若木と完成樹の剪定の違い

若木・苗木の剪定

ゴヨウマツの忌枝

ゴヨウマツの若木
(実生6年生)

若木や苗木は木の勢いが強いので、幹の1カ所から複数の枝がでたり(車枝)、左右に平行して出たり(かんぬき枝)することが多くあります。

特に黒松や五葉松、蝦夷松、真柏・八房杜松などの松柏類や、モミジ・楓・欅・姫沙羅・橅などの雑木類の若木はこのような忌枝(いみえだ)が出やすいです。

この様な枝は、自然樹では樹齢とともに次第に淘汰されて、左右交互にバランスがとれスッキリした姿になります。

しかし盆栽苗木の場合は、そのままにしておくと枝の付け根の部分が異様に太くなってしまい、それから切り落としても傷が大きく残って、美観を損ないます。

傷を小さく済ませ胴吹き枝を呼ぶためにも、忌枝は早めに剪定してください。

ただし一度に全ての不要枝や忌枝を取ってしまうと、それだけ葉を失うことになり、他の枝の生育に影響したり全体の樹勢を落としてしまう可能性があります。

忌枝や不要枝の剪定は、樹の様子を見ながら数年かけてで徐々に整理しましょう。

完成樹の剪定

完成樹は、樹齢を重ねて勢いも落ち着き忌枝や徒長枝は伸びにくくなっているため、樹冠から大きくはみ出す枝を整える程度で済むようになってきます。

それでも春から伸びた枝や、若木の頃に枝抜きを怠ったために残った忌枝は意外にあるもの。太くなった忌枝の処理は難しいものがありますが、車枝やかんぬき枝はできるだけ処理するようにしましょう。

しかし、忌枝だからといって全て取るのではなく、変わりの役枝が吹いて育つまで処理を待たなければいけないこともあります。

不要だからと枝を剪定しすぎると、樹勢が落ちたり他の枝の生育に影響を及ぼすことがあるからです。

その場合は不要な枝の芽摘みを強めにするなど、徐々に勢いを抑えながら、伸ばしたい芽を大切にします

雑木類は比較的次の芽が出やすいのですが、松柏類は芽が吹きにくいので剪定には特に注意が必要です。

場合によっては、正面を代えることによって忌枝を剪定しなくてもよくなる事がありますので、剪定する前に一度よく考えてみましょう。

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