ヒメシャラ(姫沙羅)の魅力
ヒメシャラはツバキ科ナツツバキ属の落葉高樹です。
常緑樹の多いツバキ科の中では珍しく落葉する樹種です。
シャラノキ(ナツツバキ)と同属の樹種で、直径2cm程の小花がツバキに似ていることから、姫シャラ(コナツツバキ)と名付けられました。
関東地方から西の山中に自生している樹種で、高山性の植物なので暑さに弱い性質があります。
春の芽出しや花、紅葉も楽しめますが、なんと言っても赤く滑らかな幹肌が魅力で、落葉後も通年鑑賞される樹種です。
ヒメシャラの特徴
ヒメシャラの葉
ヒメシャラの葉は先の尖った卵形をしていて、縁は浅く不規則な鋸歯になっています。
葉の形はツバキに似ていますが、ツバキのような艶はなく、比較的薄くて柔らかい感触です。
側脈は縁まで届かず、側脈からさらに分岐した細脈が伸びています。
ヒメシャラの新芽
ヒメシャラの新芽は春から夏の始め頃まで勢いよく伸びてきます。
樹勢が強く、芽はすぐ伸びて樹形が乱れてしまいますので、芽摘みを繰り返し行って細かい枝を出させるようにします。
ヒメシャラの幹・枝
ヒメシャラは、滑らかで淡赤褐色の幹肌が特徴です。
若木のうちは淡い黄色ですが、古くなるにつれて樹皮が剥がれ光沢のある幹肌になってきます。
地方によっては、ツルツルの幹肌のいため「猿すべり」と呼ぶところもあるようです。
枝は細く長く伸びる性質があるので、繰り返し新芽を摘んで、細かい枝振りを作るようにします。
ヒメシャラの繁殖法
挿木や取木の他、寄せ植えにした実生苗もよく作られます。
ヒメシャラの主な樹形
苗木のうちから幹模様を作っておけば、いろんな樹形に仕立てることができます。
直幹や斜幹、双幹、模様木、株立ち、石付きのほか寄せ植えにして眺めるのもよいです。
ヒメシャラの日頃の管理
置き場所
日当たりと風通しのいい場所に置きます。
ただ暑さには弱いので夏は遮光して風通しのいい場所に置きます。
寒さには強いので、風の直接当たらない日当たりのいい場所に置きます。
用土
赤玉土を単用します。
灌水
水を好みますが、与え過ぎは枝を徒長させるので注意してください。
春は1日1~2回、夏場は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安としてください。
肥料
5月~6月と、9月~10月の間に油かすなどの固形肥料を月1回与えます。
多肥になると枝は間延びして樹形が乱れるので気を付けてください。
病気・害虫
カイガラムシなどがつくことがあります。
コメント
- 鳳鳴盆栽(吉田匡人) さん 2021年03月08日06時24分
- いつも参考にさせていただいています。
うちの姫沙羅は幹と根バリはマシなのですが、おっしゃる通り枝の間延びが著明です?
で1~2芽残して縮めようと思いますが、それでもまだ間延びします。
姫沙羅は先端を剪定してもドウブキしてくれるものなのでしょうか❓
お暇な時にでも教えてください。 - きみ さん 2021年03月08日09時25分
- 鳳鳴盆栽(吉田匡人)さんへ
情報量の少ない頁で申し訳ありません。
ヒメシャラが間延びするのは、芽摘みがちゃんとできてないからだと思います。
樹勢がめちゃ強い方なので、まだ軸が柔らかいうちでもいいので伸びたら摘むっていうのをやってみてください。あと、葉刈りも2回は確実にできますので、芽摘みを葉刈りを合わせて(9月までに終わらせる)ください、そしたら段々コンパクトになってきます。
ぶっつり切ってもあまり胴吹きする性格ではないようです。傷も残るし、生長期の抑制で自然な胴吹きまったほうがいいかなと思います。
