銀杏(イチョウ)の育て方

更新日2018/06/13

銀杏の育て方

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銀杏の作業カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
生育状況
休眠期
 
 
芽出し
 
 
 
 
 
 
黄葉
落葉
 
 
花芽分化
 
     
管理場所
軒下など
 
ムロ出し
日なた
 
 
半日陰
 
 
日なた 
 
 
灌 水
(回数/日数)
1/2~3日
 
1/日
 
 
2~3/日
 
 
1/日
 
 
1/2~3日
施 肥
置き肥
 
 
置き肥
 
針金かけ  
 
 
 
 
 
 
 
剪定
 
 
 
植え替え
 
 
 
芽摘み
 
 
 
         
葉刈り  
 
 
       

銀杏の性質

銀杏はイチョウ科イチョウ属の落葉高木の落葉高木。

紅葉と種子銀杏(ギンナン)で馴染みの深い樹ですが、中生代に最も栄えた種類の唯一の生き残りで生物学上貴重な植物の1つです。

春の芽出しから秋の紅葉、寒樹姿まで四季を通して観賞でき、古い樹であれば実も見ることができます。

丈夫で挿木や取木も用意なので初心者でも増やしやすく、実生苗を寄せ植えにしたり株立ち仕立てにして楽しんでもいいです。

銀杏の管理場所

春から梅雨までは日当たりと風通しのよい場所で育てます。

夏の強い日差しに当たると葉焼けしてしまうので半日陰においてください。

秋になったら再び日に当てることで黄葉が美しくなります。

冬は鉢土が凍らないように保護してください。

銀杏の灌水

春の芽出し頃からは1日1~2回で、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安に、表土が乾いたらたっぷり灌水するようにしてください。

特に夏場の水切れには注意し、夕方には積極的に葉水を与えてください。

銀杏の施肥

春新芽が展開して梅雨までの成長期と、夏場を除いた9月以降に秋肥を与えます。

4月~6月と、9月~10月の間に月1回のペースで油かすなどの固形肥料を与えて下さい。

病気・害虫

病害虫にはかかりにくいですが、管理場所が悪ければミノガ類や、すす病にかかることがあります。

葉色が悪い場合は肥料不足が原因かも。特にチッ素分が足りていないと葉緑素が減少し黄色っぽくなります。

銀杏の作り方

芽摘み(4月~5月)

銀杏(イチョウ)の芽摘み

銀杏の枝のでかたは2通りあり、長く伸びる枝(長枝)と、短いまま伸びない枝(短枝)があります。 芽摘みはそのうち長く伸びる長枝に対して行いますが、銀杏は小枝が分岐しな...

葉刈り(6月~7月頃)

大きい葉を葉刈り

銀杏は基本的に葉刈りしませんが、葉が多い場合はそのままだと内部が蒸れて害虫が寄ってきたり、採光や風通しが悪くなって枝が弱ることがあります。

場所によって葉の大きさにばらつきがあるので、6月~7月頃になって全体の調和を乱すような大葉を葉柄の元から切り取ってください。

剪定(芽出し前、落葉後)

成長期の間に伸びてくる長枝は適宜芽摘みをします。

全体の剪定は芽出し前か落葉後に行いますが、あまり小枝はできないので不要枝を整理する程度です。

水分の多い銀杏は切り口から腐れが入りやすいため、太枝を切ったときは特に保護剤を塗っておいてください。

針金かけ

銀杏の針金かけ

3年生の実生苗を曲げたところ

銀杏は直立性の植物なので無理に曲げない方が好ましいですが、盆栽として育てる以上は多少なりとも模様付けする必要があります。

銀杏の枝は比較的柔らかく曲げやすい反面、水分が多い樹なので曲げると折れやすい性質があります。

慣れないうちは力加減が分からないので、1本長く伸びたものは一度で決めず時期を分けて徐々に畳むように癖をつけて下さい。

太枝に針金をかける場合の適期は芽出し前か秋頃。1年生の苗や新梢にかける場合は時期に拘らず、まだ枝の柔らかいうちに癖つけしておきましょう。

銀杏は幹を強く曲げるとその部分から胴吹きしやすいので、これを活かして小さく作ることも可能。

ただし幹が古くなるほど厳しい癖付けは難しくなるので、若木のうちに幹模様を付け、あとは素直に作るか取木を考えてもいいかもしれません。

植替え(3月~4月)

銀杏は根の成長が早く根詰まりしやすいので、若木や小さいものは1~2年に1回の間隔で植え替えをします。成木は2年~3年に1回を目安にしてください。

太くて長い根は早めに整理すべきですが、あまり強く根処理すると弱るので、落とす根土は全体の1/3程度にしておきましょう。

長い根ばかりで分岐が少ない場合は無理に処理せず、根を鉢に巻き入れるようにして収めてください。

銀杏は八方に伸びた根張りも見所の1つ。植え替えの時には根を広げて植え付け、浅めの鉢で培養するといいです。

コメント

ミィ さん 2017年05月14日15時08分
はじめまして ^^

拾った銀杏を植えましたら先月から少しずつ芽が出てきて伸びています。

小さな盆栽にしたいのですが、このまま放っておくと大きくなりすぎそうで不安に思っています。

まだ10cmぐらいの赤ちゃんなのですが、これから短く切ったり鉢に植え替えるのはいつ頃がいいのか、もしご存知でしたら教えてください。

厚かましく申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
きみ さん 2017年05月16日10時37分
ミィ さん
実生苗はずーっと真っ直ぐ伸びていきますから、針金で軽く癖を付けておいたり網伏せで曲をつけるとまぁ見られる姿になると思います。
挿木しても付くので、そのうち適当な箇所で挿して短く作りなおすのもいいかもしれません。
真っ直ぐの若木を短く剪定したことがないですが、もしかしたらドングリみたいに第2芽でるかもしれないですね...もしかしたらですが<(_ _)>
直根を短くするのは、今ならできると思います。
ハマのおんたた さん 2018年05月11日00時18分
前略

拾った銀杏から芽が出で3年目になります。
高さ40cmの鉢に植えています。
毎年この頃から段々と葉の色が薄い黄緑色になってしまいます。今年こそ青々した元気な銀杏を見たいのですが、どうしたらよいか全く分かりません。
アドバイス等ありましたら宜しくお願い致します。
きみ さん 2018年05月11日14時34分
ハマのおんたた さん

こんにちはー。イチョウは3年やそこらで花が咲く物ではないですよ。若木は自身を大きくするのに必死ですから。さらに雌雄別なので雌じゃないと実もなりませんからね~汗

こちらもどうぞ
https://bonsai.shinto-kimiko.com/kiso/jyuyu/hamono/icyou.htm

葉色が悪いのは肥料不足か、チッ素分が足りていないのかも。
まつはぴ さん 2022年06月20日06時03分
こんにちは。去年拾った銀杏から芽が出ましたが、2つの芽が近いところにあり、早いうちに植え替えたいのですが、枯れないか心配です。今の時期に植え替えても大丈夫でしょうか?今5cmくらいです。
きみ さん 2022年06月21日10時50分
まつはぴ さんへ

根を切らなければ植替えが原因で枯れることはないと思います。
植替えはたしかに春が適期ですが、土の状態が悪かったり植替えが必要と思ったものはいつでも実行しています。
小根が充分にあれば強い根は切ったりもしていますので、今単植えにすること自体は問題ないと思いますよ!
あけ さん 2022年12月19日14時48分
こんにちわ。今年春頃から盆栽を始めた超初心者です。
いつもこのHPとYouTubeを見て勉強させていただいております。
さて、銀杏の盆栽を購入したのですが30センチ位あるのでとり木をして短くしたいと思っています。
とり木をする季節を教えて下さい。
ろうや柿もとり木したいのですがその季節も教えて下さい。
とり木をするにあたって注意点なども教えていただけると助かります。
よろしくお願いいたします。
きみこ さん 2022年12月19日17時39分
あけ さんへ

こんばんは。いつもありがとうございます^^
銀杏の幹は結構太いのでしょうか?取木できるいい場所があれば取木したほうがいいですが、素材によってなにがベストか分からないので...

挿し木も取木も適期は葉が葉が固まる6月頃がいいと言われています。

わたしは挿し木に関してはいつもやってますが、取木は伸長生長が盛んな時期にやると(急に水が絶たれるため)上部が萎れたりしてそのまま枯れることもありますので、葉が固まるころか休眠期(2月頃とか)にしかけたほうが失敗はないかと思います。

ロウヤ柿も同じ時期でいいと思いますが、挿し木に関しては休眠枝(冬挿し)を挿したほうがわたしはよく活着しました。

人によって違うと思うので参考になったか不安ですが、何事もチャレンジしてみてください♪
あけ さん 2022年12月20日17時03分
早々にお返事頂きありがとうございます!!!
色々挑戦したくてウズウズしています!

また取り木のことなのですが、2月にしてみようと思っているのですが、取り木した時はやはり日陰に置いておいた方がいいのでしょうか?もし日陰ならどの位の期間でしょうか?日向に置いてもいいのでしょうか?

それと取り木する時の土なのですが赤玉でいいのでしょうか?他のYouTubeで水苔だけでやっているのを見たのですが....水苔と赤玉を混ぜるのもアリなのかなと思っているのですがどうでしょう?

取り木をする時に徒長枝の剪定をした方がいいのでしょうか?根が出たのを確認してから剪定した方がいいのでしょうか?


質問だらけですみません
よろしくお願いいたします。
きみ さん 2022年12月21日18時18分
あけ さんへ

お返事おくれてすみませんでした。

>取り木した時はやはり日陰に置いておいた方がいいのでしょうか?

2月の取木ならまだ冬期保護中(イチョウもロウヤ柿もまだ葉も出ていない状態)だと思いますので、ムロ内(日陰?)での管理でいいと思います。
6月頃の取木なら明るい方がいいと思いますよ^^

>それと取り木する時の土なのですが赤玉でいいのでしょうか?

取木かけした部分は乾くといけないので、赤玉を使う場合は細粒くらいのやつを使ったほうがいいかもしれないです。でも細かい赤玉だけにすると土が硬くなって通気性を悪くするかもしれないので、ミズゴケも混ぜたほうがいいかもしれないです(「水苔と赤玉を混ぜるのもアリなのかなと思っているのですがどうでしょう?」=ご質問の回答になってますか?)。
ミズゴケは乾燥防止にもなりますし、出たばかりの柔らかい根を傷めないので、おもちでないなら持っておいたほうがいいですよ。
植替え後など何かと使えますし。市販のミズゴケは粗いので、揉んでバラバラにするかハサミで細かく刻んでおいてください。
大きな塊のまま使うと、ミズゴケを外す時に根を引っ張っていためてしまいます。

>取り木をする時に徒長枝の剪定をした方がいいのでしょうか?根が出たのを確認してから剪定した方がいいのでしょうか?


発根を促進するホルモンは葉で作られます(葉がない休眠期は蓄えたエネルギーが使われます)ので、生長期の場合は葉はできるだけ多いほうがいいと思います。
ただめちゃくちゃ多いと今後は蒸散が多くなってバランスが崩れて萎れることがあるので、枝葉が多すぎるかな?と感じたら適度に減らすということはします。
強い枝は切った方が周りの枝の生長を促進しますし、それだけ小根もできるということですから、適当なところで切っておいて問題ないかと思いますよ^^