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ツバキ(椿)の魅力

椿(ツバキ)はツバキ科ツバキ属の常緑性高木。雌雄同株(雌雄同花)。

日本の本州から沖縄や、東アジア原産。

照葉樹林の代表的な樹種で、ツバキの名は「艶葉木」から転じたものといわれ、花だけでなく葉の美しさも古くから愛されています。

花色は紅やピンク、白などに一重や八重咲き、獅子咲きの覆輪、絞り、白斑。大きさも極大輪から極小輪と花芸も豊富です。

自生地にもよりますが寒さには比較的強く、真冬から咲かせる鮮やかな花や、形の整った常緑の照葉には長寿と再生の願いが託され、古から日本人に愛されてきたことがうかがえます。

成長が遅く、実生から花が咲くまで10年はかかるともいわれていますが、滑らかな樹皮や厚みのある艶やかな葉だけでも見応えがあり、寿命が長いのでじっくり育てて楽しめる樹種です。

ツバキの特徴

ツバキの品種

藪椿の花

「ツバキ」というのは多くの園芸品種や変種や亜種の総称で、本州から沖縄に自生している藪椿(ヤブツバキ)がその原種です。

藪椿は日本に自生する代表的なツバキで自生地での樹高は6m~8m、海岸近くから山地まで幅広い標高や気温などの環境に適応し、変種や亜種が数多く存在します。

もともと日本の太平洋側に分布していた藪椿が、東北から北陸地方の日本海側の多雪地帯に適応した亜種に樹高のやや低い雪椿(ユキツバキ)があり、藪椿とともに多くの園芸種の母種になっています。

藪椿系や雪椿系の他、同属の茶の木、山茶花(サザンカ)系統のものやそれらを掛け合わせた交配種など、現在に至るまで数多くの園芸種が作られています。

盆栽に人気の品種には、藪椿の他、出雲大社周辺の藪椿の自生種から選抜された「出雲大社(いずもたいしゃ)」

その他、中国の原種である西南山椿と日本の藪椿の交配種には「太郎冠者(たろうかじゃ)」「詫助(わびすけ)」

藪椿の亜種である雪椿と、茶の木との自然交配種である「炉開き」

長崎県玉之浦町で発見された紅花に白い覆輪の鮮やかな「玉之浦」や、沖縄の「屋久島椿」、鮮紅花の「鶴寿(かくじゅ)」など、自生地からの選抜や交配で作られた品種は数え切れない程で、奥の深い魅力があります。

ツバキの花(11月~4月)

八重咲きの品種(春日山)

原種の藪椿は早咲きで、早春の2月頃から開花しいち早く春の訪れを知らせてくれます。

ツバキは品種が多く花期はまちまちで、早いものでは10月~11月頃、遅咲きの品種は4月頃に咲くものがあります。

ただ一般にツバキの花芽分化期は6月~8月の間なので、花後の剪定と花芽分化を見越した芽摘や剪定をして翌年の花芽を付けさせることが基本です。

花は品種により色形に多様性がありますが5弁の一重咲きから八重咲きで、花糸(雄しべ)の下半分くらいがくっついた状態で、花弁はほとんど平開しないカップ状が多いです。

同属のサザンカと花がよく似ていますが、花弁の開き方【ツバキはカップ状/サザンカは平開】や散り方【ツバキは花丸ごと落花/サザンカは花弁1枚ずつ落花】、子房や葉柄(ようへい)毛の有無【ツバキには毛がないがサザンカにはある】などに違いがあります。

ツバキの葉

椿の葉

ツバキの葉は硬くてやや厚みがあり、表面は照葉の卵形で、縁は細かい鋸歯。

葉の付き方は互生で、新梢の頂部(先端や葉腋)には丸みのある大きな花芽が付き、葉芽はタケノコのような尖った形で葉腋に付いています。

葉は艶のある鮮やかな緑~濃緑色で、新葉は柔らかくやや黄色味かかった色味。

多様なツバキの葉

錦魚葉椿の葉

梵天葉椿の葉

ツバキは花だけでなく、葉の色形も多様です。

江戸時代には愛好家によって葉の突然変異株が発見され、愛好家や業者の間で今も愛培されています。

面白いものは、葉先が金魚の尾のように3つに分れた「錦魚葉(きんぎょば)椿」や、錦魚葉の葉のくびれが著しく主脈だけで繋がる「梵天葉(ぼんてんば)椿」があります。

そのほかの変わり葉品種には、丸葉や斑入り、葉の中央がへこんだ盃葉などもあります。

ツバキの主な樹形

斜幹、双幹、模様木、石付き、懸崖など様々な樹形に作られています。

ツバキは幹模様も見せ所なので、優しい吹き流しや文人風にして花を少なめに付けてもよく合います。

若枝は勢いがあり、真っ直ぐ伸びてくるので若いうちに針金などで形を作っておく必要があります。

ツバキの繁殖法

ツバキは発根がよく、新しい枝を一芽挿しても発根します。

繁殖ではこのような挿木や取木で作られたものが主流ですが、実生も楽しめます。

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東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
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