サギソウ(鷺草)の魅力
投稿日:2021/09/02
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サギソウ(鷺草、学名:Pecteilis radiata、別名:サギラン)はラン科サギソウ属の多年草。
日本の本州、四国、九州の他、台湾や朝鮮半島にも自生が見られ、日当たりのいい低地の湿地に分布しています。
観賞期(花期)は7月~8月頃。つんと伸びた花柄の先にシラサギが翼を広げて羽ばたいているような形が特徴的で、盛夏の季節に瑞々しく揺れる花姿が涼しげな印象を与えます。
山野草として観賞用に普通に流通していますが、自生地の消滅や人為的な採集により野生の個体数はほぼ絶滅状態で、日本ではレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けています。
サギソウの培養の基本
管理場所
日当たりのよい湿地に自生が見られる植物ですから、明るい場所を好みます。
日差しの強くなる夏場は日除けが必要ですが、それ以外の季節は明るく風通しのいい場所を確保してあげてください。
暑さや寒さへの耐性は強く、冬場は地上部は枯れて地下茎(球茎)の状態で越冬します。
灌水
湿った土壌を好む性質なので、水切れのないようにしてください。
鉢の大きさ(水を蓄える用土の量)にもよりますが、1日2回を目安に、水持ちのいい用土に植えたり、乾きやすい夏は灌水頻度を増やしたりして、乾き過ぎないようにしましょう。
多少水が多めでも根腐れを起こすことはほとんどないので、腰水管理でもよいのですが、夏は溜まった水がお湯になって根を傷める危険もあるので注意してください。
施肥
肥料は比較的好きな方で、肥料不足は株の衰弱は花数にも影響しますから、春(5月~7月頃)と秋(9月頃)に肥料を与えてください。
油かすなどの有機肥料は害虫を呼びやすいので、緩効性の化学肥料を置くか、薄めの液体肥料を施肥期間中に月1~2回のペースで与えれば充分です。
サギソウの手入れ
剪定
花が萎れてきたら葉柄の元から切り取ってタネを付けさせないようにしましょう
サギソウでいう剪定は、花後の花ガラ取りです。
作業適期は8月~9月上旬頃。花の見頃が終わったら花柄を元から切り取り、葉だけの状態にしておいてください。
結実させると同時に球茎もやせてしまうので、その前に早めに花ガラを取ってください。
花後は葉姿だけになりますが、できるだけ日当たりのいい場所において栄養をしっかり蓄えさせてやりましょう。
植替え・繁殖
繁殖力は比較的旺盛で、虫媒(スズメガ類)による花粉媒介の他、地下茎の先端に作られるマメの様な球茎によって栄養繁殖をします。
種でも増やせますが結実させると親株が弱るので、春先の植替え時に球茎を掘り出してミズゴケなどで植え付け、繁殖させるのが確実です。
病害虫と対策
葉や花をアブラムシやアザミウマ、ナメクジ等が食害することがあるので、発生期にはオルトランやダントツなどの殺虫剤を散布して防除してください。
また、ウィルス性の病気で葉がねじれたり、病斑が現れて最終的には枯れる現象もしばしば見られます。高温期に発生しやすいので、5月頃に株ごと殺菌剤に浸漬して発生を予防してください。
株分けや球茎を扱う際は、ベンレートやトップジンMなどの殺菌剤で消毒してから植え付けることをお勧めします。
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