花物類に多い病気

花物類には害虫、病気ともよく注意しないといけません。

主な病気は樹種によってそれぞれありますので、できるだけ早い段階での病気の発見と治療ができるようになりましょう。

病気にかかってしまうと花を見ることができないだけでなく、後の生育が悪くなって枯れてしまうことにもなりますから、日頃の管理と定期的な薬剤散布を行って病気を予防します。

花物類に見られる病気

花物類には、樹種によってかかりやすい病気が多くありますので、それぞれの症状を学んで早期発見、治療、予防をしておきましょう。

花物類の病気の種類と特徴

根頭癌腫(こんとうがんしゅ)病

根頭癌腫病

桜の根に生じた根頭癌腫病

草花や花木、果樹などに発生する病気で盆栽では薔薇や木瓜(ボケ)、長寿梅、梅、桜などのバラ科樹種の根頭癌腫病で知られています。

木の地際から地下部分の根に亀裂の入ったコブ状の隆起が発生し、地上部の生育も徐々に低下していきます。

病原菌は土壌中で繁殖し、害虫による食害、接木などによって出来た根の傷跡から侵入してきます。

地中の根に発生する病気ですから、掘り返さないと病気を見つけにくいものです。植え替えや接木の際には注意し、コブのない健全な株を選んで入手するようにしましょう。

一般的に根頭癌腫病は夏に繁殖しやすいので、ボケなどでは病原菌が繁殖しにくい秋に消毒と植え替えをします。

病原菌は同じ土壌中で長い間生きているので、他の木に感染しないように新しい用土を使ってください。

感染してしまった樹の治療は難しく、再発や感染拡大の可能性もあるので処分するのが一番ですが、治療法がない訳ではありません。

コブをコブ切りとナイフで綺麗に切除し、ヤシマストマイ木酢液(100倍~200倍)で消毒を続けることで菌の繁殖を抑えることができます。

ただし、殺菌につかった道具類はその都度殺菌し、用土は必ず処分してください。

膏薬(こうやく)病

こうやく病

梅の枝に生じたこうやく病

枝や幹にカビの菌糸がべったりと膏薬(こうやく)を塗ったように広がる病気です。

病斑は灰色、茶色、黒褐色などがあります。

日当たりや日照条件、風通しなどの培養環境が悪いと発生しやすく、樹勢の弱った老樹などで被害が大きくなります。

病原菌糸はカイガラムシと共生していて、カイガラムシの分泌物を栄養源にしているので、カイガラムシの駆除防除が大切です。

冬期に石灰硫黄合剤を散布したり、マシン油乳剤オルトラン水和剤などをカイガラムシの生育期に散布することで防除できます。

天狗巣(てんぐす)病

てんぐす病

ダケカンバに発生した
てんくす病: wikipedia

枝や茎にコブができ、その近くから出る枝が奇形(箒状)になるもので、盆栽でこの病気にかかるのは希ですが、発生するとなかなかやっかいな病気です。

原因は菌類、ウィルス、害虫などさまざまです。

自然界では高樹い樹の上に鳥の巣のように枝が密生する姿から、英語では『魔女のほうき』とも言われています。
これは植物ホルモンの異常によって頂芽優性の働きが抑制されて、多くの芽が一斉に生長してしまったためです。

発生初期は5月下旬頃に葉が縮みだし、葉裏に白い粉が吹き始めます。

病原菌はコブの中で越冬するので、コブを見つけたら患部を切り取って焼却処分し、切り口に石灰硫黄合剤を塗布してください。

縮葉病

縮葉病

小手毬(コデマリ)の葉の葉縮れ病

新葉が縮れたりふくれる病気で、病斑の色は緑色のほか、桃色、黄色、赤色など様々です。

葉の展開とともに患部が膨らみ、やがて白いカビに覆われるようになって最後は落葉してしまいます。

病原菌は枝や芽の組織表面上に付着した状態で越冬し、春になると症状として出始めます。

低温多雨の天気が続くと発生しやすいため、5月以降気温が上がり出すと収まってきます。

石灰硫黄合剤ベンレートダイセン類オーソサイド水和剤などで予防することができますが、発症してしまってからでは花が咲かないことがありますので、できるだけ防除に努めるようにします。

病気になってしまった場合は、被害が広がらないように患部を葉ごと摘みとり焼却処分してください。

赤星病(サビ病)

赤星病(サビ病)

カリンの赤星病

サビ病の一種で、葉のオレンジ色の斑点が生じ病斑が大きくなるにつれて葉裏に毛ばだった白い毛状突起が伸びてきます。

この病斑は5月頃から茶褐色に厚みを増してきて、そこに精子器ができて受精します。
裏の毛状突起には褐色の胞子がついて、7月~8月頃に飛散します。

病原菌はビャクシン類を中間宿主としていて、葉や枝で茶褐色の塊の状態で越冬します。

春になり、雨が降って水滴がつくと膨らんで、オレンジ色の寒天状になり、そこでつくられた小生子が飛散しナシやボケ、リンゴ、カイドウ、カリンなどの花実物類に寄生します。

サビ病は中間宿主を取り除けば自然になくなりますから、完璧でなくても出来るだけ感染源を取り除くようにします。

4月の発病初期に、オーソサイド水和剤マンネブダイセン水和剤などを定期的に散布したり、冬期には中間宿主を含め石灰硫黄合剤を散布して防除します。

花腐れ菌核病

花腐れ菌核病

ツツジに生じた花腐れ菌核病

花弁に水浸状の小さな斑点がでて、次第に拡大して花全体が腐敗し、そのまま枯れてしまう病気です。

4月~6月の多湿なときに発生しやすい病気で、花木類(サツキ、ツツジ、シャクナゲなど)や草花の開花期に被害がでる上、花は付いた状態で枯れてしまうので、美観上もよくありません。

病気が進行すると花弁上に黒色扁平の菌核をつくりますから、病気にかかった蕾、花や咲き終わった花がらをこまめに取り除き、翌年の発生を防ぐようにします。

予防にはベンレート水和剤トップジンマンネブダイセンなどを花前に散布します。

灰色カビ病(ボトリチス病)

灰色カビ病

トマトの葉に生じた灰色カビ病:
べとなぶり

葉や花芽に薄い褐色の不定形は斑点が生じて、花弁や茎葉は溶けるように腐って、灰色のカビに覆われてしまう病気です。

梅雨期が主な発生期ですが、春先や秋~冬の気温がやや低くで湿度の高い天気が続いたときなどにも見られます。

防除には、花腐れ菌核病と同様の薬剤ベンレート水和剤トップジンマンネブダイセンなどかオーソサイド水和剤などを約1週間おきに散布します。

また、湿度が高いと発生しますから、灌水には注意して水はけをよくし、風通しをよくするなどの対策を取るようにしましょう。

病原菌は害虫による食害などで弱った樹で繁殖しやすいので、害虫にも気をつけるようにします。

斑点性の病気(炭疽病、褐斑病、サビ病、葉枯れ病など)

ラッカセイの葉に生じた褐斑病:
千葉県庁HP

原因菌や被害樹種は病気によりさまざまですが、葉に斑点が生じて次第に拡大し、やがて落葉してしまう病気です。

斑点性の病気には、炭疽病や褐斑病、サビ病、葉枯れ病などがあります。

そのままにしていると樹勢もよわりみためもよくありません。

他の病気と同様に、できるだけ防除に努めます。

ダイセンマンネブダイセン水和剤などの殺菌剤を定期的に散布し、 冬期には石灰硫黄合剤を散布して、繁殖するまえに駆除しておきましょう。

樹種別の病気(花物類)

樹 種 主な病気 有効な治療

(ウ メ)
うどんこ病
縮葉病
こうやく病
炭疽病など
ベンレート、ダイセン、石灰硫黄合剤(冬期)など
(薬害のでやすい樹種なので濃度は薄いものから)


(サクラ)

うどんこ病
縮葉病
てんぐす病
こうやく病
ベンレート、ダイセン、石灰硫黄合剤(冬期)など
木瓜
(ボ ケ)
根頭癌腫病
赤星病
斑点病
ベンレート、ダイセン、オーソサイド水和剤、石灰硫黄合剤(冬期)など
花石榴
(ハナザクロ)
黒斑病 ダイセン、石灰硫黄合剤(冬期)など
海棠
(カイドウ)
うどんこ病
縮葉病
こうやく病
炭疽病など
ベンレート、ダイセン、石灰硫黄合剤(冬期)など
皐月、躑躅
(サツキ、ツツジ)
根腐れ病
斑点性の病気(褐斑病・さび病・葉枯れ病など)
もち病
灰色カビ病
花腐れ菌核病
ダイセン、石灰硫黄合剤、トップジン、ベンレートなど
黄梅
(オウバイ)
ほとんどなし 日当たりと風通しをよくする
石楠花
(シャクナゲ)
根腐れ病
斑点性の病気(褐斑病・さび病・葉枯れ病など)
もち病
灰色カビ病
花腐れ菌核病
ダイセン、石灰硫黄合剤、トップジン、ベンレートなど


(フ ジ)

希に根にコブができる 患部の焼却と石灰硫黄合剤の塗布

コメント

石川幸夫 さん 2017年10月06日18時32分
さつきですが(盆栽)の葉が一部黄色になってきました。だんだん増えています。
なんでしょうか?
きみ さん 2017年10月07日09時09分
石川幸夫さん
単に黄葉しているか、肥料不足か、ハダニかグンバイムシではないでしょうか
葉裏に虫がついているかもしれませんよ