キミの盆栽びより管理の基本 > 盆栽の冬の管理

盆栽の冬の管理

日本の国土は沖縄地方や北海道、東北地方など限られた地域を除きそのほとんどが温帯に属していて、寒さの厳しくなる冬の期間は盆栽たちを寒害から保護する必要があります。

冬の保護は単に寒さだけでなく乾燥した冷たい風や積雪、凍てつきや霜の被害から樹を守るために事前の保護対策をすることをいいます。

直接風や霜等が当たらないような安全な場所に樹を取り込むことになりますが、保護する前には整枝作業や消毒、掃除などやらなければならない作業がいくつかあるので以下に説明します。

寒害が起こる原因

寒害というのは単に寒さによる害だけでなく、冷たく乾燥した風による枝枯れや、大量の降雪による枝折れなどの被害を言います。

寒さに強い松柏類や雑木類さえ、冷たい乾風に当たるとと葉枯れや枝枯れを起こしてしまいます。

逆にさほど寒さに強くないスギやピラカンサなどでも、きちんと対策をしていれば屋外でも問題なく冬を越させることができます。

冬の間に樹を枯らしてしまう事に下のような原因があります。

  1. 晩秋から寒さに馴らさなかった
  2. 防寒、防風対策をしなかった
  3. 室内に持ち込む期間が長かったなど、過保護にしすぎて樹が軟弱になった
  4. 秋に無理な針金かけをした
  5. 寒さに弱い樹種や品種を十分な保護なしに越冬させた
  6. 入手後、十分寒さに順応させないうちに植替えや鉢上げをした
  7. 冬越しに対する無知、準備不足

寒さに強いものと弱いもの

盆栽を育てる上では、植物の自生地の環境を知ったうえでどの程度の寒さや暑さに耐えられるのかを把握しておく必要があります。

盆栽樹種をモミジやカエデなどの落葉樹、クチナシや柑橘類などの常緑樹、マツやスギなどの針葉樹に分けたとき、耐寒性の強いもは順に針葉樹>落葉樹>常緑樹という順になります。

針葉樹は根が完全に凍らない限りはどんなに寒くても冬を越すことができます。

次に落葉樹ですが、葉が付いている時期では氷点下1℃から氷点下3℃で寒害を受けるものの、落葉後は耐寒性が増して氷点下10℃を越えても耐えられます。

これに対して一年中葉をつけている常緑樹は、冬期も活動していますから寒さに弱く、特に柑橘類などは零下になるとたちまち寒害を受けてしまいます。

また寒さに強くてもサイズの小さいものや、秋に強い剪定や針金を掛けたもの、枝が細く出来ているモミジ、ケヤキ、チリメンカズラなどは早めの保護が必要です。

寒さに強い樹

針葉樹や落葉後の雑木類は耐寒性が強く、氷点下20℃程度まで耐えられると言われています。

黒松赤松五葉松蝦夷松真柏一位(イチイ)唐松、欅、モミジ(落葉後)カエデ、錦木、小楢、姫シャラ、黄梅、藤、ボケ、皐月、花梨など

やや寒さに強い樹

やや寒さに強い半耐寒性の樹種は、氷点下7~8℃程度を限界に耐えることができますが、小さいものや秋に強い整枝をしたものは早めの保護が必要です。

杜松檜(ヒノキ)米栂(コメツガ)ピラカンサ梔(クチナシ)、柿、椿、桜、梅、ツツジ、サザンカ、深山キリシマ、桑、ジンチョウゲ、カイドウ、真弓、ギョリュウ、ブナ、西洋シャクナゲ、カルミアなど

寒さに弱い樹

温暖性の樹種などは寒さに弱いので必ず屋内や簡易ムロに取り込み、鉢が凍らないような保護をしてください。

柑橘類(キンズ、ミカン、キンカン)、姫リンゴ、石榴(ザクロ)ハマボウ梅擬(ウメモドキ)紅紫檀(ベニシタン)縮緬葛(チリメンカズラ)、磯ザンショウ、深山カイドウ、ソロ、イチョウ、ガジュマル、ブーゲンビレア、クスノキ、椿の園芸種、サザンカ、ハゼ、台湾ツゲ、百日紅(サルスベリ)ユスラウメ、アケビ、ツタ類など

ただし、同じ樹種でも小さな盆栽や苗木は寒さに弱いですし、暖地で育ったものを持ち込んだものと、寒地で実生で育って寒さに慣れたものでは耐寒性が異なります。

耐寒性と糖分の関係

植物の耐寒性にはいろいろな要素が関係していますが、その中でも特に重要な要素に植物体内の糖分含有量が関係していると考えられています。

糖分は主に植物自身の光合成で合成されるもので、植物体を構造的・機能的に維持するために必要な栄養分。

植物体内に糖分が豊富に含まれている場合、浸透圧の関係で細胞内は水分が十分にあり、外部から水分を要することが少なくなります。

逆に糖分量が少ない場合は、より多くの水分が必要になります。

糖分含有量による耐寒性の違い

普通、水は0℃になると凍り始めるのに対して、糖分を含んだ水の凝固点は低く15%の砂糖水は-1度でも凍ることがないそうです。

冬の寒さに強い樹種は、耐寒性を高めるために気温が下がりはじめると体内により多くの糖分をため込むようになります。

植物細胞の中に含まれている水分は約85%(他はタンパク質10%、脂質2%と微量物質)といわれていますが、糖分含有量の多い植物は凍結にしくく、冬の間も細胞内に残った水分と貯蔵栄養で冬を越すことができるのです。

同じモミジでも、落葉前より糖分をたっぷり蓄えた落葉後の方が耐寒性が高いのはそのためです。

ムロの機能と工夫

盆栽界の室(ムロ)とは、一定の低温下で乾風や凍結から樹を保護するための施設のことを指します。

ムロに求められる機能は、乾燥、北風、凍結、積雪などから樹を守り、開閉して一定の温度や室温調節が可能であることです。

理想的なムロ内の状態は室温3~7度、湿度40~60%ですが、必ずしも立派な囲いやビニールハウスである必要はありません。

「盆栽に過保護は禁物」といわれるように、樹をゆっくり休眠させるためのもので、陽に当てたり温室のように加温する必要はありません。

ムロ入れの工夫

小品盆栽は小さい上に用土も少なく、寒さに強い樹でも寒害を受けやすいので適切な防寒対策が必要です。

枯死するまではいかなくても、冬の間に大事な枝が枯れてしまうと作り直すのは大変です。

小さくても鉢数が多い場合はいかに効率よく収納できるかもポイント。

樹の状態を観察しやすく、換気や灌水も簡単で、強風や寒さの厳しい時には移動や増設もできるような工夫をしないといけません。

室内に取り込む

寒さに弱い樹種は室内に取り込んで越冬させるのがよいですが、加温する必要はなく玄関や縁側、倉庫や作業場など空いた場所に取り込むくらいで充分。

トレイに乗せた盆栽をラックや棚に並べておけば省スペースで樹の管理もしやすくなります。

氷点下5度を下回るような寒冷地では、棚に毛布を被せたり過湿加温装置を設置する場合もあります。

棚を囲う

業者レベルですが、棚場全体をビニールハウスで覆う大規模な保護室を設置する場合です。

鉢数がかなり多い人に適していて、ムロ入れのため樹を移動する必要もなく、防風、防寒性が高く樹の管理もしやすいメリットがあります。

ただし晴天下ではハウス内の温度が高くなりすぎるので、昼間は換気をしたり天井に寒冷紗をつけて遮光するなど、温度を一定に保つ工夫が必要です。

棚場全体を覆うようにフレームを立てるので、夏はビニールの代わりに寒冷紗を張るなど1年中使えます。

ただ大量の資材が必要で労力もかかるので、木枠やパイプで骨組みだけ作ってビニールやトタン板を張るなどしてもいいでしょう。

棚下、軒下を利用する

棚下を利用する

最も簡単で一般的な保護例で、棚下の空きスペースに樹を下ろし、ビニールやトタン板などで横を覆う方法です。

囲いは換気できるように簡単に開閉できる構造にしておき、寒冷紗を二重にかけて昼間の温度上昇を防ぐようにしてください。

棚から全ての樹を下ろすついでに病害虫の温床になりやすい棚場の掃除もできます。

棚板が霜防止になるので、温暖な地域では棚下や軒下に盆栽を移動させるだけでも充分です。

簡易温室を利用する

簡易温室

市販の園芸棚に、ビニールを被せた簡易温室もムロ代わりになります。

昼間はビニールを開いて換気をし、夕方冷え込む前に閉めて防寒してください。

温室棚は使い勝手はいいですが、日中陽に当たっていると内部が予想以上に高温になり、休眠状態の樹に大きな悪影響を及ぼします。

遮光シートを被せたり、日陰に設置するなど昼夜の寒暖差があまり出ないように工夫してください。

発砲スチロールを利用する

発砲スチールのムロ入れ

マンションのベランダなど限られたスペースで小さい盆栽を沢山もっている人は、適当な大きさの発泡スチロールをムロ代わりにする方法がお勧めです。

樹の大きさや耐寒性の強さでグループ分けしておくと管理がしやすくなります。

汚れているものは水で綺麗に洗い、底には水抜きのための穴をいくつか開けておきます。
排水をよくするため、角材やブロックなどを下に敷いて箱を傾けたり、穴の位置を工夫してください。

発砲スチロールのムロ

半田ゴテや鉄パイプ等で綺麗に穴を開ける

昼間はフタを開けて盆栽の状態(土の乾き具合、掃除)を確認し、換気と灌水をして、冷え込む前にフタを閉めてください。

厳寒期間、完全に蓋をしている間は1週間程は水やりしなくても平気ですが、慣れないうちは2~3日に1度は盆栽の状態を確認してあげるようにしましょう。

発砲スチロールはホームセンターやインターネットでも手に入りますが、近くのスーパーでもらえる場合もあります。魚用は匂いがあるので、野菜用がないかお店の人に聞いてみてください。

自分の持っている樹の樹高を考えて、奥行きだけでなく高さにも余裕が取れるものを選んでください。

収納ボックスを利用する

収納ボックスでムロ入れ

収納ボックスを使った保護

市販の衣装ケースや収納ボックスをムロ代わりにする事もできます。

日中は蓋を開けて換気し、夕方冷え込む前に蓋を閉めておきます。

冷え込みの厳しい日は蓋を閉めたままにしてください。

透明プラスチック製は中の状態がわかるし、重ねることもできるので場所を取りません。

衣装ケースなら引き出しを開ければ換気できるので手軽です。

ただし水抜き用の穴を空けておく必要があるので、大変なら食器用の水切りバスケットを使ってもいいです。

水受けが深く、蓋付きのものが市販されているので小さい盆栽の保護に適しています。

コンテナを利用する

コンテナを使ったムロ入れ

コンテナを使った保護

農業用に使われるプラスチックのカゴ(採集コンテナ)もムロ代わりに使えます。

通気性があるので蒸れの心配がなく、重ねてビニールで囲えば立派なムロになります。

丈夫で軽いので移動も簡単。

使用しない時は棚の台代わりにもなり、盆栽道具の収納にも使えるので便利です。

ムロ入れの時期

日本の冬は東北地方側や九州地方側、太平洋側と日本海側でかなり状況が変わりますので、冬の管理もそれぞれの地域に応じた対策が必要になります。

小品サイズ盆栽のムロ入れのタイミングは日中の気温が5度以下になる日が続く頃で、関東だと12月中旬頃。

植物には暑さや寒さへの適応力が備わっていて、むしろ一定の寒さにさらさないと翌年の芽出しやその後の成長に影響します。

早朝の棚場をチェックして霜が2~3回降りたのを確認してから完全にムロ入れをしてください。

数回霜に当てることで樹に冬がきたことを知らせ、樹自らに寒さから身を守るための準備をさせるわけです。

柑橘類などの寒さに弱い樹種はそれより早め(11月中~下旬頃)に防寒の準備をします。

ムロ入れ前の準備

冬の間の保護のためムロや屋内に取り込んだ盆栽は、密集して管理されるため風通しが悪くなりがちで、病気や害虫が潜伏しやすい環境でもあります。

病害虫被害は春になると一気に拡散してしまうので、ムロ入れ前には樹を掃除し、消毒殺菌して休眠期に備えましょう。

1、掃除

冬の保護をする前には必ず樹の掃除をしてください。

ムロの中は病害虫にとっても快適な潜伏場所になるので、掃除をするのとしないのとでは春以降の害の大きさの全く違います。

歯ブラシや金ブラシなどで幹や根張り部分を磨き、表面の汚れや苔を綺麗に取り除いておきましょう。

シャリのある真柏や杜松、一位(イチイ)などは、シャリと水吸いとの境目に越冬虫が潜り込んでいる場合がよくあるので丁寧に掻き出してください。

不要枝や徒長枝もこのときに剪定しておけば全体がコンパクトになり、ムロの中で枝が絡んだり折れる心配も少なくなります。

落葉樹の場合は、落葉後だと太枝の剪定はできないので、紅(黄)葉がはじまり自然落葉する前に全葉刈りと剪定をしてください。

2、病害虫対策

昔から使われる石灰硫黄合剤

ムロ入れする時にしっかり病害虫対策をしていないと、冬の間の潜伏期間が過ぎて暖かくなってきた時に被害は一気に出てきます。

その被害を抑えるために、ムロ入れ前と、1月~3月の間の最低2回は必ず全ての樹を消毒・殺菌し、病害虫を駆除しておいてください。

広く昔から使用されている薬に石灰硫黄合剤があり、広い病害虫の駆除予防ができます。

ムロ入れ前には消毒を

業者の間では噴霧器で散布する場合も多いですが、周囲に飛散しないドブ漬けが比較的安全で一般的。

原液を希釈したものを大きめのバケツ等に用意し、出来るだけ鉢や根に染みないように注意しながらひっくり返して、地上部全体が浸かるように2~3回ドブ漬けしてください。

そのままでも構いませんが、ダイン等の展着剤を加えておくと水弾きがなくしっかり付きます。

希釈倍率は趣味者によって違うようですが、常緑樹で20~30倍、雑木類で30~40倍くらいを目安に希釈して使用してください。

乾燥中

ドブ漬けした後は土中の根に薬が垂れないように水気を切ったり横に転がして、陽の下でしばらく乾かします。

乾くと樹全体が真っ白になりますが、自然に取れるので心配いりません。

しっかり乾かすことで表面に薬の膜ができて効果が持続します。

石灰硫黄合剤の欠点と代用薬

石灰硫黄合剤には越冬病害虫防除に強い効果があり、これを使うのと使わないのとでは春以降の病害虫被害の発生率に格段の差が出ます。

ただし強アルカリ性のため取扱には注意が必要。特に皮膚、眼などをおかしやすいので皮膚にふれたり眼に入れないようマスクやゴーグル、ゴム手袋等を必ず使用してください。

希釈して使うとは言え一般家庭で使用するにはかなり危険な濃度であることには変わりありません。

さらに強い硫黄臭がするので、風のない日や換気のできる隔離された空間での散布が理想的ですが、住宅事情によっては使用を控えなければいけません。

石灰硫黄合剤が使えない(使いたくない)時は、ダイセン系の保護殺菌剤やGFオルトランC(アセフェート系殺虫殺菌剤)を代用してもいいでしょう。

スプレー式の薬剤

園芸用の農薬はスプレー式で直接液に触れることがないので使いやすく、臭いもさほど気にならないタイプが揃っています。

上から散布するだけでなく、幹や枝と枝の間、葉裏にもしっかり薬が付くようにしてください。

サンヨール(有機銅系殺菌殺虫剤)も使いやすいですが、越冬病害虫対策としてはやや効果が弱い印象。

単用でも効果が高いものが多いですが、スミチオンのような殺虫剤と殺菌効果のある2種類の農薬を併用するとなお良いです。

石灰硫黄合剤(殺虫殺菌剤)

石灰硫黄合剤

有効成分:多硫化カルシウム

効果のある害虫:ハダニ類、サビダニ類、カイガラムシ類、ヤノネカイガラムシ、越冬病害虫
効果のある病気:赤かび病、さび病、うどんこ病、黒星病、銅枯病、赤星病、腐らん病、モニリア病、縮葉病、ふくろみ病、そうか病、黒点病、かいよう病など

ムロ入れ前の殺菌殺虫剤として、多くの盆栽業者や愛好家の間で使用されています。

値段は10リットルで2千円~1万円程。宮内の硫黄合剤株式会社やさくら化興などのメーカーがあります。

少量での規格販売は製造が中止になっていて、今は最低でも10Lからしか購入できないので愛好家同士で分け合うか、つきあいのある盆栽園に持ち込むなど相談してみてもいいかもしれません。

GFオルトランC

GFオルトランC

有効成分:アセフェート・MEP・トリホリン

広範囲の病害虫に効果のあるエアゾルタイプの病害虫防除剤です。

オルトランとスミチオンの他、うどんこ病や黒星病にも効く殺菌剤のサプロールが配合されていて、広い範囲の病害虫に対して速効性を示します。

効果のある害虫:アブラムシ類、グンバイ虫、ケムシ・アオムシ類、チャドクガなど
効果のある病気:うどん粉病、黒星病のほか広範囲の越冬病害虫

サンヨール液剤AL(殺虫殺菌剤)

サンヨール液剤AL

有効成分:ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩

効果のある害虫:アブラムシ類、コナジラミ、チャドクガ、マイマイガ、ナメクジ、カイガラムシなど
効果のある病気:うどんこ病、べと病、葉かび病、灰色かび病、白さび病、黒星病、褐斑病

越冬病害虫対策にも使用されますが、効果の持続性は石灰硫黄合剤より劣るように思います。

その分定期的に散布し、他の薬剤と交互に使うとなお効果的です。

スプレータイプで匂いも優しいので使い勝手がよく、冬だけでなく年中使えます。原液を希釈するタイプもあります。

3、野ネズミ、タヌキ対策

冬の間は野ネズミやタヌキなどの食料もなくなりますから、たとえ住宅街でも盆栽が狙われることがあります。

肥料の残りかすや樹皮をはぎ取って食べてしまったり、雪解けの頃から伸びる新芽を根こそぎ食べてしまって、いざムロ出ししてみると跡形もなくなっていたりします。

対策としてはネズミなどが侵入できないように、囲いを地中深くから差し込んだ半地下式の冬囲いを用意したり、ネズミがいやがる石灰硫黄合剤や薄めた木酢液をまく手もあります。

薬を使えない、使いたくない場合は網をぴったりに被せて固定すればネズミ等は侵入できなくなります。

野ネズミは、雪解けで樹と雪の間にできたわずかな隙間に潜り込んでくるので、囲いで侵入できなくするか雪と植物との隙間をなくす必要があります。

農家では昔から雪踏みといって、雪を踏みしめて作物との隙間をなくし獣害から守る伝統的な方法があります。

冬の灌水

冬は植物の水分の消費量が減るので灌水は活動期ほど必要ないのですが、冬の間は空気が乾燥していて土表面からの乾きが早いので、うっかり灌水を忘れて放置してしまわないように注意して下さい。

ムロに入れた樹の灌水頻度は2~3日に1回程度でいいですが、松柏類で晴天が続く場合は1日1回の灌水を行って下さい。

また、夜間は氷点下になる真冬は、用土中の水分も氷って根を痛める可能性があります。

寒さに強い樹種であっても、根が完全に氷れば大きなダメージなので、水はできる限り暖かい日の午前中に与え、夕方には水気が余計に残らないようにしてください。

冬の間に肥料は必要ありません。

ムロだしの時期

室内やムロでの管理は、特別に寒い地域を除いては3月中旬頃から徐々に外気に馴らし始めます。

切り替えるといってもいきなり屋外に出してしまうと、寒の戻りで新芽が霜に当たって傷んだり、急な温度変化で盆栽に大変な負担がかかります。

最初は昼夜の温度差を少なくするために、暖かい日中は換気をして温度の上昇を抑え、日が落ちて気温が下がる前にビニールや蓋をかぶせて放熱を防ぎます。

寒い地域では、降雪の恐れのなくなる4月頃から屋外管理に切り替えます。

4月になったらフタを外して外気に馴らし、4月中旬頃には完全に保護を取り払って屋外での管理に戻して大丈夫でしょう。

実際には4月下旬頃から外の野草や樹木の芽が旺盛に動きだすのが分かりますから、この時期からはもう通常管理に切り替えます。

ムロだしのタイミングは早すぎると芽や根が傷んでそのまま枯れることがあり、特に寒さに弱い柑橘類などは遅めのムロ出しが安全。

冬から春の季節の変わり目は風が強く乾燥していますので慎重に行ってください。

樹種別の冬越し

乾燥や霜にさえ気を付けていれば、盆栽の冬越しはさほど難しくありません。

冬の保護やムロ出しで失敗しないように、寒さに強い樹種とそうでない樹種を理解しておくことが大事です。

松柏類の冬越し

葉物類の冬越し

花物類の冬越し

実物類の冬越し

草物類の冬越し

ホトトギス

ホトトギスの冬の姿

盆栽で使う多くの山野草は、冬の間は地上部が枯れ休眠状態になるので、生きているのか枯れているのか分からなくなります。

しかし山野草は丈夫で寒さに強く、水さえ切らさなければ多少霜に当たっても春になれば必ず芽を出します。

昼夜の寒暖差が激しい砂漠地帯に自生するサボテンを見て分かるように、マンネングサや冬サンゴのような多肉草でも、冬の寒さに充分耐える力があります。

ただし草も冬の乾燥や度重なる凍てつきには弱いので、棚下や発泡スチロールなどに取り込んで保護する必要があります。

新芽が遅霜にあたると溶けてしまうので、ムロ出しのタイミングは他の樹種にならい慎重に行ってください。

コメント

かずゆき さん 2016年11月24日19時29分
こんにちは。
2か月ほど前から盆栽を始めた初心者です。
とてもためになるサイトで、よく拝読しております。

冬季の管理にかんしてご質問したいのですがいいでしょうか。
こちら東京なのですが、これから冬にかけてどのような管理をしていったらよいでしょうか?
本やウェブサイトをいろいろ読みましたが、人によって書いてあることが違うので混乱しています。笑
きみさんは東京とのことで、こちらも東京ですので環境が近いかと思い、お話を伺いたいと思いました。

状況としては、日当たり風通しのよいマンションのベランダです。
非耐寒性の樹種はありませんが、中ではクチナシが少し寒さに弱いそうなので心配しています。
今日は季節外れの大雪で、ベランダにあるベンチの下に避難させました。
そこで霜や強風は防げると思いますが、冬中そのくらいの保護で大丈夫でしょうか?
東京でもムロ入れなどの保護をしたほうがいいのでしょうか。
きみさんはどのような対策をしておられますか?
きみ さん 2016年11月24日22時50分
かずゆきさん
コメントどうもありがとうございます。今日の雪はすごかったですね。。
わたしは冬は毎年発砲スチロールで管理しています。時期は最低気温が7度を下回る日が1週間以上続くようになったら準備を始めています。
今回は急だったので発砲の調達が間に合わず、一部はかずゆきさんのように棚下に置いています。
クチナシは寒さに弱い樹なので、できればムロ入れしたほうがいいです。棚下管理でも、葉がショボショボになりますが枯れることはないかな。暖かくなると復活しますが、枯れては困るので昨日から発砲に入っています。
かずゆき さん 2016年11月25日12時18分
お返事ありがとうございます。
東京でもしっかり対策したほうがいいんですね。
そんなに数はないので、小さいビニールハウスでも買ってみようとおもいます。
わからないことだらけですがとりあえず枯らさないようにがんばらないと。笑
きみ さん 2016年11月25日12時45分
かずゆきさん
寒さというより、風に当てないような工夫が要ると思います。
温室ビニールもいいけど、日に当たる場所だと温度がビックリするくらい上がるので、ビニールを開けておくとかしないと樹が駄目になります。
発泡は管理楽ですよ~
かずゆき さん 2016年11月26日10時39分
ビニールハウスの方が日当たりがよくていいかと思ったんですが、
常緑樹でもそんなに日に当てなくても大丈夫なんでしょうか?
きみ さん 2016年11月26日18時08分
冬でも日中太陽に当たれば、ビニールハウスの中はかなり高温になるので風よけのつもりで設置するほうがいいですよ。
針葉樹以外の常緑樹は寒さに弱いのが多いし、真冬は発砲に入れっぱなしです。
晴れた日でも蓋をずらしておくくらいであまり太陽に当てません。
かずゆき さん 2016年11月27日12時14分
なるほどいれっぱなしで大丈夫なんですね~
かずゆき さん 2016年12月17日10時25分
こんにちは。最近すっかり寒いですね。
しばらく前から樹たちはビニールに保護しております。
ですが「霜に2~3度当ててからがよい」との情報もあり、
まだ早いのではとも思うのですが、大丈夫でしょうか?
きみ さん 2016年12月17日11時19分
かずゆきさん
キンズとかクチナシ、小さいウメモドキなんかは早めの保護がいいですけど
その他の樹はやっぱり霜に数回当てておいたほうがいいです
わたしは12月入って全部発砲にいれましたけど蓋してませんでした。
先週氷が張ったので、夜間蓋を閉めることにしました。
あまり早いのはよくないかな~。。
かずゆき さん 2016年12月17日20時11分
僕もしばらく放置してましたが、先週末くらいに最低気温が0度になってきたので、
保護を始めたかんじです。
週明けからまたちょっと暖かくなるみたいなので、
夜もビニールの入り口あけっぱにしておこうかな。
でも中なら霜が降りても当たることはないですよね~。
内山 秀男 さん 2017年02月15日16時51分
冬の消毒で石灰硫黄合剤をまきました。このサイトの冬の管理方法の中で指摘されているようにきちんと鉢の養生をしておけばよかったのですが、しませんでした。(散布後少しは水で洗ったのですが…)
現在盆栽は白く、鉢にも斑点が付きました。盆栽の方は徐々に雨などで取れているようですが、鉢の部分は取れません。何か酸などで拭いたらよくなるでしょうか。もしよい方法があれば教えてください。次回からは工夫したいと思うのですが…。
きみ さん 2017年02月15日17時11分
内山さん
仕立て鉢ならあまり気にしないでそのまま使ってしまいますけど、気になるようなら酢を含ませた布でふいてみて下さい。強アルカリを中和するので綺麗に取れるかもしれません。
根などに直接かかるとよくないですが、拭き取るくらいなら今度やってみようかなと思っていたところです。
今までは消しゴムで消してました。
内山 秀男 さん 2017年02月16日20時40分
いつもお世話になっております。盆栽を始めて数年で、盆栽教室に通いながら、祖父や父が育てた盆栽を育てています。質問は松盆栽です。教室ではこの冬に松の葉を1本(一対)残してすべて葉を落とした方がよい。(ただし取り扱い中(針金かけなどで)に取れることを見越して2本残してカットするとよい)この方法が植物の生育上も理にかなっているとのことでした。本などでは盆栽の上:中:下で3:4:5くらいの割合で葉を残した方がよいとあるのですが。少し危険すぎて鋏が動きません。きみ さんの方でこのような事をされたことがありますか。もし分かれば教えてください。(盆栽技術も日々進歩しているのでしょうか?)
先日の石灰硫黄合材は、食酢(スーパーで一番安い分)を原液で塗って状態を観察中です。(食酢は盆栽の苔の除去に通常使っています。)
きみ さん 2017年02月17日09時59分
内山さん
松の葉抜きは冬~今時期までやりますが、樹の樹勢に応じて残す葉数は調整したほうがいいと思います。強めの葉抜きを予定している場合は、芽切りはしないでおきます。
黒松や錦松はOK。赤松は弱いです。
私は2~3対残しでやってます。やっぱり下枝は多めに残しておきます。
それぞれやり方はあると思うので、1対残しも間違いではないです。
石灰硫黄合剤のお掃除については、自分は消しゴムしか使わないので情報不足ですみません。ちょっと実験してみます。
ようじ さん 2017年12月07日08時49分
きみさん

初めまして、最近盆栽を始めたばかりのど素人です。
全く何もわかっていないのですが、分かりやすく記載して
いただいているきみさんのサイトを拝見し日々勉強してい
ます。

冬の管理について教えてください。
殺虫殺菌を行いたいのですが、石灰硫黄合剤は10L以上でし
か購入できないため、ホームセンターで殺虫剤と殺菌剤を
それぞれ行えば良いと聞き薬剤を購入しました。

質問ですが、殺虫剤と殺菌剤は同日に噴霧しても良いので
しょう?
また、噴霧の順番はありますでしょうか?

基本的なことで大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

なお、差中殺菌後は簡易ムロにて冬越しをしようと思って
います。

居住地   :京都市内
殺虫剤名  :キング95マシン(マシン油乳剤)
殺菌剤名  :STダコニール1000
盆栽    :五葉松、黒松、鹿児島紅梅、紅紫檀

以上、よろしくお願いいたします。
きみ さん 2017年12月07日11時23分
ようじさん
はじめまして。コメントありがとうございます!
薬を散布する順番は気にしなくていいです。
薬によっては混ぜられるものもありますけど、同じ日に使うなら先に散布した薬が乾いてからがいいでしょうね。
私は2種類つかう場合は、どっちを使ったかわからなくなるので、日を分けてやります。
紅紫檀は寒さに弱いらしい(そんなに気にしたことないんですけど)ので、過保護にならないくらいに保護してあげてください^^
ようじ さん 2017年12月07日12時45分
きみさん

早速のアドバイスありがとうございます。

もうかなり寒くなってきてますので、同日に噴霧して
あげるようにします♪

紅紫檀は、寒さに弱いみたいですが他の盆栽と同じよ
うに管理しようと思います。
これが過保護にならないくらいにならないかもですが。

これからも色々と勉強させていただきますので、引続
きよろしくお願いいたします。

東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

お問い合わせ

更新履歴

最近のコメント

おすすめ文献

月刊近代盆栽 2018年 01 月号 [雑誌]

盆栽の魅力・育て方・楽しみ方が紹介されている盆栽総合誌です。「KINBON」と呼ばれ世界的にも有名な雑誌で初級者からベテラン愛好家まで満足できる内容です。
盆栽世界 2018年 01 月号 [雑誌]

毎月出ている盆栽雑誌です。月変わりの特集も楽しめて、いろんな技術の解説や銘品が掲載してあります。
群境介のマンガミニ盆栽365日 作業・管理編
マンガミニ盆栽
盆栽の基本的な知識が全て漫画で勉強できます。月ごとの作業ポイントがしっかり押さえられていて解りやすい。
はじめての豆盆栽 気軽に楽しむ小さな盆栽
まじめての豆盆栽
小さな盆栽のある暮らしを楽しむ一冊。これを読むと盆栽を始めたくなります。もちろん基本的な管理も学べますよ。