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松柏類の冬越し

松柏類の冬越し

寒さに強い松柏類でも、冬は活動が低下し休眠状態になります。

休眠期間は成長もほとんど止まるので手入れもさほど必要なくなるように思われますが、剪定や葉すかし、針金かけなどこの時期にやるべきことは多いのです。

特に松類ではこの時期の手入れが春からの作業のしやすさや樹姿の維持にそのまま影響します。

松柏類の冬の管理

松柏類の冬の置き場所

松柏類は日照を好むので、中品サイズ以上なら冬の間も普通の棚上で管理するのがよいですが、積雪による枝折れや乾燥した風を防ぐための囲いなど寒害対策が必要です。

杜松を除くほとんどの松柏類は、本来寒さに強い樹種なので過保護にする必要はないのですが、ミニサイズや植え替えたばかりの樹、きつい針金かけをした樹、大きな剪定をした樹などは棚下やムロに入れて保護してください。

松柏類の冬の灌水

冬の間は水分の消費が少なくなるので水やりの頻度も少なくて済むようになりますが、常緑の植物は冬の間も多少活動をしているので意外と乾きが早いです。

特に屋外管理の盆栽は、乾燥した外気にあたって乾燥しやすいので要注意。

ムロの中に入れているものでも2~3日に1回は乾き具合をチェックしてください。

灌水の時間は午前中がよく、夕方冷え込む時間帯には水気がなくなっている状態になっているのが理想的。

水分が余分に残っていると、夜の間に根が凍結して根を傷めてしまいます。

多少の凍てつきでも昼間に溶けるようなら問題ありませんが、これを何回も繰り返してしまうとさすがにダメージがでます。

松柏類の冬の手入れ

冬の消毒はムロ入れ前と寒中の2回がベスト

冬の消毒は最低でもムロ入れ前の12月頃に最低1回はやって欲しいところ。

ですがムロの中は病害虫にとっても越冬に快適な環境なので、ムロ入れ前に駆除しきれなかった病害虫が潜伏していることがよくあります。

そこで2月の終わり頃に2回目の殺虫殺菌をしておくことで、春からの病害虫被害を最小限に抑えることができます。

石灰硫黄合剤が使えない場合は、園芸用の代用品がいくつかありますので試してみてください。

冬期の殺菌消毒については...

剪定・針金かけ

寒さに強い松柏類でも冬は活動が低下し、樹液の流動も止まるので剪定や針金かけの好機です。

成長期の間は小まめな芽摘みが欠かせませんが、実は冬場の方がやるべき重要な手入れが多いのです。

松類や真柏などは樹液の流動が少なく、強い針金かけや太枝の剪定をしても負担の少ない時期なので思い切った針金整枝ができます。

針金掛け

真柏の針金かけ(2月中旬頃)

ただ厳寒期の1月~2月上旬頃は出来るだけ控えた方がよく、11月下旬~12月頃の間か回復の早い芽出し前(2月中旬~3月初旬頃)が作業の適期です。

不要枝は削ってジンにしたり、幹にシャリを入れると面白くなるかもしれません。

ただし松柏類の中でも比較的寒さに弱い杜松は冬に剪定や針金かけをすると枝枯れしてしまうので、温かくなってからの作業になります。

葉すかし

葉すかし

主な仕事は整枝作業ですが、黒松や赤松、五葉松などの針葉樹では、葉すかしがとても大事な作業。

葉すかしは各枝の葉量を調整して翌春の芽吹きの力を均一にすることが目的で、寒さに強い真柏や檜なども行います。

成長期の間は芽摘みを繰り返して行うので、各枝が込み合い風通しも悪くなり、大事な下枝やフトコロ枝が枯れる原因にもなります。

古葉とりや葉すかしによって風通しや採光を改善されるので、病害虫の被害も抑えらる効果があります。

主な松柏類の冬の手入れ

  • 黒松(クロマツ)の冬の手入れ
  • 錦松(ニシキマツ)の冬の手入れ
  • 赤松(アカマツ)の冬の手入れ
  • 五葉松(ゴヨウマツ)の冬の手入れ
  • 蝦夷松(エゾマツ)の冬の手入れ
  • 唐松(カラマツ)の冬の手入れ
  • 杜松(トショウ)の冬の手入れ
  • 檜(ヒノキ)の冬の手入れ
  • 杉(スギ)の冬の手入れ
  • 一位(イチイ)の冬の手入れ
  • 米栂(コメツガ)の冬の手入れ

アカマツの冬越し

基本的にはクロマツと同じですが、クロマツよりもやや樹勢が弱いので、とくに乾燥には気をつけるようにします。

ゴヨウマツの冬越し

ゴヨウマツも寒さに強い樹種ですので、クロマツと同じ管理で充分です。

ゴヨウマツは乾かし気味なのがいいのですが、乾燥しすぎるとすぐに枯れてしまいます。2~3日に1回は用土の乾き具合をみて灌水をしてください。

ニシキマツの冬越し

ほぼクロマツと同じですが、樹勢がやや弱いので注意してください。

冬期の乾燥に弱く、枝折れなどの被害が出やすいものです。

比較的水を多く消費する樹種なので、過乾燥にさせないことです。

エゾマツの冬越し

寒さには強い樹種ですが、乾燥を嫌います。

風よけをつくって外気にさらされないように気をつけるのと、灌水の時に葉水をまいてあげるのもいいと思います。

カラマツの冬越し

カラマツは公害によわい樹種で、ホコリもきらいますから、葉水をこまめに行うのもいいでしょう。

寒さにはさほど弱くありませんが乾燥には気をつけなければいけません。

スギの冬越し

スギは松柏類の中では性質の弱い樹種です。

寒さにはあまり強くありませんから、寒地ではムロに入れるなどの対策が必要です。ムロだしも慎重におこない、あまり早い時期からの剪定や針金かけもしないようにしてください。

冬の間は霜焼けをして葉が赤茶けますが、春暖かくなれば徐々に元の緑色に戻ってきますから、これについては心配はいりません。

トショウの冬越し

寒さには比較的強い樹種ですが、冬の間の乾燥には気をつけないといけません。

トショウは葉色の綺麗さを鑑賞する樹種でもありますから、暖かい日の午前中には葉水を与えるなどして、乾燥しないようにします。

シンパクの冬越し

寒さには比較的強い樹種ですが、冬の間の乾燥には気をつけないといけません。

シンパクも葉色の美しさを鑑賞する樹種なので、暖かい日の午前中には葉水を与えるなどして、乾燥しないようにします。

イチイの冬越し

イチイは寒さに強い樹種ですから、基本的にはクロマツと同じ管理でいいです。

丈夫な樹種ですが水を好みますから、冬の間でも1~2日に1回は灌水するほうがいいでしょう。

ヒノキの冬越し

ヒノキは松柏類の中でも特に寒さに強いので、特別な対策は必要ありません。

クロマツとほぼ同じ管理でいいでしょう。

コメツガの冬越し

コメツガは寒さにはさほど弱くないですが、水を好み乾燥を嫌いますので、水切れのないように灌水には気をつけましょう。

冬の間も1~2日に1回は灌水します。

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世田谷区にいましたが、盆栽のための広い土地を求め移住計画中。小さい盆栽を中心に山野草や鉢作りも楽しんでいます。

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