カリン(花梨)の魅力

カリンはバラ科カリン属の落葉高木です。

中国原産ですが、平安時代には日本に渡来していたと言われています。

天を仰ぐように付く大きな黄色い実と、照りのある幹肌が特徴的です。

カリンの盆栽は、10センチ程にもなる果実の大きさからバランスを取るため、ある程度は大きく育てることになります。

実物として実を鑑賞するのではなく、幹肌や幹模様を鑑賞するのであれば、小品盆栽にしても充分見応えがあります。

カリンの幹肌は樹皮が部分的に剥がれて、特徴的な模様を作り出すため、樹皮を眺めるだけでも充分楽しむことができます。

カリンの特徴

カリンの花(4月~5月)

カリンは花も綺麗で、4月~5月に咲く花は5弁で薄紅色をしています。

結実する花は子房の部分が膨れて大きく、子房の小さい花は結実せずに落ちてしまうことがほとんどです。

花、実、樹皮と見所があるので庭木としても人気です。

カリンの実(10月~1月)

カリンの実は、大きいものでは直径10センチにもなります。

木質で堅いので生では食べられませんが、加工したものはジャムや果実酒、咳止め、のど飴にも使われている馴染みのあるものです。

実の大きさから盆栽にするにはあまり数を沢山付けることができません。

また小さい盆栽ではバランスが取れないため、実を諦めるか、年明けには摘果して樹勢を回復させるようにしてください。

カリンの幹・枝

カリンの樹皮は古くなるにつれて鱗片状に剥がれ、照りが出て独特の模様になります。

また、根の生長も早いので根張りの良さも魅力です。

カリンの繁殖法

カリンの種木は接木で増やされています。

枝は取木や挿木ができます。

カリンの主な樹形

直幹や斜幹、模様木、懸崖、寄せ植えなどいろいろな樹形に作ることができます。

根張りが板状に成長するので株立ちもよいです

幹模様が見所の1つですから、よく幹肌が見えるように正面を決めて樹形作りをします。

カリンの日頃の管理

置き場所

日当たりと風通しのいい場所に置きます。

夏は西日を避けます。

寒さには強いですが乾燥した外気に当たらないようにします。

用土

赤玉土を単用します。

灌水

水を好みますので、たっぷり灌水します。

水切れすると結実した実が大きくならなかったり、落ちてしまいますので、特に受粉後は水切れのないように注意が必要です。

春は1日1~2回、夏場は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安としてください。

花に直接水がかからないようにしてください。

肥料

肥料を好むのでしっかり効かせます。

4月~5月と、8月~10月の間に月1回、油かすなどの固形肥料を与えます。

受粉後は中止し、実が肥大しはじめたら再開します。

病気・害虫

葉にアブラムシがつくほか、黒星病、胴枯病、根頭癌腫病に注意します。

                                                   

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