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野バラ(野薔薇)の魅力

野バラはバラ科野バラ属の落葉低木で、原種のバラです。

バラには園芸品種が多く、様々な色や形の花が咲くものもいいですが、野バラの可憐で素朴な花が盆栽樹種として好まれています。

園芸品種バラの台木としても利用されます。

花だけでも楽しめますが、花を摘まずに残しておけば秋には赤い実(偽果)を眺めることが出来ます。

バラの枝は蔓性で伸びが強く、ヒコバエもでるので姿が崩れやすいですが、花芽を付けさせるためには落葉後と芽出し前に剪定して姿を整える程度に留めていた方がいいです。

ただし、新しい枝に力が集中すると古い枝が枯れることになります。

ヒコバエや不要な芽は早めに処理してください。

野バラの特徴

野バラの花(5月~7月)

野バラの花

野バラの花

野バラの花は普通5弁からなる一重咲きで、大輪で八重咲きの園芸品種の花と比べると小さくて素朴です。

色は白や薄ピンク、覆輪などいくつかの種類があります。

今年伸びた枝の先に多数の花を次々と咲かせるので、長い期間花と香りを楽しむことができます。

 

野バラの実(10月~11月)

野バラの実(偽果)

花を摘まずにうまく受粉すれば、秋には赤く熟した実を鑑賞することができます。

盆栽仕立ての野バラはそのままでも結実しますが、受粉をより確実なものにするため、ジベレリンという植物ホルモンの水溶液を花に散布する人もいます。

細胞伸張や老化抑制、種子の発芽促進などの効果があるジベレリンは、無種子化の作用も持っていて、昔から種なしブドウの生産にも使われています。

バラの実は、子房(果実)ではなく偽果という果実状の器官で、香りが高くローズヒップとして紅茶やジャムなどに加工されます。

野バラの繁殖法

野バラの種木は実生の他、挿木や取木などでよく増えます。

野バラの主な樹形

斜幹や模様木、懸崖、寄せ植え、石付きなどいろいろな樹形に仕立てることが出来ます。

ヒコバエやフトコロ芽がでやすい性質を活かして株立ちも作られます。

枝は蔓性なので、これを利用して枝垂れる姿に作ってもボリュームが出てよいです。

ただし新しい枝に力がいきすぎると、古い枝が枯れてしまうことがあるので、徒長枝や不要な芽、枝は早めに処理してください。

野バラの日頃の管理

置き場所

日当たりと風通しのいい場所に置きます。

冬は保護が必要です。

用土

赤玉土を単用します。

灌水

表土が乾いたらたっぷり灌水します。

春は1日1~2回、夏場は1日2~3回、秋は1日1回、冬は2~3日に1回を目安としてください。

夏の水切れには注意してください。

肥料

5月~6月、10月~11月に油かすなどの固形肥料を月1回与えます。

病気・害虫

アブラムシ類や、カイガラムシ類がつきます。

黒星病、うどんこ病のほか、バラ科植物に掛かりやすい根頭癌腫病にも注意しなければいけません。

                                                   

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