍率は1000倍(葉への散布)が基準。抗生物質なのであまり高濃度で長時間浸漬すると薬害が生じる可能性があるとされます。ただし球根や種芋など休眠期の使用ならば高濃度のほうが効果があるようで、1月~2月に植え替えをする薔薇の場合は100倍~500倍液でも薬害が見られません。

浸漬時間は濃度により30分~1時間を目安にしてください。

しかしこれも、あくまで予防の一環で、効果も一時的なものです。定期的な殺菌である程度の被害拡大を防ぐことはできるので、植え替え時に限らず発生時期を見越して定期的に使用するのが好ましいでしょう。

4. 関連ページ

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都内のベランダから盆栽を始め、現在は盆栽のために郊外に土地を得て暮らしています。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りを楽しんでいます。

アビシニアン猫(♂)とメダカを飼っています。歴代猫は『アロ』『アズロ』。

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