イボタの魅力
イボタ(水蝋)はモクセイ科イボタノキ属の落葉~半落葉低木。
北海道~九州、朝鮮半島、中国などの雑木林や山野に生える樹種で、環境適応性が強く、病害虫も付きにくく丈夫です。
萌芽力が強く剪定で枝が増えやすい上に針金整枝によく耐えるのでいろいろな樹形に作ることができ、よく枝の出来たものは寒樹姿も見応えがあります。
樹勢が強く強剪定でも芽が吹くので改作もできますし、取木や挿木でほぼ100%発根します。
5月~6月頃に咲く白い漏斗形の花は結実すると秋に黒紫色に熟します。
小葉性のものや花芽が短くとまる品種もあります。
盆樹としてのイボタはあまり花や実を楽しむことはありませんが、樹形によっては花物、実物として見ることができます。
落葉後は寒樹姿、春は花、秋には実と、四季を通じて楽しめるものとして基本の樹種の1つです。
イボタの特徴
イボタの葉
イボタの葉
イボタは落葉樹ですが、暖地では冬の間も葉をつけたままのものもあります(半落葉性)。
葉はスプーンの先のような丸味のあるヘラ型で、縁は滑らか。
葉の出方は対生で光沢はなく、組織は柔らか。枝の勢いによって葉の大きさにばらつきが出ます。
イボタの花(5月~6月)
イボタの花(5月:東京)
イボタの花は雌雄同株(雌雄同花)で、春から伸びた新枝の先に総状の花序を出し、白い小花を多数咲かせます。
花は漏斗状で先が4裂します。
雄しべは2本花弁から少し突きだしていて、雌しべは短く花の中央に付いています。
雌雄同花なので花がらを残しておけば結実しますが、他の株を寄せておいた方がより結実しやすくなります。
イボタは花を見ようとするとどうしても枝が伸びて樹形を乱してしまうのと、実色が地味なので盆樹としてはあまり花や実を期待せず、雑木類として枝配りや根張り、幹肌を観賞することが多いです。
しかし樹形によっては花や実を付けて楽しむこともできますし、花芽の短くつく品種もあるので探してみましょう。
イボタの繁殖法
発根が良いので挿木や取木などで比較的簡単に増やすことができます。
イボタの主な樹形
剪定で枝がよく分岐するので苗木のうちから幹模様を作っておけば、いろんな樹形に仕立てることができます。
模様木や斜幹、双幹、株立ち、石付きなども似合います。
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