ニシキマツ(錦松)の魅力

ニシキマツ

ニシキマツはマツ科の常緑針葉高木です。
クロマツが変異して枝や幹の皮がコルク層になって矢羽状に大きく割れる種類です。

香川県の瀬戸内海沿岸で発見された種類ですが、たちまち獲り尽くされてしまい、今ではわずかに樹皮の荒れたものが時々発見されるくらいになっています。

性質はクロマツに近く、クロマツよりも幾分水を好むので、灌水は多めに与えるのが良いです。

ニシキマツの特徴

ニシキマツの葉

ニシキマツの葉

クロマツと同じで固くで細長い葉です。

短葉法(芽摘みや芽切り、芽かき、葉すかしなど)で短く締った葉組みを作ることで、より盆栽としての見た目もよく全体にバランスの取れたものになります。

ニシキマツの新芽(ミドリ)

ニシキマツの新芽

ニシキマツの新芽(ミドリ)

ニシキマツの新芽は4月~5月頃になると伸びてきます。

ニシキマツの新芽もクロマツと同じで、白い産毛のような鱗片で覆われたつくしの様な形状をしています。

ミドリを伸ばしたままだと枝が間延びして樹形が乱れてしまいますから、ミドリの状態のうちに適当な長さで芽摘みをする必要があります。

ただしあまり強く芽摘みをすると反って樹勢を崩しやすい樹種ですから、樹勢に応じて芽摘みを行い、他のものは秋の芽切りや葉抜き、葉すかし、春の芽切りなどで調節をする必要があります。

ニシキマツの幹・枝

ニシキマツの幹

ニシキマツの割れた幹肌

ニシキマツの枝や幹は、クロマツが変異し厚いコルク層になっていて、大きく割れたところがまず大きな特徴です。

この樹皮割れのおもしろさがニシキマツの見所の1つですから、それがよく見えるように正面を決めてください。

ただし樹芯は見た目より細いので曲がりやすく、折れやすいので模様木などに仕立てる場合は注意が必要です。

ニシキマツの繁殖法

ニシキマツはクロマツを台木にして接木で増やされています。接木の場合は接口が出来るだけ低い位置にある種木を選びます。

また、香川県では挿木の種木も作られています。

ニシキマツの主な樹形

ニシキマツは見た目ほど樹芯が太くなく、無理に曲げようとすると折れやすいため、無理な針金掛けができません。

生育していく過程でもかなり樹形が変わりやすいので、無理に樹形を作り込もうとしないで直幹作りのつもりで根張りから力強く仕立てるのがいいでしょう。

ニシキマツは最初大きな鉢で培養して幹を太らせておいて、その後小さい鉢に植え替えて締めて作ることで急激に幹が割れてきます。

放任状態のものは下枝が特に弱りやすいので、下枝を大事にしながら芽摘みや芽切りを行い、枝数を増やします。

ニシキマツの日頃の管理

置き場所

1年中日当たりと風通しのいい場所に置きます。
暑さ寒さにも強いので特別な保護は必要ありませんが、樹勢の弱っているものや小さなものは多少配慮が必要です。

用土

赤玉土(小粒)を基本として、桐生砂(小粒)を3割ほど混ぜてもいいです。

水はけのいい用土を好みます。

灌水

クロマツよりは多少水を好みますから、クロマツより幾分水を多めに与えるようにします。

春は1日1~2回、夏場は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安として、表土が乾いたら灌水するようにしてください。

真夏は夕方に葉水をするとよく、ハダニの予防にもなります。

肥料

梅雨と真夏を除く4月~11月の間に油かすなどの固形肥料を月1回ほど与えます。

病気・害虫

クロマツと同様に病気や害虫には強いですが、樹勢が弱っているものはハダニが付いたり、葉ふるい病にかかることがあります。

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