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盆栽とは?

きらく会の総合展示より(2016年:東京上野)

みなさんが思っている盆栽の姿はいろいろだと思います。

私は最初、『サザエさん』で波平さんがかわいがっている松の盆栽がそうだと思っていました(ちなみに波平さんの棚にはウメやコメツガもあるみたいです)。

でも松だけが盆栽ではなく、外来樹種やサボテン、多肉植物などどんな植物でも盆栽仕立てにして飾ったり、楽しむことができます。

そういってしまうと室内に置かれるような観葉植物も盆栽に入ってしまいそうですが、それは盆栽とは言わないのは何となくお分かりになるでしょう。

では盆栽とそうでないものの違いはなんなのでしょうか。

盆栽と観葉植物の定義

盆栽と似たものに「鉢物(ハチモノ)」があって、両方とも植物を鉢に植えて楽しまれていますが、盆栽と鉢物を比較した時に違いが見えてきます。

盆という字を辞書で調べると「トレイ」「浅く平たい容器」、「ものを載せて運ぶ道具」とあります。

文字だけで考えると盆栽は浅い容器で栽培されている植物のことで、それに対して鉢物は比較的深い容器で栽培された植物という解釈になります。

でも、「浅い容器に植えられたらなんでも盆栽になる」と言うことではありません。

園芸や鉢植えは単に植物の花香や葉色など表層的な美しさを鑑賞しますが、盆栽はさらに自然の寸尺として植物を盆上に収めて表現しようとしています。

枝の出方や流れ、幹模様、樹の古さを表現するのはもちろんですが、鉢と樹の調和、飾り方でもその真が問われます。

今や世界的に人気がある盆栽ですが、日本的な美意識や絵心、個人の感性がなくてはいい盆栽を創ることはできないのです。

自然と盆栽

風の強い高山に自生する樹の姿
Nature of Bonsai

盆栽は、自然の姿を習って手を加え、培養管理して作り上げていくものです。

しかし自然の風景に目を凝らしてみると、同じ種類の植物でも環境によって姿かたちが違っていることに気がつきます。

同じマツでも、風の当たらない平地に生えているものはまっすぐのびのびと成長していますが、風当たりの強い海岸沿いや、高山の松は激しく傾いて今にも倒れそうに生えていたり、極端に枝数が少なかったりします。

植物はその生育環境によって姿を変え、なんとか生き延びようと努力しているのです。

盆栽はこのような姿を映し出して、見る人にその環境を想像させようとするものです。

しかし、盆栽が忠実に自然を再現することは不可能で、小さな盆の上でできることには限界があります。

そこで自然の一部を切り取って簡素化したり、補ったり誇張したりすることによって、そこから自然を連想させるように図るのです。

盆栽が表現するもの

盆栽も鉢物も植物を観賞するために栽培されているものですが、盆栽は自然の風景を切り取って表現するものです。

展示会などの飾りの席では、その全体から山野の優美さや岸壁に生える波風の荒々しさ、荒野の虚しさや朽ち果てていくものの美しさを感じることができます。

温帯性の観葉植物や、シクラメンや胡蝶蘭などの花を楽しむ鉢物はそのものの美しさを観賞されることはあっても、そこから自然の風景を連想しようとする人はいません。

盆栽といえども、小さな盆の上に表現できることには限界がありますから、自然そのものには成り得ません。

盆栽は、自然の一部を切り取ってきて、省略や誇張によって自然の風景を再現することによって、はじめて観る人に自然を連想させ、まるで大自然の中に佇んでいるような気持ちにさせてくれます。

東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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